■ 第二十二爪

 


どこだどこだどこだー?!

謙信様とかすがあああああ!



誰だこの人。22
〜招かれざるゲスト〜



「おるぁぁぁ!邪魔だ雑魚がぁぁぁ!」

「うわぁ、何だコイツ!強いぞ!」

「コイツを止めろぉぉ!」

「ふははは!俺を止めるだと!?この武田零龍が止められるかぁぁぁ!」

「武田だと?!信玄公の息子か?!」

「馬鹿な!そんな話、聞いた事がないぞ!」

「よーく覚えとけ!俺の名前は武田零龍!一応息子じゃいああああああん!」

「はっはっはっ!元気がいいねぇ!」

「元気が取り柄ですからー!…って誰だよこんなKYな声!」

「…けぇわいの意味がよく分かんないけど、俺はここだぜ」

「この声は…空気こと前田慶次!」

「え、俺って空気なの?!」

「空気も読めない所あるしな!」



まさかのKGキタ!

ん?もしかして謙信様の助っ人とか?

…せこい!



「んだ、慶次!お前もしかして謙信様の助っ人か!」

「助っ人…って言うならそうかもしれないけどそうじゃないかもしれないな」

「どっちだよ!」

「まぁ一応一飯一宿の恩があるしなぁ」

「とりあえず父上の敵な訳ですね」

「そーなるね」

「覚悟しゃーがれ!」

「うわっ!不意はないだろ!」

「でもそんなのかんけーねぇぇぇ!」

「ちょ、ちょっと落ち着けって!」



空皐をブンブン振り回す俺。

とりあえず敵だし、やっちゃっていいんじゃね?なノリです!

え、ダメ?



「けいじ、すこししつれいしますよ」



「……この声はっ!」



キィン



たった一瞬が長く感じた。



「っ…とと、謙信危ねぇな」

「それはもうしわけありませんでした、けいじ」

「ぬぬぬ、くそーこの細ーい羨ま…ゲホゲホ、細い腕のどこに力がっ」

「おや…みたことのないかおですね」

「あ、どーも武田零龍です」

「たけだ…しんげんのむすこでしょうか」

「義理ですけども…ってか動かんなしかし!」

「ふふふ、そうかんたんにはまけませんよ」

「でしょーねー…よっと」



少し押しに出て、押し返された力を使って後ろに飛ぶ。

…一般人からどんどん遠ざかる…っ!

が、がんばっちゃうんだもんね!

てーか父上えええええ早く来てええええええ!



「…もうすこし、あなたとはなしをしてみたかったのですが…」

「…ん?俺話をしにきてる訳じゃねーですよ、めっちゃ嬉しいけど」

「零龍」

「…父上、来てたんならもうちょーっと早く助けて欲しかったなー」

「助けろと言われても…あまりにも楽しそうだったんでな…」

「や、まぁ確かに楽しかったけどさ」



「…久しいの、謙信」

「ひさしいですね、しんげん」



「さっそく2人の世界に入ってら…」

「俺帰ろうかな…」

「帰すかぁぁあ!俺と戦え!」

「嫌だよ!」

「却下!俺と今すぐ勝負!決定!」

「え!拒否できないの!?」

「お前にそんなものは無い!」

「酷い!」


戦闘開始。


▼やせいの
ふうらいぼうが
あらわれた

れいりゅう:HP 202

→こうげき
 とくしゅ
 ぼうぎょ
 とうそう


▼れいりゅうの
こうげき!

ふうらいぼうに15のダメージ!


▼ふうらいぼうの
こうげき!

れいりゅうに20のダメージ!


▼つぎはどうする?

れいりゅう:HP 182

→こうげき
 とくしゅ
 ぼうぎょ
 とうそう


▼れいりゅうの
こうげき!

ふうらいぼうに15のダメージ!


▼ふうらいぼうの
とくしゅこうげき!

【こいのあらし】

れいりゅうに130のダメージ!
いろんないみできゅうしょにあたった!


