二足歩行をするタコから煙が上がっている。ああ、消してあげないと。
雪子がそう思って、うちわで扇いであげれば、勢い良く風が吹き、煙が消えるどころか、タコまでもが吹っ飛んでいった。
ガチャリと音がしたので、そちらに眼を向ければ、これまた二足歩行をするマグロが歩いてくる。マグロかぁ、お兄様とこの前食べに行った"竹寿司"、美味しかったなぁ。マグロはあっという間にねぎとろへと早変わりしていた。あ、お腹空いてきた。
ドザッ!!
「(ぱち)……うるさいなぁ、もぅ」
「3匹……。……あぁ、起こしっちゃったね」
雪子が身体をゆっくり起こすとトンファーを持った恭弥が視界に入る。
「タコの刺し身と、ねぎとろはぁ?」
「えぇ!? 嘘、雪子ちゃんどうしてここに!? あ!! ごっ……獄寺くん!! 山本!! なっなんで!?」
「起きないよ。二人にはそういう攻撃をしたからね。……それよりも雪子、この草食動物たちと知り合いかい?」
「うーん……たぶん? 他人以上ではあると思う」
欠伸を噛み殺しながら応える雪子からツナに眼を戻す。
「まぁいいや。ゆっくりしてきなよ救急車は呼んであげるから」
「もしもし。並盛病院ですか? 救急車3台お願いします。……あぁ、これから重傷者でるから」
「Σ(もう電話かけとるー!!? つか、メチャクチャピンチ――!!?)」
クロネコの中から取り出した受話器をまた仕舞っているときズガンッと鼓膜を揺らす音が弾けた。
「Σ(び、びっくりした……)」
ドサッと綱吉が倒れていくのと、リボーンの持つピストルが目に入った。次の瞬間、もこりと綱吉の身体を破ってパンツ一丁の男が姿を現す。なんという、変質者。
「うぉぉおおおぉっ!!! 死ぬ気でお前を倒す!!!!」
その男は恭弥に殴りかかも、さらりと躱されてしまった。
「なにそれ? ギャグ?」
さらには恭弥のトンファーが男の顎に入り、床に倒れた。
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bkm