■ 第九爪




いてて…く、首切れたの初めてなんだけど…!

ん?あれ、ちょっと何する気だあんた。



誰だこの人。9
〜お前さ、実は寂しがりだったりする?〜



とりあえず切れた所を手で押さえていた。

新手のジェットコースター並みに速かったぜ、こた…。

と、まぁジェットコースター並みの速さに目を回している内に見覚えのある寺へ到着。

…あ、もしかして最終章の大仏殿炎上っスか。

結末を知っている俺としては少し気分が悪くなった。

変えたい。

心のどこかでこのストーリーを変えたいと思う俺がいた。

何にせよ松永に会わなければ話にならないのでこたに連れて行ってもらった。

あ、勿論首の傷は治療してね!

血がダラダラなまま会ったら絶対怖いって。

政宗殺しかねないよ。

多分



「…風魔、探し物は見つかったかね?」

「……」

「そうか、それは何より」



スパン


障子を勢いよく開けた。



「ちょっと待てコラ、俺は物か」

「お帰り、零龍」

「ただいま、松永。じゃなくて」

「卿を物扱いした覚えは無いんだが…」

「…もういいよ」



諦めた。

そこ、早っ!とか言うツッコミは聞かんぞ!

だって、覚えが無いって言ったらそれ突き通すから…。

あんまり変わりが無いのを見てホットした…。

…ん?何でホッとするんだ?

いやいやいやいや、ナイナイアリエナーイ。

…多分。



「松永ー」

「何だね?」

「いや、何だね?じゃねーよ」

「…珍しいな、抵抗しないのか」

「めんどくさくなってきた証拠だ」

「ほう…」

「…お前今何か考えたろ」

「いや、何も考えてはいないよ」

「嘘つけ…」



で、会ったはいいけど。

こたは政宗の偵察行ったし他の人(三好とか)は何か忙しいらしい。

ホントかよ。

そんな訳(どんな訳だよ松永)で今、松永の膝の上。

&抱きつき。

いや、これ誰かに見られるのかなり恥ずかしいよね?

でも、もう何か抵抗するのに疲れてきたよ。



「やれやれ、いきなり走り出すから何をするかと思えば…」

「やかましい。俺だって無意識だったんじゃーい」

「無意識で飛び降りるとはどうしようもないな」

「…そうかもしんねぇ」

「今度は飛び降り無い様しっかりと抱き「え、何か言った?」…遮らないでくれ」

「遮らないと本気でやらかしそうだから」

「遮られてもやるつもりだがね」

「やったらその瞬間背負い投げな」

「果たして卿に出来るのか…」

「出来る!…多分

「曖昧な時点で出来ないと断言しよう」

「おま、断言すんな!」

「断言しなかった事は出来た試しが無いだろう?」

「う…ぬぅ、言い返せぬわ!」

「威張る程でも無いがな」

「少し位威張らせろやーい…



なんて少しほのぼのと言うかいつもの雰囲気だった。

ついさっきまで死に掛けてたからか気が緩んで眠気が襲ってきた。

まぁ、一応忠実なんですよ…眠気に。

決して欲望じゃない。

と言う訳で寝る事にした。



「松永…俺寝る…」

「何?…卿はこのまま寝てどうするつもりだ」

「後頼んだ…あ、政宗来たら起こ、せー…グー

「…やれやれ、(色々な意味で)少しは私の身にもなりたまえ」



言うだけ言って、寝てしまった零龍を起こさぬ様にそっと横にする。



「風魔」



名前を呼べば音も無く現れる。

零龍の自室に布団の用意をする様に伝えれば即座に消える。

…たかが布団の事などその辺の者に言えばいいものを。

私も随分と甘くなってしまったようだ。



零龍の自室へ寝かせ、部屋を出ると丁度伝令が来た。



「門兵長から伝言。奥州の独眼竜、そして竜の右目がやってきたとの事です。」

「そうか…ならば丁重に迎えろ。手厚く、な」

「御意」



「さて…卿らはどう動くのか、楽しみだ」



何となく、日の沈みかけた赤い空へ呟いた。







終わっちゃうぞー

――――――――――ミ☆
展開がついていけない←ぇ
と言うか色々すっ飛ばしすぎてる気がする
まぁ…その辺は神現クオリティと言う事で
どんまい、で←

ここまで見て頂き有難う御座いました!


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