▼つぎはどうする?

れいりゅう:HP 52
(ピコーンピコーン)

 こうげき
→とくしゅ
 ぼうぎょ
 とうそう


▼れいりゅうの
とくしゅこうげき!

【もえさかるあいとう】

ふうらいぼうに600のダメージ!


▼ふうらいぼうをたおした!
(てれれーん)


▼しょうり!

けいけんち:50000

れいりゅうはレベルがあがった!

HP:257
こうげき:253
ぼうぎょ:169
すばやさ:190



「ハァ…ハァ…っギリギリ勝ったぜいぇあーっ!」

「あれ、負けた…」

「はーっはっはっはっ!さぁ、跪け!」

嫌だよ!そもそも何で?!」

「俺に負けたから」

「だからってしないぜ俺は!」

「しろよー」

「いや、しないって。そもそも俺は野郎に跪くつもりないし」

「じゃあ女であれば跪くのかよ!」

「まぁ、条件によるけどね」

「男女差別だお前!」

「えーっ!だってこれが俺の信念なんだって!」

「下らん!」

「酷い!」




しかし…つ、疲れた…。めっちゃ疲れた…!

やっぱ筆頭戦はあれ、まぐれか。

…ってか父上と謙信様どこ行った?

まぁいっか。

そばに居た筈の父上と謙信様が居なくなった事はあまり気にせず慶次と少し遊んでいた。

すると突然大きな銃声が響き渡った。

音のデカさからして1発じゃないだろう。

一気に10発は撃ったような音だ。

嫌な予感がした。



「…俺、ちょっと行くわ」

「…俺も行くよ」

「マジか、助かる」

「どっちにしろ、その体力じゃ走れそうもないだろ?」

「…そーですね」

「仕方ないから担いでやるよ」

「そらどーも」



慶次に担がれて銃声のした方へ急ぐ。

ついた!と思った瞬間、声が聞こえた。



「第2射、構え」



思わず、飛んだ。

うん飛んだ。

まさか飛べるとは思ってなかった。

人間やれば出来るもんだね!

