■ 第二十三爪

 


あー…どうもこーもねぇなー。

こた元気かなー…あと松永。



誰だこの人。23
〜少々休息のち、ちょっと喧嘩へ〜



「あー暇ー」

「…そんなに暇なら織田にでも突撃してくれば?」

「ちょ、何その暇つぶしにしては超壁高い任務」

「そう?零龍なら出来るんじゃない?」

「佐助、何でお前そんな暗いんだよ」

「別に?」

「幸村ァァァ!佐助がァァァ!」

「一々叫ばないでってば!」

「どうしたでござるか零龍殿ぉぉぉ!」

「おっす幸村!」

「…む?」

「あのね旦那…俺様何もしてないから」

「何と!」

「何かさー佐助が俺に八つ当たりしてくる」

「八つ当たり?」

「別にいいじゃん、掠り傷で済んだんだし」

「零龍はそれでいいかもしれないけど、俺様にとっては良くないの」

「佐助…まだあの事を気にしているのか」

「そりゃ気にするでしょ。俺様がもっと早く大将の傍に居れば…」

「…あのなー」

「…何」

「お前馬鹿?」

「…俺様のどこが馬鹿だって言いたい訳?」

「今考えてる事」

「じゃあ零龍は悔しくないの?」

「悔しいよ?だから?起きた後でくよくよしてどーすんの?」

「っ…」

「あの時あーすればよかったーとか思うのはほんの少しでいい。後は父上と謙信様の療養とこれからどうするか考えるだけ」

「……まさか零龍に言われて気づくとはねー」

「オイどういう意味だおるぁ」

「何にせよ、俺様は行くとしますか」

「どこに」

「ちょーっとね」

「…佐助」

「ん?」

「無茶を、してはならぬ」

「旦那もね」

「佐助ー」

「はいはい何?」

「お前、死に急いだら俺が刺すぞ」

「え、何それ酷い!」

「はっは、無傷じゃなきゃ俺からの拷問プレゼントな」

「えええええちょっと、それは無いんじゃない?」

「あるね。俺ならやるよ」

「…やれやれ、じゃあ仕方なく無傷で帰ってきますか」

「やかましい、仕事は情報収集だろーが。無傷で当然じゃ」

「はいはいーじゃねー」

「おー」

「熱血であるぞ佐助ぇぇぇ!」



幸村が叫ぶと同時に消えた。

ぽつん、と取り残された感じの残る俺達。



「…さて、幸村」

「む、何でござるか?」

「父上が呼んでたぞ」

「な、何と?!」

「急いで行って来い」

「で、では某はこれにて!」

「おー」



幸村も走っていった。

…お館さぶぁぁぁ!とか叫びながら。

ま、父上が呼んでたっつーのは強ち嘘じゃない。

ちょっとねー。



「やー…久しいねーこた」

「………」



さっき佐助が消えた後に感じた気配。

懐かしい、けど少し殺気も混じってて。

とりあえず幸村を別の場所へ移動させなきゃ話もできない。

という訳で父上がーを採用。

全く動かないこたの方へ振り向いた。

ら。

何か目の前真っ暗です。

あれ?



「こたー?どうしたどうした?」

「………(ぎゅう

「うぶぶ、うまっ!ちょ、埋まる!息が!」

「……(力弱めたけど離さない

「…ご心配おかけしました小太郎さん」

「…………(頭撫で撫で

「や、ちょ、子供扱いすんなし」

「……………?」

「ん?このまま帰ろうって?いやーもうちょいここ居るわ」

「…?」

「やーちょっと喧嘩売られたからさ、イラッと来たのよ俺が」

「……(クスクス笑い

「俺らしいって?はは、これが俺さね」

「……………?」

「あーぶっちゃけさ、今からでも喧嘩買いに行きたい訳なんだけど」

「…?」

「こたが居る事だし…送ってくれね?」

「………」

「こたも一緒に参戦してくれるって?マジでかありがとう!」

「……………」

「おお、準備すっからちょっと隠れててくれ」

「…(頷き



てな訳で喧嘩を買いに豊臣につっこんできます。

無謀?何とかなるさ多分。

佐助とかかすがに言ったのお前じゃん!って?

知ってるよー人には言えるけど、自分には言えません。

誰か言ってくれ。

…とりあえずれいりゅうを持って…んじゃ、行ってきます。




「さぁ、行こうかこた」

「…(頷き

「もうめんどくせーや、担いでー」

「…………(首横に振り

「え、なん」

「…零龍!?」

「げっ、かすがだ急げ!」



かすがの声にビビった俺は急げとこたに言った…ら。

何故姫抱きにすんのかな?うん?

…もしかして俺を女だからとか思ってんのかしら。

ちょっとこた、殴っていいか。



「……?(ゾワッ

「まぁいっか…楽っちゃ楽だし…」

「待て零龍!」

「かすがー他言無用!俺はだいじょーぶ!」

「…私には言っておきながらお前は行くのか!」

「だーって誰も俺に言ってくれねーんだもの!俺は、自分自身には言えましぇん!」

「ダメだ零龍!行くんじゃない!」

「ごめんねー!また会えたら会おうぜっ!じゃね!」



手を軽く振り終わると同時にかすがが見えなくなる。

いやー…ホントナイスタイミングで動くね、こた。

さて、今から豊臣に突っ込む訳ですが…。

策とかそんなもん一切考えてないんだよねー。

ここは武田らしく正面突破?

…無理か。



「ねーこた」

「…?」

「俺さ、行くって言ったはいいけど策とか無いんだよね」

「!」



周りがよく見渡せるほど高い木の上で止まったこた。

ちょ、ある意味紐無しバンジー並みの怖さなんだけど!



「こた、ここで止まるのは無いわ!」

「…………?」

「んえ、どうするんのかって?どうしようかね…一瞬武田式正面突破でもするかって考えたんだけど」

「っ!(首ブンブン横に振り

「…やっぱり?」

「………」

「まー豊臣相手に正面突破が通じれば苦労しねぇや、と思ったからやめたけど」

「……?」

「そうだ、こたに頼みたい事があるんだけど」

「?」

「ごにょごにょごにょ…出来る?」

「……………(少し考え頷き

「おお!じゃあ宜しく!俺待ってるぜ」



少し話した後こたが動いた。

大阪城まではまだ遠いけども、何とかなる筈!

多分!

…そこ、何でそんな多分に力が籠ってるの?とか言わない!

多分何とかなる筈だから力を入れたまでだ!

おーぅけーぃ?



「ふぁー…やべ、眠くなってきた…」

「…?」

「マジでか。じゃあちょっと寝るわ…悪いねこた…」

「………」

「おう…宜しく…グカー



起こされた時は目の前に恐ろしいあの人がいらっしゃいました、まる。

作文風に言ってる場合じゃねぇぇぇぇ!







終われっ!

――――――――――ミ☆
まさかの。自分も予想外(予想外連発
何という自由奔放な零龍←
こたがかなり良い人だ…ってか久々だねこた!
そろそろ登場人物の所変えるか…。
変えると言うか追加?そんな感じで変えてきます。
おっしゃ、この調子で更新強化だぜ!

ここまで見て頂き有難う御座いました!


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