第32χ JFに行って来ました@




「すごい、人がいっぱい...!」

今日、私はジャン◯フェスタ(以後JF)デビューを果たした。
前々から興味はあったのだけれど、やはりこういう大規模イベントには当然人も多くいるわけで、人混みが苦手な私は近寄ることすらできなかった。

しかし、今回は違う。なんと一緒に楠雄くんもいる。楠雄くんのお母さんとたまたま会って行ったことないことを告げたら、どうせなら一緒に行ったら良いとお誘いを受けたのだ。彼の邪魔になってはと断りはしたが、せっかくなのだからと強い押しに負けてしまい楠雄くんのお遣いについて来てしまったのだ。

周りを見渡しても人、人、人。中にはコスチュームプレイをキメている人も数多くいる。クオリティについては様々からそこには詳しく触れないでおこう。

「人混みになんだか酔いそうだよ。楠雄くんも用を済ませて早く帰りたいだろうにごめんね?」

恐る恐る楠雄くん様子を窺うよう見てみれば、いつものように首を緩く振ってくれた。大丈夫だと行ってくれたような気がしてつい嬉しくなってしまう。前々から来たかった場所に来られた嬉しさも混じっているのかもしれない。

それにしても中々前には進めないほど人がいて週刊少年◯ャンプ(以後WJ) が如何に愛されているかを感じる。来ている年代も老若男女様々だ。
新鮮さにキョロキョロと辺りを見回しながら歩いていると、楠雄くんがスタスタと行ってしまう。もし彼とはぐれたら私は彼を見つけ出す術ない。楠雄くんは携帯を持たない派だから連絡もつけられない。なんとかはぐれまいと楠雄くんのコートの端を掴んで歩く。軽く振り返ったけど振りほどく様子がないので嫌ではないみたいだ。嫌ではないというより、多分はぐれられるよりかはマシと思っているのだろう。少し複雑な気分になる。

「もしかして斉木と平凡か!?」

名前を呼ばれてそちらに顔を向ければ見覚えのない人がこちらに向かって歩いてくる。俺は中二病だと主張してくる服の感じと声から多分彼だと思うけれど...。

「ホラ!俺だ!漆黒の翼だ!!」

格好が格好なだけに漫画のキャラとしての漆黒の翼なのか、現実として漆黒の翼なのか混乱しそうになる。困ったような私を見かねてウイッグを外してくれた。うん、やっぱり海藤くんだった。

「斉木と平凡も来てたのか!!」
「海藤くんこそ、その格好は何かのコスプレ?」

なんだか知らねぇのかよと持っていたWJを見せてくれた。彼がコスプレしていたのはオッドアイ・ペルソナ・ケルベロス(以後O.P.C.)という作品に出てくるスワロフ=スミス=スカイウォーカー(以後S.S.S.)と言うキャラととのこと。私は単行本派なのでその作品はまったく見たこともない。

へぇ、と感心しながら見せてくれた作品をペラペラと読んでいると海藤くんが興奮気味にストーリーについて説明してくれた。

「スワロフは"タナフィ"と呼ばれる"レーザーコア"の"ファーストメンバー"なんだ。普段は"夢幻マスク"で左目を封印して力をおさえているんだが、その"夢幻マスク"を外すとまばゆい光と共に覚醒して敵を"ラスタライズ"するんだぜ!!」

知らない用語と横文字が多過ぎてついていけないけれど、海藤くんが好きそうな作品であることはよくよくわかった。
それにしてもラスタライズ...って、コンピュータの画面とか、点の集合でものを表現することだったような。つまりスワロフはマスクを外して覚醒すると点の集合で何か幻を作り上げて、敵を惑わすような戦いをするのだろう。だから、夢幻マスク...作者もそれなりに考えてるんだね。

そんなことを考えていたら2人が歩き出してしまった。ついていかないとはぐれてしまう。私は慌てて2人の後を追いかけた。





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