マジで。



「放て、空皐!」



叫ぶと同時に空皐を抜く。

刀を一振りすれば俺と敵を遮るように炎が壁を作った。

ソイツは一瞬驚いた顔をしたがすぐに不敵な笑みを浮かべた。



「…全く予想外だったよ」

「…俺も予想外だったよ、竹中半兵衛」

「僕の事を知っているのかい?」

「そら知ってるよ。知らぬ顔だとか沈黙だとかでしょ?」

「その通りだよ」

「ったく、何しに来たんだか」

「…意外と、君は隙が多いようだね」

「あ?」


「撃て」



何の前触れも無く、半兵衛の手が下ろされた。

このままじゃ俺も勿論、父上や謙信様にまで当たる。

ほぼ無意識に言った。



「遮れ【断炎】」



言葉を言うと同時に刀を一振りする。

すると、炎が一段と大きく燃え上がった。

飛んできた銃弾は、この壁の先へ来る事は無かった。



「…どうやら君は婆裟羅者の様だけど…見ない顔だね」

「ま、そりゃ俺も初対面だからな」

「…名前を聞いてもいいかい?」

「えー何で」

「もしかすると名前を知っているかもしれないからさ」

「…武田零龍」

「武田?…信玄公の実子かい?」

「残念ながら違うね、義理」

「へぇ…実子で無くとも後継ぎは出来た訳か」

「はっは、心配すんなよ」

「…何の事に対してか想像は出来るけど…一先ず、君は敵と判断していいのかな?」

「当たり前だ。俺は豊臣になんか絶対入らねぇ」

「ふふ、今にそうは言えなくなるよ」

「何でだよ」

「…炎が弱まってきたね」

「…あん?何か言ったか?」

「いや、何も言ってないよ…フフ…

「…?」

「撃」


「下がるのじゃ、零龍!」
「さがりなさい、れいりゅう!」



「イエッサァァァァ!」


「動かざること山の如く!」
「神陣!」



「コラボォォォ!」

「くっ…!(まさかこんな力がまだ残っていたとは…!)」

「儂らをなめるでないぞ!」

「一旦、引かせてもらうよ…」

「ぬっ、待てオルァァァァ!」


「待て零龍!」

「…!そうだ、今は追っかけるより父上!」

「っ…大将!」

「佐助ぇぇぇ!早く治療!治療!」

「ちょ、零龍落ち着いて!」

「そ、そうだな!落ち着け俺!


「謙信様っ!」

「この声は…かすがぁぁぁ!」

「だから落ち着けって!」

「謙信様は無事かかすがああああ!」

「っ…何者だ貴様!」

「えーっと、とりあえず落ち着け!俺も落ち着け!」

「わたくしの、うつくしきつるぎ…」

「謙信様…!」

「ぶじで、なによりです…」

「謙信様っ!私は…」

「…かすが、今はそんな事考えてる場合じゃないでしょ」

「…………謙信様…!」

「…ま、何考えてるか何となく察したけど」



その後幸村が来た…んだけど何を勘違いしたか、いきなり謙信様を襲おうとしたり、かすががそれに対抗しようと苦無を構えたり、それを俺が止めたり。

俺頑張っただろ!誰か褒めて!

そんなこんなで今は躑躅ヶ崎館にいる。

謙信様とかすがも一緒に。

俺が頼み込んだのさっ!

え、誰にって勿論謙信様とかすがにっ!



「で、どうなの?」

「安静にしてれば早く治るだろうってさ」

「…じゃあもうこれで安心していい訳?」

「そうだね」

「おっしゃーよかったー!」

「しかし…2人ともよく銃の弾が掠っただけで済みましたね」

「何、気配は分かっておったからな」

「すげぇぇぇ…っと、俺謙信様の所行ってくるー」

「…かすが、結構気が立ってるから怒らせないようにね」

「頑張るー」



頑張ると言った瞬間に襖を開け、閉める。

後ろの方で「ちょっと、本当に怒らせないでよねー!」とか叫んでるけど気にしなーい!




謙信様が居る部屋の前に立つ。

襖に手をかけると同時に言葉をかける。


「謙信様ー」

「入ってくるな」

「早っ!」

「…何の用だ」

「謙信様はいかがですか」

「今は寝ておられる」

「あーそっかーじゃあ俺ここに居るー」

「…今すぐどこかへ行け」

「やだね。どーせ俺が居なくなったらやった奴探しに飛び出すんだろ?」

「……………」

「無言は肯定とみなす」

「………」

「まー分かるんだけどね俺も」

「…貴様などに分かるものか!」



襖が開く。

俺は座っている為、かすがを見上げた。

かすがの顔は、すっげぇ悔しそうだった。



「分かるよー俺も父上がやられた訳だし」

「父…だと?」

「そ。武田信玄が俺の親父」

「実子…では無いな」

「おぉ、俺義理よ」

「…貴様の名前は何だ」

「武田、零龍」

「そうか、零龍」

「ん?」

「お前は強いな」

「…俺は強くねぇよ」



とほのぼのしました。

ツンデレなかすがもいいけどこんなかすがもいいなー可愛い!

…ってか何か忘れてないか俺。

………あ!

慶次放置してきちった。

ごめん慶次、素で忘れてたよ空気過ぎて。




「…俺、京に帰ろうかな…」







終わりっ!

――――――――――ミ☆
てな訳で終わります。
ぶっちゃけこれ書き直したんでちょっと変かも。
詳細と言うほどでも無いけど日記にそんな感じの叫びが。
あれは泣けた←
ゲストは慶次さんとはんべさんでした。
はんべさんは自分も予想外だった。
そしてこれ書き直すのに2時間かかったのも予想外だった。

ここまで見て頂き大変有難う御座いました!


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