■ 第二十爪



佐助ーおやつは何文まで?

200も…って遊びに行くんじゃないんだから!

うん、わざと。

へーぇ…?

うん、落ち着け!てめ手裏剣構えんなぁぁぁ!



誰だこの人。20
〜ピクニック気分でもいいじゃなーい?〜



まぁとりあえずおにぎりと竹筒を風呂敷に包んでしっかりと背中に背負わせるように結ぶ。

うん、これで落ちたら俺泣くぞ。

と、言う訳でほとんど遠足気分で松永んとこへ空皐を取りに行きます。

んー…言いだしといてなんだけど、眠い。



「佐助ー眠いー」

「いや、それ言われても困るんだけど…」

「一人でがんば」

「一人で行く訳ないでしょ、刀の形知ってんの零龍だけだし」

「えー」

「ほら行くよ」

「ふっ、しゃーねぇ行ってやるよ…」

「…道中、いつ落ちても知らないよ」

「ごめんなさい」



そんな会話をしつつ俺は歩こうと、一歩踏み出…す前に後ろへ引っ張られた。



「げはっ!」

「ぷっ」



…こいつ…!

そりゃ勿論、いきなり引っ張られたら変な声も出るわ!

ちなみに、姿がバレないように布を首に巻いている。

息止まりかけたんですけど。



「ゲホゲホゲホ、何しゃーがんだてめぇぇぇぇぇ!

「いやー一回やってみたくて」

「黙らっしゃい、今度覚悟しとけ」

「はいはいっ期待せずに待ってまーす」

「くそぅ、殴りてぇ…!」



何はともあれ、出発する事に。

ここで問題発生。



「オイ、俺をどーやって運ぶつもりだテメェ」

「ん?勿論俵みたいに担」

「殴るぞゴルァ」

「えー、じゃあどーやって運べっての?」

「うーん…筋トレがてら俺が佐助の足を掴んで」

「却下」

「えー」

「俺様が一番ツライからそれ!」

「心配すんな、何とかなる」

「ならないよ!」

「じゃあ仕方ない担がれてやんよ」

「凄い上からの言葉なのが…」

「いいから担がれてやんよ」

「はいはい…」



と言う訳で出発。

山越え川越えーとか言う暇無い位速いです。

目ェ回る…!



―十数分後―




「着いたかな」

「うぇぇぇぇぇ…」

「…何目回してんの?」

「回すわアホ…!早すぎるんじゃアフォッ!」

「はいはい、バレたい訳?」

「滅相もない」

「さて、刀どこにあるか覚えてる?」

「一応な」

「だったら教えてよ、すぐ行けると思うし」

「はいよ」




簡単に説明するとまるでテレビのごとく目の前の景色が一瞬で変わった。

眩暈を感じる暇も無かったですわよ奥様。

…うん、今の誰だろーね。

さてさて、空皐はどこだーい?



まぁぶっちゃけどこにあるかって言ったら俺の部屋としか言い様が無いんだけど。



そこら辺言っちゃえないのがうーん残念!

冗談冗談、いっつじょーく!

と言う訳で俺の部屋です。

結構質素な部屋にしてくれと頼んである。

もう農民と同じので!って言った事もあったかなー。

しかし、流石に普通並みの物はある。

農民と同じのは却下されました。超高速で。

まぁ何とか誤魔化せ俺。



「これまた、拉致を計画してたみたいな部屋だねー」

「だよねー俺焦ったよ。こんないい部屋でいいの?!みたいな」

「俺様でも牢に入れたのに」

「鍵無しで、だよなアァン?」

「はいそーでした」

「てめ、棒読みじゃねーかコノヤロー」

「それより早く刀見つけないと誰か来るかもよ?」

「けっ…」



とりあえず見つかるのは面倒過ぎて困るので急いで空皐を探す。

ここに置いておいたのだから必ずあると思いがさごそと漁る。



「お、あったあった」

「へぇ、それが零龍の刀…ねぇ」

「…オイ、その眼は何だコルァ」

「いやー目立つなーと思って」

「佐助も忍なのにすげぇ目立ってるよ」

「えぇっ!俺様目立ってんの?」

「目立ってるよ。っとさっさと行こうぜ」

「それもそうだね、誰かこの部屋に近づいてるし」

「大方様子見の兵じゃねーの?」

「そうかも。ま、何にせよさっさと帰りますか」

「さっさと連れて帰れ」

「はいはい。落されない様に気をつけてね」

「それはお前だっ!」



と半ば言い合いをしつつ部屋を後にする。

数分騒がしかった部屋に入った奴が誰なのか、その場にいなかった俺が知る筈もなし。

まさか…と思いつつね。



「あー疲れた」

「あのねーこっちも疲れてんだからねー」

「お前はへーきだろ」

「平気な訳無いでしょ…旦那達と一緒にしないでってば」

「はいはい、つまりお前は非力だって言いたい訳だ」

「誰も言ってないけどね」

「だってそーだろ、たったこれ位で疲れたとか言うなんて非力以外の何物でもねーぜ」

「へぇ…じゃあちょっと俺様と手合わせでもする?」

「あれ、佐助さん顔がマジなんですけど」

「え、そう?別にこの手合わせに乗じて殺っちゃおっかなーとか思ってないよ?」

「嘘つけぇぇぇぇぇぇ!」

「やだなー嘘なんて言ってないよ…?」



ゴゴゴゴゴと効果音が聞こえそうな位の見下しっぷりである。

怖いよ佐助さん。

戦が近いんだしちょっと抑えろよ…。

て、いうかぁー佐助ってぇホントぉ
挑発に乗りやすいんだねぇー☆



……おえっ。

誰だろうこれ…。



とにかく、どうしよう。

必殺技発動します!



「佐助、今ここで俺に何かしたら叫ぶぞ」

「そんな脅し今なら怖くないから」

「じゃあ叫んでやろ」

「叫べるもんなら叫ぶといいよ」

「…イラッときた」



「父上ぇぇぇぇぇぇぇ!
幸村ぁぁぁぁぁぁぁ!

佐助がぁぁぁぁぁぁぁ!」



「本当に叫んじゃったんだけどこの子!」


「言ったじゃん、叫ぶぞーって」

「だって本当にするとは…!」


「佐助ぇぇぇぇぇぇ!」

「零龍ー!無事かぁぁぁ!」



「何か本当に来ちゃったし…!」

「さ、殺られてらっしゃーい」

「えええええちょ、待っ」



ドーン

と、押してやりました。

押した瞬間ガツン!と良い音が響きまして…。

佐助と幸村が蹲ってたよ!

面白かったです、まる。

それと、戦まであと少し。

頑張ります!

…何をって聞かれても…何かを!







終われぇぇぇ!

――――――――――ミ☆
どんだけ時間かかってんだって話ですねごめんなさい。
つ訳でついに20爪です。
一向に松永様出てきませんね。
どうしよう☆
すみません調子乗りましたごめんなさい石投げないでっ!
そんなこんなで零龍が川中島へ参戦します。
どんな嵐になるんでしょーね。
自分でも分かりませんあっはっはっは!←
佐助が毎回哀れっぽいですが、愛ゆえなのだよ(

ここまで見て頂き大変有難う御座いました!


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