「これから並中で面白いゲームをするんだがお前も来るか?」
幼稚園からの帰り道、この前の赤ん坊、リボーンに声をかけられた。
「面白いこと……。いいよ、行く」
「そうか。じゃあ、俺は先に行って準備してるぞ。お前はゆっくり来い」
「うん」
・・・・・・
・・・・
・・
並盛中学校の門をくぐり、校舎に向かって歩く。
「どこにいるのかな……」
校舎に入ろうとした雪子の足を止めさせたのは、校舎の脇から聞こえてくる叫び声だ。わくわく。行ってみるしかないよね。
「あ。リボーン」
覗いてみると、男子生徒が三人。そして赤ん坊、リボーンだ。
「ちゃおっス、待ってたぞ雪子」
「雪子ちゃん!?」
どうしてここに!!? と叫ぶツナの顔はすでに真っ青だった。
「騒がしかったから来てみたんだけど、面白そうなことしているね」
「言っただろ、ちょうど面白いゲームをしている最中だ」
ニッとリボーンは笑っていたが、ツナたちにとっては命がけ……リボーンの言う面白いゲームで死ぬなんて冗談じゃない。
「もしかして小僧の友達か?」
「ううん、違うよねリボーン」
「そうだぞ」
二人は眼を合わせ、おおよそ子供には似合わない影を持った笑みをする。
「「悪友 だ/だよ」」
「(とんでもない奴らだったーー!!)」
「んじゃ、続行するぞ。雪子、お前にも貸してやるから練習しろ」
「はぁ!? まさか、練習って……!」
「ずいぶん軽いね」
雪子の手に渡ったのはボウガン。
「雪子用に俺が特注してやったんだぞ」
「へぇ」
興味深そうに色んな角度からボウガンを覗き込んでいる。一般人の女の子があんなもの触って……! もし、怪我でもしたら!
「お、おいリボーン! 子供になんてものを渡して……《ドシュッ ガスッ》……え?」
ツナは恐る恐る視線を向ける。自分の顔ギリギリの壁に刺さるボウガンの矢。
「あれ、外しちゃったよ」
「おしいな。だが、練習すれば立派な殺し屋になれるぞ」
「……ッッ〜!!」
声にならない悲鳴。そこに、
「ガハハハハ!! リボーンと雪子見ーっけ!!」
どこからともなく聞こえてきた声に、ツナは頭が痛くなった。
「今度はなんだ?」
「ま、まさか……!」
「オレっちはボヴィーノファミリーのランボだよ!! 5歳なのに中学校に来ちゃったランボだよ!!」
「うざいのでたーーっ!!」
ランボが二階の外階段のところに立ち、こちらを見下ろしていた。
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bkm