第77χ 美少女×超能力者×一般人(後編)@




前回まであらすじ
ドラマ撮影で近所に来ることになった人気俳優で照橋さんの兄の照橋信。妹の美しさが世に知れ渡ってしまうことを恐れたお兄ちゃんは色々あって私達に照橋さんを近づかせない様に頼む。
照橋さんにそのことを伝えると何か色々あって隣町でデートすることに!
果たして今回は色々あるのか?!

色々あっては堪らないのだけれど、私達はあらすじの理由により、照橋さんを連れてカフェに来ている。
私としてはこんなところに来るつもりはなかった。そもそもオシャレ系カフェはどうも落ち着かない。早く済ませて帰りたいのだが...お邪魔してしまった私に何を言う権限もないし、楠雄くんは頼んだケーキをとても満喫しているようで、私はただ黙ってお茶を啜っている。

ようやく二人も食べ終わって、そろそろ出ようと鞄を持って立ち上がる。周りにいる奴隷...もとい紳士達の視線がものすごく痛いし。
しかし、照橋さんは男性陣の握手会で動けない様子。終わるまでは暫し待たされることになった。

「...私がいる意味ってない気がするんだけれど、これが終わったら帰っていい?」

ボソッと楠雄くんに問いかけてみると、私の言葉が届かないくらい何かに集中している模様。ようやく私の言葉に気づいたのか、ハッとした様子で彼がこちらを見てくる。彼は彼なりにきっと何か考えているのだろう。私は何もないと首を横に振ってみせた。

ようやく握手会が済んで店を出る。お会計はお詫びのつもりだったと照橋さんが持ってくれた。7000円近くが100円にも満たない額になるなんて...本当に美少女言うのはすごいと思う。顔面社会万歳である。
カフェを出て時計を見れば5時前を指していた。

「もうお兄ちゃん終わってるのかなぁー。多分大丈夫だと思うけど...うーん...どうしよっか」

すぐには帰りたくない照橋さんと、前をスタスタと歩く楠雄くんの構図は中々に面白いと思う。私は断然、楠雄くんに賛成だけれどね。

しかし、突然楠雄くんの足がピタリと止まる。楠雄くんもまだ遊んでいたいと思ったのだろうか。彼にしては珍しいこともあるものだと少し驚いてしまった。

「まだ時間があるならもう少し付き合ってくれない?あっちに映画館とゲームセンターがあるらしいんだけど...」

その彼女の一言でアミューズメント施設に向かうことになった。ここでお礼は済んだから帰ると言って逃げても良かったのだけれど、帰ってしまうとまた楠雄くんからの威圧が来そうな予感がしたので、私も渋々ながらついていくことにした。





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