■ 第十七爪




うーん…暑い…何か現実で暑苦しい光景が繰り広げられてるらしい…。

暑い…!



誰だこの人。17
〜どうしようこの話の収集〜



「うお館さむぁぁぁぁ!」

「幸村ぁぁぁぁ!」

「うぉやかたさぶぁぁぁぁ!」

「ゆきむるぁぁぁぁぁぁ!」



とりあえずお早う御座います。

体を起こす気が出ないよ…。

目覚め?微妙。

きっと松永とかあの声で起こされたら刀片手に爆破に行くんだろうな。

松永居なくてよかった。

筆頭は混じってそうだ、刀持って。

こじゅは止めようとして止められなくて諦めてそうだ…。

佐助慣れっこだろうな。

容易に想像出来るわぁ…。



「おっはよー」

「ぶっふぁ!」



まぁ俺寝てる訳ですよ。

ぼーっと考え事してた訳ですよ。

いきなり天井から首生えてきたらそら驚くわ。



「オイ佐助、お前の首天井に縫い付けてやろうか」

「ちょ、怖いって。しかも冗談に聞こえないんだけど」

「冗談で言ってるつもりないからな」

「本気?!」

「はっはっはっ、多分冗談さっ」

「多分とか信用できないし…」

「それよか佐助」

「…ん?」

「 ど け や 」

「………あぁ、ごめん気づかなかった」

「また叫んで欲しいか」

「うんごめん、冗談だから叫ばないでね」



話をしていると気づけば俺の体の上に佐助が座ってた。

重くは無い。

きっと足で空気椅子なんぞやってるんだろう。

でもまぁ幸村からすれば追い掛け回す対象になる。

なので脅し文句「叫ばれてぇか」を覚えた。



「てか佐助、お前ネコミミどした?」

「…つける訳ないでしょ」

「ほう…?」

「…な、何よその目」

「父上に幸村はしっかりつけてるのに?」

「ぶっ」

「佐助はつけないんだー…?」

「ってか何で大将に旦那はまだつけてんの?!」

「俺の言う事しっかり守ってくれてるからだよ」

「じゃあ旦那が城下へ行く時は…?」

「ミミをしっかり風呂敷で隠してコソコソ行ってるね」



「旦那…ッ!」



父上なんてもう必死で隠して…って言うかもう人前に出なくなったらしいよ。

…や、やっぱりミミ外していいから人前に出よう父上…。


何か絶望した感のある佐助を放置して寝間着の上から着物を羽織る。

んでとりあえず呼ぶ。


「父上ー幸村ー」

「む、どうした零龍」

「零龍殿も一緒にやるでござるか?」

「やんねーよ。てかちっと話あるんだけどいい?」

「構わんぞ。幸村、休息としよう」

「はっ!」



縁側に座り込む父上と幸村。

俺?何でか知らないんだけどさ。

挟まれてんだよねー見事に。

うんぶっちゃけると暑苦しい。

まぁ退かせる気もとうの昔に失せているのでスルーして。



「して零龍、話とは何じゃ?」

「はっ、そうでござった!」

「幸村、団子一本寄越したら許す」

「ぐ、ぐぬぬ…」

「幸村、儂にもくれぬか」

「お館様にならばいくらでも!」

「へぇーえ…幸村それずっとつけっぱで居たいのか…」

「そっ…そんな事は無いでござる!」

「じゃあ団子一本寄越す」

「うぬ…一本だけでござる…」

「お前団子の事となるとケチィな幸村…」

「けち…でござるか?」

「ケチだな」

「今の旦那はケチだったね」

「幸村、から見てもケチじゃったぞ」



「そ、某はただ団子を渡したくないだけであったのに…!」



「「それをケチって言うの知ってる?」」(零龍・佐助)



orzみたいな形で何かに悔しがる幸村。

とりあえずお前は団子と言うか絶対甘味にはケチだと断言できる。

と言うか佐助、お前いつから俺の後ろにいた?



「うぅぅ…」

「と言うか零龍、話それすぎてるよ」

「軽く幸村のせいだな」

「…ごめんね、旦那。否定出来ない」

「佐助っ?!」

「否定所が無いの」



さらに項垂れる幸村。

放置放置っと。



「あ、話はねそのミミとっていいよって話」

「…真か?」

「……零龍殿!それは真にござるか!?」

「え、ホント?やった」

「佐助、お前はつけてろ」

「俺様だけ?!」

「とりあえず父上が人前に出ないとかそれは流石にヤバいでしょ…」

「ぬぅ、しかし…」

「や、それとっていいからさ。執務に専念して下さい」

「…零龍がそう言うならば甘えるとしようかの」

「うん、やっぱそれでこそ父上だわ…」

「そ、某も取っていいでござるか?」

「…前言撤回、幸村と佐助はまだつけてろ」

「「本気(でござるか)?!」」



はっはーんケチが祟ったな幸村。

佐助、お前は朝から早速破ったからアウト。

さってさって、これをどう噂にするか…。


それかなりあくどい企みだよね。

零龍殿酷いでござる。

おめーら揃って人の思考に入ってくんな。



「おぉ、そうじゃ零龍」

「何ですかぃ父上」

「伊達に書状を出すつもりなのじゃが…」

「…あ、それ俺が帰る時の一週間前位でお願いします」

「ぬ、そのようにするとかなり来るのが遅れ」

「遅れていいんですむしろ遅らせたってください」

「どんだけ嫌なの…?」

「そんだけ嫌なの」



伊達さん来られちゃややこしいからねぇ。

むしろ本気で連れて行かれそうだ。

さて、どうやって噂広めるか。







終わりさっ

――――――――――ミ☆
中途半端でごめんなさい。
とりあえずお泊り初日。
…あぁ、やっぱり家臣を納得させなきゃなぁ。
謁見…謁見?謁見か。え、ホントに謁見か?
苦手過ぎる。謁見とか逃げたくなる。
いつするか…何と言うか零龍は逃げそうだ。むしろ逃げろ←
いつしようかな…。

ここまで見て頂き有難う御座いました。


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