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眩しい笑顔

「アリスは使うな

  使ったら燃やす」


 そう言って苗字の口をふさぐ



 小さく頷く姿を確認してから手を離す


 嫌そうな表情をしつつも脅えた様子はない


 

 クラスの中には俺とこいつ以外にも学園の任務を受けているやつはいる


 そいつらとは、任務中に出くわすこともある


 会わないやつだってどんな任務に行っているかくらいは知っている



 苗字名前、こいつは得体のしれないやつ






 もともとの口数の少なさを差し引いたってこいつは自分のことを話さなさすぎる・・


目の前で顔色一つ変えずに押さえつけられている女、後ろで大声でわめく女にイラつきながら、小さく舌打ちをする



 バン!っと大きな音を立ててドアが開かれる

 
 「棗君!!」

 ナルの野郎が来たのでひとまずルカを連れて退散することにする


 
 ***
**
*



日向君にパンツを脱がされ、あげく「じゃあな、水玉パンツ」

 と捨て台詞を残された彼女の心の傷は計り知れない



 鳴海先生に縋り付き泣いている女の子を横目に自分の任務の報告がまだ先延ばしになるであろうこと、本日の遅刻は確定であろうことを確信する


 岬先生に頼まれてここまで来たのだから、遅刻の罰則は免除にならないのだろうかと彼女には悪いが自分のことで頭がいっぱいになる




 ふと気づくと泣き止んだ彼女は初等部の制服に身を包んで、笑顔を見せている


 「うち、佐倉蜜柑いうんや!よろしく!」


 その立ち直りの早さに少し関心していると応接室のドアがノックされ、クラスの委員長である飛田君と副委員長の今井さんが入ってくる



 とたん、佐倉さんが風のようなスピードで今井さんに飛びつき今井さんの頭が大きく前後に揺れる

 

 「ほたるぅう〜!」





***
**
*


 教室まで4人と鳴海先生が連れ立って歩く

 その道すがら聞いた話によると佐倉さんは前の学校で突如、アリス学園の転校を決心し会えなくなってしまった今井さんに会うべく、ここ、アリス学園まで一人でやってきたらしい


 横目に今井さんに纏わりつくようにして歩く佐倉さんを見る


 ふと、昔の自分と重ね合わせそうになり思わず目をそらす




 ・・あの時、私にもここまでの行動力があれば、何かが変わっていたのだろうか・・と考えても仕方のないことが頭の中を巡る



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[mokuji]




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