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「アゴ割れちゃったかな」
「え……草壁アゴになっちゃうの!?」

 若干青ざめた雪子。

「なんか雪子が草壁のことどう思ってるのかわかった気がする……。さーて、あの二人も救急車に乗せてもらえるぐらいグチャグチャにしなくちゃね」

 活き活きとして伸びている二人に近付く兄の後ろ姿を見ているとすぐそばに黒い影が立った。……リボーンだ。

「雪子、ちょっと十手貸してくれねぇか」
「ん、いいよ」

 クロネコの中から愛用の十手を取り出してリボーンに渡した。

「サンキューな。あとで返すぞ」
「うん」

 雪子は大きく伸びをしてから、もう一度周りを見渡した。

「草食動物が2匹、変態が1匹、〈ゴッ〉お兄様が……」
「たわけが!!!」

 パカァン!!
「お兄様が……」

 殴られた上に、スリッパ(W.C)で叩かれた!!

「あわわわ……っ!(ちょっ、なにしてくれてんの!? あの変態!!)」

 えまーじぇんしー! えまーじぇんしー!

「……ねぇ……」

 ゾワリと肌を刺すような殺気が部屋に満ちていく。

「殺していい?」

 雪子がソファから立ち上がる。

「そこまでだ。やっぱつえーなおまえ。流石、雪子の兄貴ってだけはあるな」

 リボーンは窓の縁に座って恭弥を見上げていた。

「……君が何者かは知らないけど。僕、今イラついてるんだ。横になって待っててくれる」

 ビュビュビュと音を立てるトンファーが容赦なく赤ん坊に振り下ろされた。

「あ、リボーン」

 キィンッ!! 金属と金属のぶつかり合う音が耳に響く。恭弥のトンファーをリボーンの十手(雪子から拝借中)が受け止めた音だった。

「ワォ、素晴らしいね君」

 嬉々とした恭弥の声。

「おひらきだぞ」

 リボーンが手にしている丸くて黒光りしているソレはヂヂヂヂと不吉な音を立て、

 ドガァァン!!!!
 爆発した。

「お兄様〜? 生きてる〜?」

 ひょこり、と廊下から顔を覗かせる雪子。いつの間に避難したのか。

「あの赤ん坊、また会いたいな。……雪子、涎ついてる」
「お腹空いたー!」

とぅびぃこ……

「あ、リボーンに十手返してもらってない!」

 かみころせない!


とぅびぃこんてにゅーど!
2015/11/18


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