隣の席のエイトくん


「あ」
「今週はナマエか。よろしくな」
「よろしく、エイトくん!」



「…であるから、回復魔法は…」
「ふわあぁ…」
「…寝不足か?」
「うん、まぁねぇ…昨日遅くまでケイトちゃんたちとトランプしててさぁ」
「そうなのか」
「そうなんです。エイトくんは早寝早起きでしょ?」
「あぁ。よくわかったな」
「なんかそんな感じするもん。あ、朝とかいつも鍛錬してたりする?」
「あぁ。よくわかったな」
「なんかそんな感じするもん。てか同じ返ししないでよ。私も思わず返しちゃったよ。そういえば休み時間はなにしてるの?」
「鍛錬だな」
「えっ。休み時間ってほんの10分そこらだよ?その短い間も鍛錬してるの?」
「あぁ、ステップ踏んでるぞ。ナマエもどうだ?」
「えっ。いい、私はいいよ、遠慮しとく」
「そうか?鍛錬もなかなかいいものだぞ」
「それはエイトくんだけじゃない?」
「身体だけじゃなく、精神面も鍛えられる。……あぁ、ナマエの場合、今更精神面を鍛えても意味ないかもな」
「え?それはどういう意味?図太いってこと?」
「そうだな…、ナインとの言い合いも負けてないところとか」
「あれはナインが単細胞だからだよー」
「あとは、クラサメ先生に怒られてもめげないところとか」
「クラサメ先生はねー、きっと私のことが好きなんだよ。好きな人には構いたくなるっていうし」
「…そうか?」
「そうそう。クラサメ先生ってば照れ屋だけどたまにこうして目線を送ってくるときあるんだよねぇ」
「あれは睨み付けてるんじゃ…」
「勘違いも甚だしいなナマエ。私は好きでお前に構っているわけじゃない」
「クラサメ先生!いつも二人きりのとき言うじゃないですか!お前が好きだからお前に構うんだって!」
「いつどこで私がそんなことを言った。第一、お前と二人きりになったことなどない。大概ナインやジャック、シンクの誰かがいるだろう。嘘を言うな」
「あれ、そうでしたっけ」
「オイコラナマエ…だぁれが単細胞だって?アァン?」
「うわあ、ナイン聞いてたの?変態!」
「んだとコラァ!」
「ナマエは本当、授業妨害の達人だよねぇ」
「…ナマエ、お前は明日から一週間トンベリの隣だ」
「えっ、エイトくんと隣になったばっかです!せめて来週!」
「ならば来週からトンベリの隣に来ること。それから授業中は口を開くな。わかったな?」
「えー…息はしてもいいですか?」
「勝手にしろ」
「息しなかったら死んじゃいますよ!?」
「勝手にしろ」
「……クラサメ先生も大変だな…」


 

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