第25χ 撫でた時の坊主の心地よさは異常@




体育祭が終わって次の登校日。私はとんでもないものを目にした。
なんと、楠雄くん達が丸坊主にしてきている。
確かに最後のリレーでは転んでしまって順位は落ちてしまったけれど、最終結果は鳥束くん達より優っていた。つまりは坊主にする必要はなかったのだ。

そのことをクラスメイトが伝えると彼は唖然とした表情を浮かべていた。ちなみに彼らというのは海藤くん、燃堂くん、灰呂くん、楠雄くんの4人。

「なんだよ、剃らなくてよかったのかよー。」

昼休みになり、坊主ならぬ坊's3人が楠雄くんの机の周りに集まって雑談をしている。声を上げた燃堂くんがチクショーとワシャワシャと髪を掻いている。

私は自身の席から坊'sを眺めていたのだけれど、なんだかシュールな光景で、思わず耐え切れなかった笑いが口からふふっと吹き出してしまう。
それをすかさず拾い上げたのは海藤くん。余程坊主が気に入らないのか朝から御機嫌斜めだっただけあって、刺激してしまったのだろうか。こっちへ来いと呼ばれて渋々彼らの元へ。

「ごめん、つい...見慣れない髪型だったから」
「わ、悪いと思ってるなら今回は許してやるっ。」

申し訳なさそうに俯けば、何か言いたげにしていたけれど海藤くんは許してくれた。
早く離れてなるべく彼らを目に移さないようにしよう。また笑ってしまいそ...。

顔を上げると目の前にはつるっとした頭皮。海藤くんの頭皮は毛が一本も見えないほどに綺麗に剃られていて、私はある衝動に駆られてしまった。...触ってみたい。

私としたことがそれが表に出てしまっていたのか、ソワソワとしていると海藤くん達は怪訝な顔をして首を傾げている。

「...ごめんなさい。謝罪したのもアレなんだけど、坊主触ってみたいです!」

誤魔化しても仕方ない。正直に打ち明ければ燃堂くんと灰呂くんはそう言うことかと快く頭を差し出してくれた。海藤くんも渋々という感じだが、許可してくれた。
では、お言葉に甘えてさせてもらいます...!




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