魔王と勇者
キーンコーンカーンコーン
「じゃーしっかり予習復習しとけー」
「「「はーい」」」
「今日の授業終わりーっと号令しろー」
「きりーつ、れーい」
「「「ありがとございましたー」」」
「ちゃくせーき」
着席、の声と同時に座らずわいわいと騒ぎ始める生徒達。
本日金曜日、そして今日の授業はこれで終了。
やっとのんびり出来る、とため息をついた。
教員室へ向かう途中、曲がり角から声が聞こえてきた。
何か…魔王がLv.1勇者を弄って遊んでます的な声。
魔王の方の声に聞き覚えがあり、見つかる前に逃げようと教室の方へ駆け出す。
が、一歩踏み出す前に肩をしっかりと捕まれた。
「おーさむちゃーん…?」
「は、な、せ」
「い、や、だ」
振り返り、少し威嚇しながら言うものの効果は無く、笑顔で言葉が返ってきた。
何でこんな日に限って出くわす…!
「ひでぇな、逃げるなよ」
「逃げたくもなるわ」
「何で?」
「…後ろ」
腹黒い笑みを浮かべて手の関節を鳴らす魔王。
その魔王の後ろには弄られすぎて今にも死にそうなLv.1勇者…もといハジメ。
パクパクと口を動かしているハジメを指差すと、魔王も後ろを向く。
その隙を見逃さず脱兎の如く駆け出す。
が
やはり逃げられなかった。
何だコイツは本当に魔王か?
「だから逃げるなって」
「俺はハジメみたいなMじゃねぇ」
「ハジメもMじゃねぇな」
「…ハジメを好きなだけイジメりゃいい。それで満足しろ」
「無理だなー弟だけじゃ飽きる」
肩をしっかりと掴んだまま爽やかな笑顔で言う。
そう、コイツはハジメの兄で一応教師の「マジメ」だ。
ただ名前とは全く逆の性格をしている。
知り合いは大体イジメる対象の天性ドS、自分のする事はすげぇんだぜ的な俺様。
しかも喧嘩好きでよく喧嘩に混じっては両方ねじ伏せている。
本人は「喧嘩両成敗って言うだろ」と言うが、随分暴力的な喧嘩両成敗だと思う。
そして「お前のものは俺のもの、俺のものは俺のもの」精神である。
何かもう魔王でいいんじゃねぇのか。
なんて考えていると気付けば奴に担がれていた。
何だ、俺様は物かコラ。
「…何処行く気だ?」
「あん?お前教員室行くんだろ?」
「…そのつもりだったが」
「俺もちっと用事が出来たんでなー」
機嫌がいいのか、鼻歌を歌いながら教員室へと向かっていくマジメ。
…俺を担いだまま。
降ろせ…!
魔王と勇者
(つーか何で俺様担いでやがる)
(だってまだイジメてねーもん)
(とりあえず降ろせコラ)
(絶対逃げるから却下)
――――――――――*
どうもどうも、お久しぶりです
話が…進みません
て、訳でハジメの兄さん登場
設定は後一回出たら追加します
てか名前マジメて、安直な
いや、ほら、ね、うん←
一応マジメ兄さんも教師なので
頭はいいです一応
なのでちゃんと生徒の居ない道を通ります
何故か、それはDTOを担いでいるから
本人なりに考えています
ただし、それは悪い意味だったり
別に普通に生徒の前を
歩いてもいいんだけども
DTOが弄り甲斐無くなりそうだから
(凹んで性格変わりそうだから)
仕方なーくホントに仕方なーく
人通りの少ない道を通っているだけ
なんつーSやマジメ兄さん
ちなみにハジメは「兄キ」
DTOは大体「アンタ」と呼んでいます
長々と失礼しました
ここまで見て頂き有難う御座いました。
prev / next