■ 第十一爪




クリーンヒットしました飛び蹴り。

否、かかと落とし。

…死んでないよな?



誰だこの人。11
〜助けに来た後はレッツ共闘…マジか〜



「な…!」

「政宗様っ!」


「ぐ…」

「あ、ごめん。まさかクリーンヒットするたぁ思ってなかっ…」

「…ほう」



軽く謝った。

だってまさかクリーンヒットするとは…。

少し罪悪感がある俺の頭にスッと手が伸ばされた。

瞬間。

頭がかなりの力で掴まれた。

…いでででででで!!



「ぎゃあああああ!ちょ、怒るなって!許せぇぇぇ!」

「卿は一体何がしたかったのかね?
私に態々蹴りをする為だけに戻ってきた訳では無いだろう」

「いやそうですけどね、っていだだだだだだ!

「高が頭を掴んでいるだけだろう?」

「どこがだテメェ!ちょ、むしろこれ握り潰そうとしてねぇかぁぁいてぇぇぇ!



「…小十郎、思ったんだがよ」

「…何で御座いましょう」

「何でアイツが来るとこうも雰囲気がガラッと変わるんだ?」

「…この小十郎、答えかねます」




とりあえず頭から手は離してもらった。

痛かった…!

と言うか邪魔してごめんな、政宗…。

仕方ないじゃん。

邪魔するにはやっぱり特攻かなって。

や、だってさ。

俺がいくら婆娑羅者っていってもさ。

元一般人だぜ?

あえて元なのは婆娑羅者だから…。

こう、突っ込めば何か警戒して政宗とか飛び退くんじゃねぇかなーと。

まぁ飛び退く云々の前に俺が踵落し決めた訳だが。

死んでなくて何より。

だってあれで…ローソク消えちゃあ…俺、何の為に戻ってきたの?になるじゃん。

と、まぁのんきに言ってる場合ではないが。

だって政宗(六爪)とこじゅ(極殺)いるしね。

…え、何で俺が大仏殿炎上する時の様な状態?



「わぁ、あそこに暴走族のヘッドと893がいるよ…」

「卿が何を言いたいのかよく分からないが…否定が出来んな」

「HA!随分とのんきだな」

「のんきっつーか雰囲気で」

「…その原因はお前だからな?」

「マジか!」

「……………」

「…小十郎、何となくお前の思う事は分かるぜ」



マジか!って言ったらこじゅがすっげぇ呆れた顔をした。

…え、いや何となく空気ぶち壊したなって思ったけどさ。

そこまで呆れられると何か傷つく!

すぐ忘れるんだけど。



「…それで、卿は何の為にわざわざ戻ってきた?」

「いやぁ、死んでないかなって確認に」

「ならば今すぐ風魔と共に消えたまえ」

「却下。むしろお前がこたと消えたまへ」

「ほう、私を風魔と一緒に逃がした所で卿はどうするつもりだね?」

「とりあえず刀返して説得出来たらして帰ってもらって消火活動して色々」

「…刀を返せと?」

「当たり前だコラァ」

「やれやれ、卿は一体どちらの味方だ」

「どっちかっつーと今この状況からしてどちらでもないと」

「…曖昧だな」

「曖昧上等!と言う訳で早く返せ」



そう言って俺は手を差し出した。

少しの無言の後、小さくため息をついて松長は言った。



「いくら零龍の頼みと言えどそれは出来ないな」

「えー」



すかさずブーイング。

…引かれると分かっていながらもすこーし可愛げに言ってみた。

……引かれたらかなり凹むんだけどね。



「……返すつもりは毛頭無いよ」

「えー」



もう一回。



「………零龍」

「ん?」



何かしましたか、的な顔で松永を見る。



「少し黙っていたまえ」



………えぇぇぇぇぇ!(※ブーイング)



「嫌ですコノヤロウ」

「では気絶でもしているかね?」

「さらに嫌ですコノヤロー」

「黙るか気絶するかどちらかだ」

「いやいやいやいや何その選択肢」



と2人で何か言い合っていると後ろから声がした。



「…随分とソイツを甘やかしてるようじゃねぇか」



唖然。

誰がって、俺が。

松永も何か一瞬呆けてたけど。

え、俺が?甘やかされてる?

思い当たる節が多すぎて否定出来ません筆頭。



「…ほう、そう見えるかね?」

「見えるぜ。黙るか、気絶するかなんて聞くような奴とは思ってなかったしな」

「それがどう甘やかしていると見えるのか如何せん気になるな」

「………否定したい、かなり」

「よく考えてみろよ。俺の刀の為にあっさりと人を落とすような奴がだ。
お前に言った選択肢の中に『死』なんて無かっただろ」

「いや無かったけどそれが………うん、分かった。俺を甘やかしてるって言った理由分かった」

「…言ってみたまえ」

「あえて俺を死なせない黙らせ方しか無いって訳だ」

「………やはりそこから甘やかすと言う言葉が出てくる理由が分からんな」

「俺も分かんね」



そう言うと政宗は大きくため息をついた。

呆れた様に。

…え、何で?



「………もういい…」

「政宗様…」

「…小十郎、さっさと刀取り返して帰るぞ」

「勿論でございます」

「…だってさ」

「独眼竜、すまないが刀を返す気は無いのでね」

「…右目と一緒に手ぶらで帰ってくれたまえ。…だろ?」

「その通りだ」

「…面白ぇ、が刀を取り返すまで帰る気はねぇ。
帰って欲しけりゃ力ずくで来るんだな」



にやりと不敵な笑みを浮かべて刀を構える政宗。

さらに燃えてるようです。

ちょ、待てや。助けに来たのに何で燃え上がらせてんの?

っつかこれ以上燃えないで筆頭ォォォ!

暑苦しいわっ! (…卿はたまに失礼だな by松永)



「わぁ、火に油注いでねーか」

「わざとだ」

「テメ、俺も一緒にやれってか」

「…元よりそのつもりだが?」

「……おし、後で蹴り一発な」

「…卿が死ななければな」

「テメェこそ死ぬなよ、蹴りかます奴がいなくなる」

「クク、お互い…と言った所か」

「…ま、死ななきゃ結果オーライで」

「そうだな、頑張ってきたまえ」

「アンタもね」



お互いの無事を祈って…ってそんなキャラじゃねーよ!

とりあえず死ななきゃいいんだ。

生きてればそれで結果オーライ!

You see?







終われぇぇ!

――――――――――ミ☆
11爪やっと完成しましたやった!
こた蚊帳の外。…ごめんね。
展開に迷ったんですけど政宗好戦的だよねって事で
レッツ共闘ヤーハー!になりました。
予定は松永VS政宗と零龍VSこじゅです。
何と言うか松永様がかなり丸くなった気がします。
最後辺り誰?って真顔で言いたくなる位の松永様。
そしてどこまで続く、この話。終わるまで頑張ります。

ここまで見て頂き有難う御座いました。


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