聞きたかったこと
「名前"〜〜〜!!」
名前"・・?もしかして、私のこと・・?
「いっじょうのおでがいや"ぁあ!!いっじょにぎでぐれぇぇ」
・・要約すると、ゲームをクリアした日向君に蜜柑のランプが当てられたために、1週間ずーっと日向君に付き添い3つのお願いを叶えるまで下僕、
・・私に、それに付き合えと・・・?
・・イヤ、・・めんどくさい・・
しかし、顔を真っ赤に泣きはらした蜜柑がこちらをウルウルとした瞳で見つめているのを見ていると、あまりに哀れに思えてきて
「・・はぁ、文化祭の間だけね・・」
「あ、ありがどぉおおお!」
号泣しながら、喜ぶ蜜柑を見ていると、引き受けてよかったかなと少しだけ思えた
「・・私は奴隷じゃないからね・・」
「うるせぇ、分かってる」
念のため、ね
***
**
*
奴隷という立場を忘れてはしゃぎ回る蜜柑を見て、呆れつつも微笑ましく思える
「あ、そういえば委員長のとこのお化け屋敷、行ってへんかった!」
という蜜柑の一言で私、蜜柑、日向君、乃木君の計4人は潜在系のお化け屋敷へとやってきた
「うちは田舎育ちで暗いのも、肝試しも慣れてるしー」
・・蜜柑、絶叫ナウ・・・
元来、私もこの手のものはあまり得意でないが、蜜柑の奇声を聞き、冷めた気持ちで蜜柑を見守ることができている
「・・・・・せっかく、せっかくあの世まで運ばせてやろうと思ったのにぃぃぃ!!!!」
パニックに落ちいった蜜柑と乃木君のうさぎさん
あっけにとられているうちに、蜜柑とうさぎさんは暗闇の中へと駈け出して行った
いち早く反応して、追いかけていった乃木君に思わず拍手を送りたい気持ちになる
と、余裕をぶちかましていたことを呪いたくなる
ぎぃいいっ、ガチャンっ
閉じ込められたあげく、停電・・・
***
**
*
「・・おいっ、外に出る方法考えろ
なんか、使えるアリスはねぇのか」
「・・えっ?何?」
「やる気あんのか、てめぇ」
「・・うん」
やけに鈍い反応が気になる
立ったまま壁にもたれかかっている、苗字の顔を見上げると暗がりのせいだけでなく、青い顔をしているように見える
仕方なく、火を出し、あたりを明るく照らしてやることにする
「・・・ありがとう」
小さく呟き、俺の横に腰を下ろした苗字はずいぶんと小さい
「・・おいっ」
「・・なに・・?」
「お前、何でこの学園に来たんだよ」
「?」
前から気になっていたことを2人きりであることを利用して、問い詰める
「お前のアリスなら、学園から身を隠して逃げ切ることくらい簡単だったはずだ
この学園に何かあんのかよ」
***
**
*
赤い瞳がまっすぐにこっちを見つめている
あぁ、日向君は私も日向君と同じ境遇でここにいるのだと勘ぐっているのだろう
前に、1度だけ覗き見の葉っぱのアリス"で見たことがある、同じように赤い瞳を宿した小さな少女の姿を
「・・・私は、違うよ
自分の足でここに来た
ここに来ない道(未来)もあったけれど、自分で選んでここに来た
学園で、やらなきゃならないことがある・・」
「何だよ、そ・・」
ぎぃいっと先程までびくともしなかった扉が開く
救助の人がやってきた
今はまだ言わない・・・
母さんに会う・・・
あの時、自分にかけたアリスがちゃんと効果を示すまで
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[mokuji]
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