■ 第十爪




む…寝にくい…。

くそー何かふわふわ浮いてる感があって夢心地だったのにー。

何だよ一体ー…………あの、え、こた?



誰だこの人。10
〜本音言っていいよね。お前さ、殴っていい?〜



え、落ち着け俺。

普通に寝たよね?

何でこたと一緒に飛んでんの?



「ちょ、こたー?」

「…?」

「いや何?みたいな顔されても。ここどこ?」

「………」

「え、北条に向かう途中?何で?!」

「……」

「松永が俺をどっかに逃がせだぁ?」



とりあえず

えぇぇぇぇえ!

と叫んでおいた。

叫んだ途端こたが立ち止まった。

どうやら耳に響いたらしい。

ごめんこた。


いや、だってさぁ。

あの松永が俺を逃がせ?!

ありえんありえん。

ってか逃がす必要があるのか。

…あれ、もしかしてもう政宗とか来ちゃったって事?

え、マジで?

一先ず地面に下ろしてもらい、戻れと言った。



「ちょ、こた戻れ」

「……」



首を横に振る。

…むむっこため、戻る気無いな。

それから何度も聞いた。



一向に首を縦に振らないこた。



「じゃあいい。俺だけで戻る」



これ以上やっても無駄だと思い戻ろうとすると後ろに思いっきり引っ張られた。



「グェッ」



思わずシリアスぶち壊しの声が出る。

や、だって普通出すでしょ?



「こた、手離せ。俺は戻る」

「…………(横に首振り

「はーなーせーっ!あのやろ、一発ブン殴ってやる!」

「……………(横に首振り

「離せ!俺がいなきゃ変わんねぇだろーが!」

「……(やっぱり離さない

「離せって!松永が死ぬのを見てろってのかこたは!」

「………っ」



そう言った瞬間、微かに反応した。

ほら、松永が死ぬっての分かってる癖に。



「俺は戻る!あのやろ、俺をどっかに逃がそうとしたのと勝手に死にそうになってる分を殴りに行く!」



少し力が緩んだ瞬間に走り出す。

何となく、方向はわかる。

何となくだから合ってるか分からんが。

とにかく走る。



2分位は走った。

まぁ一応体力とか一般なんで疲れるんだ。

持久走?あははは、そんな嫌な思い出聞かないで…。

休憩する暇は無いと分かっているのに足は止まった。

仕方なく30秒ほど休憩する事にした。

何か回復だけは無駄に高いらしいよ俺。


ガサリ


小さく草むらが揺れた。

言い忘れてたがここは林…と言うか森である。

&夜である。

=真っ暗なのである。

…獣遭遇率高!?



ガサリ



何が出てくるのかを覚悟した。



ガサガサガサッ



「…こた?」

「…………(頷き

「び、ビビっただろコノヤロォォォォ!」



何か無駄にビビった俺が恥ずかしかったので叫んでみた。

少し申し訳なさそうなオーラを出しつつ手にある物を持って近づいてきた。



「…あ、空皐!」

「………………(すっと差し出し

「…お、おおありがと」



まさか空皐まで持たせて逃げろとは…いやいや、無いだろそれは。

…あって欲しくないと言う本音。



「なぁ、こた。お前はどうするんだ?」



何となく、これからを聞いてみた。

………。

返答は無い。当たり前だが。

隣を見た。

…姿が無い。

アレ?

どこ行った?と思い後ろを振り向こうとすれば浮遊感。

直後、ジェットコースターもびっくりな速度で風景が動き出した。
(と言ってもあまり風景はあまり変わり無いが)



「ぎゃああああああああ!」



叫んだ。

いや、だっていきなりビューンってなったら誰だって叫ぶだろ!

そんな叫びも風に掻き消される。

かなりのスピード。

政宗の城から逃げる時のあの速さは本気じゃなかったのか…!

何となく負けた気がした。

…何故だちくしょう。

何にしろこたのお陰で早く戻る事が出来た。

でも既に大仏殿からは赤い灯。


=クライマックス間近

=最終的に爆死


んな事させるかぁぁぁぁ!



とにかく急いだ。

走った。


大仏殿の門が見えた。

門の扉は、開いてる。


その先には、双竜の攻撃受けてる松永。


あれが最後なら、指パッチン寸前。



走って、走って、んで門の扉の横辺りからこたに手伝ってもらって



「…く、不利、か……零龍?」



「松永ァァァァテメェェェェェ!」


飛び蹴りした。



え、命のローソク何本か消したんじゃないかって?

……やべ、忘れてた。







終わったぁぁぁ!

――――――――――ミ☆
零龍さんの大体の行動は
零龍さんのノリと神現のノリです←
大体ノリで行動します故、たまにKYです
シリアスムードにギャグ持っていくのが
無駄に大好きな神現です
ギャグとシリアスは紙一重なのだよ!←
ほざきましたごめんなさい

ここまで読んで頂き有難う御座いました!


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