第25χ 撫でた時の坊主の心地よさは異常A




まずは海藤くん。
見た目通りツルツルしている。しかし、触っているのは肌なので指先に皮膚特有の柔らかさを感じる。これは何とも不思議な感覚だ。この感覚はどこの部位触ってもきっと体験できない感触だと思う。いい経験ができた。

次は灰呂くん。
彼は海藤くんよりかは長くて、触ってみるとザラザラしている。元々剛毛だからなのだろう。多分、普通に丸めた人よりザラザラが際立っているように感じがする。愛からず頭皮は柔らかいし...うん、すごく気持ちいい。

次は燃堂くん。
前の2人よりかはかなり伸びていて、ここまでくると坊主とは言い難い気がしなくもない。燃堂くんらしく少し硬めの髪で一本一本の毛が強い感じがする。この髪の長さだと髪が邪魔してしまい、頭皮の柔らかさが感じられなくて逆に物足りない気がしてしまった。

一通り様々な坊主に触れられて満足はした...したけど、もう1人堪能できていない坊主が1つある。
変わらずソワソワとした眼差しで楠雄くんを見下ろす。小さく溜息を吐かれてしまった。
けれど、拒否する様子も見られない。...いいのだろうか?恐る恐る、髪飾りには当たらないよう手を伸ばして触れてみる。

楠雄くんの髪は同じ坊主だけど、3人より断然柔らかさを感じる。まるで高級な絨毯を撫でているような感覚に近いかもしれない。ずっと触れていたくなってしまう。流石に触りすぎると温厚な楠雄くんでも怒りかねないので、ある程度のところでやめておいた。

「坊主って言っても髪質でこんなに違うとは思わなかったよ。何だか癖になりそう。」
「そーか?みんな同じじゃねーのか?」

燃堂くんは腑に落ちないようでみんなの髪を順に触っていく。そしてなぜか私まで撫でられてしまった。それに便乗してか灰呂くんや海藤くんも撫でてくる。
撫でるのはいいけど、手加減はしてほしいな。
燃堂くんと灰呂くんは雑すぎて若干髪が引きつって痛い。一方、海藤くんは恥ずかしいのか指先でコショコショ擽るような触り方をするから擽ったい。
けれど、その甲斐あってか燃堂くんも違いに納得してくれたようなのでよかった。

ふと楠雄くんに視線を落とす。
さりげなくしゃがみ込んで机と同じ高さになって見上げてみれば、ちらりとこちらをみた楠雄くんと目が合った。せっかくなのでどうぞと言う気持ちを込めてそのまま見つめて続ければ楠雄くんの手が動いて私の頭頂をポンと優しく触れる。触れたかと思えばすぐに戻ってしまった。楠雄くんらしいけど...一応撫でてもらえたと思って満足しておこう。

そのあとみんなと雑談をしていたらあっという間に1日が終わってしまった。
怪我と同様に明日にはみんなの髪は戻っているだろう。触られなくなるのは少し残念だけど、やっぱり坊主より元のままの方があっている。特に楠雄くんは。

早く明日になあれ。





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