第33χ Let's ChristmasParty!@




ここに来るのは2度目になる。斉木宅だ。
一度目はアレ退治の時で、今回はクリスマスパーティーをするために。

我が家ではクリスマスなど行事をあまり積極的にはやらない。やったとしても食事がそれに対応するだけ。例えば節分なら恵方巻きが出るし、お正月ならおせちとお雑煮が出て来る。しかし、豆まきはしないしお正月飾りもしない。そんな家庭に育った。

だからなのかあまり行事には関心がない。女子らしくないと言われてしまうかも知らないけれど、これが環境に適応した結果なのだ。去年初めて楠雄くんの家を見た時、感動に近いものを感じたっけ。今年もクリスマス仕様に豪勢に飾り付けられている。ご近所でもかなりの話題で写真を撮りに来る人もいるそうだ。

うっかり話がそれてしまった。私がなぜ楠雄くんの家でクリスマスパーティーをすることになったかということだが、今日クリスマスということで例に則り、私はスーパーにケーキの買い出しに来ていた。一人分の市販の安いケーキを。
私の両親は共働きで、今夜は仕事が山積みですぐ帰れないと連絡を受けていた。早く帰って家族や恋人と過ごしたい人の分の仕事も請け負ってしまったのだろう。まったく、お人好しなのか仕事人間なのかわかったものじゃない。

スーパーでケーキを選ぶ。流石にクリスマスだけあって市販と言っても多くの種類があって迷ってしまう。ショートケーキにチョコケーキ、モンブランにレアチーズケーキ。甘いものが大好きなのでどれも目移りしてしまう。どれにしようかと迷っているところ、偶然に買い出しに来ていた楠雄くんのお母さんと燃堂くんに遭遇し、今に至る。

外観もさることながら、部屋の中も様々な飾りで溢れていてなんだか楽しくなってきてしまう。これだけの飾り付けするのも大変だったろうに。毎年こうやって行事を満喫する楠雄くんが羨ましくなってしまう。当の本人は椅子の上で三角座りをして浮かない顔をしている。確かに、楠雄くんが行事ではしゃぐイメージはないからイメージ通りといえばそうなのだけれど。

招かれたのだからせめて手伝いはしようと料理や食器をテーブル運ぶ。お客さんなのだからやらなくていいと言ってもらったけど、そうはいかない。私の気持ちの問題だ。

そうこうしている間におじさんが帰って来たようだ...サンタ姿で。ここまで装飾に凝ったらサンタの仮装をしていてもおかしくはないけども。サンタがただいまと言いながら入って来るのは、流石に違和感がある。楠雄くんの家は実はサンタの本拠地なのだろうか...そんなわけがない。

サンタなおじさんは燃堂くんを見るなり驚いたり、泣いたりして、一方の燃堂くんはサンタに感動しているしすごく賑やかだ。静かなのが一番だけれど、人がいて暖かいと感じるのも悪くない気がする。





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