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欲が欲するもの

 


とある孤島の森。

そこはとても綺麗な場所だった。

木々は青々と生い茂り、明るい緑の葉は日に当たり輝いていた。

小鳥の囀り、澄み切った小川、その中でひっそりと生きている動物。



何もかもが見た事のない自然。



あぁ、この光景を目にして何もせず帰られようか。



背にしていた火縄銃を手に持ち、ひっそりと、だがのびのびと過ごしている獣へと銃口を向ける。

引き金を引く。

瞬間、どこからか飛んできた一羽の鳥に邪魔をされて、銃弾は数m離れた樹の幹へ「ビスッ」という音と共に突き刺さった。

その音に驚いた獣は森の奥へと逃げてしまった。

折角の狩りを邪魔され、しかも獲物には逃げられ…。

先ほど飛び掛ってきた鳥はどこかと、辺りを見回していると緑の中に赤が見えた。

この深緑の中に本来赤なんて存在しない筈。

それ故、すぐに赤が人の着ている物である事が分かった。

そして苛立ちのあまり、その人へ、否、その人の肩に乗っている鳥を狙って銃口を向ける。

が。

狙いを定めた瞬間、赤い服の人が消えた。

いきなりの事で目をぱちくりさせていると背中から声が。



「この森で、人による殺生は許されない」



一瞬、理解出来なかったがいつの間に、と後ろを振り向く。

しかし背後に誰の姿もない。

一体何だったのだろう、と前を向けば目の前に顔。



「貴方は今、それでこの森の獣を、あまつさえ私のコンドルを撃とうとしたな」

「!?」



誰もいないと思っていたが為に思わず後ろへ飛びのいてしまった。

何だコイツ…。



「…話を、聞いているのか」

「その前に誰ですかお前」

「………名前を尋ねる場合は尋ねる側から名乗るべきでは?」

「何か癪なので」

「…私はキト、この森の番人をしています」

「へぇー…僕はダイ、で、番人って何?」

「…貴方は態度がなっていませんね」

「コレが僕なので仕方ない」

「そうですか、なれば貴方に話す事は無いので早々にこの森から立ち去りなさい」

「え?命令?それ命令?」

「当たり前じゃないですか、この森の生命に手を出そうとした者に何故、出て行って下さいなどと言えましょう」

「普通は人に物を頼む態度ってのがあるじゃないですか」

「貴方はその態度自体ダメなの分かってます?」

「と言うか、狩り位いいじゃないですか、減るもんじゃなし」

「減るに決まってるんです、この森の秩序を乱さないで下さい」

「秩序…ねぇ?」

「何か?」

「いや、別に」



とりあえず、一度家に帰る事にした。

少し気になる事ができたからだ。

次に来た時は、この島ごと狩らせてもらおっと。








あの島から帰ってきて1ヶ月。

ようやく目的のものを見つけられた。

それは、友であり好敵手であり仲間であるマサムネと言う男だ。

流石に一人で狩る事は出来ないと思った僕は仲間を連れて行くことにした。

マサムネは一人でも馬鹿みたいに強いしね。

と、町の大通りを歩いていると前方から見慣れた姿と見た事のない姿。

とりあえず声をかけてみた。



「オイコラ、マサムネー」

「…………うわっ」

「待て、何だうわって」

「…知り合いか?」

「…まぁ、な」

「知り合いも何も、同じ義賊だけど」

「義賊?お前みたいなガキが?」

「…マサムネ、誰コイツ」

「あー…とりあえず落ち着けお前ら」



初対面なのにいきなりガキ扱いされて黙ってられないし。

目に物を見せてやろうと、火縄銃を一瞬のうちにメガネに向けて構えた…までは良かったんだけど。

その一瞬の間に、首筋に刀と後ろからはおびただしい数の兵器が僕に向けられていた。

…え?何これ、完璧僕が悪者じゃん。



「……………」

「物騒な世の中だな、ガキ呼ばわりされただけで銃向けんなって」

「一番物騒なのはお前だマサムネ」

「そうか?」

「…………」



眼帯とメガネの会話を聞いていたらやる気が失せてきた。

一先ず、銃を下ろすとスッと刀と兵器が引いていった。

銃を背負いなおし、ジーッとマサムネを見つめてみる。

ちなみに「お前の家に案内してくれるんだよな?」の圧力付き。

すると、マサムネは一人歩き出し、メガネも後についていった。

その二人の後を僕も小走りに追った。



「とりあえず、ナカジ、こいつはダイっつってな。銃の扱いが上手い。超短気だが

「何か言った?」

「で、こっちの眼鏡はナカジっつって、俺が追ってる鬼の本体だとよ」

「…まだそんなもの追ってる訳?」

「ダイ、お前」

「なぁんだ、まだそんな下らない事してたなんてね、馬鹿馬鹿しい」

「…ダイ」

「いい加減現実見たら?鬼なんて追っても無意」

「オイ、小僧、それ以上喋るなら舌を切り落とすぞ」

「…何でアンタに言われなきゃならないのさ」

「マサムネが今にもお前を惨殺しそうだったから止めたまでだ」

「…別に僕はマサムネに惨殺なんてされないさ、強いから」

「上等じゃねぇか、じゃあ一寸勝負でもするか?」

「ちょっと待てマサムネ…ここ市街地だぞ」



マサムネの単純さは変わってないようだった。

メガネ…、ナカジはつい煽ってしまったマサムネを宥めようとしているがそんな事は無意味に等しい。

だってもう何も耳に入ってないし…。

まぁ、本心はマサムネと死合ってみたいと思ってたからいいんだ。

後は…場所、かな。



「相変わらず単純だな、マサムネ」

「悪かったな単純で」

「でも場所が場所だ。死合うのは5日後にしよう」

「…あ?何で5日後なんだよ」

「マサムネ、死合いだすと周り見えなくなるから、無人島にでも行ってやろうって意味」

「無人島ぅ?」

「…………(と言うか死合うなお前ら)」

「そうそう、一ヶ月くらい前だけど、無人島を見つけてさ」

「いいぜ、なら5日後ここに来い」

「…って待てマサムネ、それ俺の家だろ」

「別にいいじゃねぇか、一応住んでるし」

「出てけって言ってるだろ」



何やら言い合っている二人を横目に渡された地図を見て、すぐに「おっけー」と簡単に返事をした。

そしてすぐに別れ、五日後の日を楽しみにした。

何事も楽しみがあれば上手く行くでしょう?










欲が欲するもの
(そういえばあいつも被害者なのか)
(一応そうなるな、家族は健在だが)
(…どういう意味だ?)
(アイツは俺の部下だったんだ)
(ほう、あいつが)
(で、事件当日は家族の誰ぞが重い病気だったから)
(見舞いに行ってていなかったんだな)
(そ、で、あいつと一悶着あって今この状況だ)
(俺が見るに、あいつ我欲が強そうに見えたんだが)
(よく分かったな)
(…嫌な予感しかしないんだがマサムネ、行く気か?)
(当たり前だろ)








――――――――――*
何故か続きます
友にダイとキトを書(描)いてほしいと
言われてちょっと書いてみたんですが

 こ れ は 酷 い

キトの公式設定丸無視ですね
一応2Pに公式設定をさせる予て…ゲフン
と言うかダイの扱いが酷い
ダイ=強欲になってしまった、友よすまん
が、自重は一切していない

ここまで読んで頂き有難う御座いました。


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