いざ出陣
「よう眠れた?」
毎日、馨さんは私の睡眠状態について聞いてくる
「・・・はい」
学園にいた時では考えられないほど、時間も質も良い睡眠がとれている
眠って気が付いたら朝
散歩に行ったり、食事の材料の買い出しに行ったり
体動かして疲れて眠っているわけでもないし、アリスを使いすぎて眠くなっているわけでもない
むしろ、アリスは馨さん、柚香さんに使用を禁止され、全く使っていない
それなのに、こんなにもよく眠れているのはなぜだろう・・・
***
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ここに来たころは、陶器のように真っ白で血の気のない顔やった
今は、ほんのり頬もピンク色が注して顔色もよくなってきてる
毎日確認している睡眠状態にも嘘はなく、よく眠れてるみたいやし・・
そろそろ、かな・・
「柚香、準備はええ?
3人が無茶をしないように見張っててや」
「・・・はいっ」
力強くうなずいた柚香に笑顔を向ける
私にこれ以上できることはない
心優しい後輩と親元離れても立派に一人の男に成長してくれた息子、愛情深い少年にあとは任せよう
3人ならきっと名前を守ってくれる
支えてくれる
4人そろって無事に帰ってくると信じて待つ
それが、いま私にできること・・・
***
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*
名前が柚香たちのもとを訪ねて、1週間
「名前ちゃん、体調はどう?」
「・・・万全です」
「棗君、翼君も準備はいい?」
「はいっ」「あぁ」
「私がテレポートで連れていけるのは、アジトから1qほど離れたところまで
そこから先は、結界のアリスが張ってある可能性もあるから
・・一旦、アリスで飛んだらこの先、気を緩める暇は一瞬たりともないと思って
些細な油断が命取りになる」
3人が力強く頷くのを確認して、柚香はカウントを取る
「じゃあ、行くわよ
3・・2・・1・・・」
ヒュッ
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[mokuji]
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