隣の席のケイトちゃん


「げっ」
「わ、今週はケイトちゃんなんだね!」
「先生ー、アタシ目が悪いから前の席に移動したいでーす」
「え!ケイトちゃん、両方視力2.0じゃなかった?!」
「残念だがそれはできない。我慢しろ」
「ちょっと、アタシの成績落ちたらどう責任取ってくれるのよ!」
「ね、ねぇケイトちゃん、そんなに前の席に行きたいの?」
「隣の席の奴に文句を言うんだな」
「ちぇ…。あ、ナイーン!ここの席と交換しなーい?」
「ケイトちゃん、あの…」
「アァン?んなの嫌に決まってんだろ。また反省文書くハメになっちまうだろうが」
「アンタはナマエの隣の席じゃなくても週に一回は反省文書いてるでしょ」
「うっせぇ!とにかく嫌なもんは嫌だ!」
「…ケイトちゃん…」
「はぁー。ま、仕方ないわよねー、てことでよろしく、うわっ!?アンタ何泣いてんの!?」
「…だって、ケイトちゃん、そんなに私の隣、嫌…?」
「冗談よ冗談!ナマエっていじりがいあるんだもん!かわいくてついねー」
「それにしても冗談きついよ…」
「ごめんって、授業終わったあとケーキバイキング連れてってあげるからさ」
「!ケーキ、バイキング…!」
「だから泣き止む!ね?」
「うん、うんっ!ケイトちゃん大好き!」
「あぁでも授業中は話し掛けないでね、うるさいから」
「もーケイトちゃんったら!それも冗談だよね?」
「冗談じゃないって言ったら?」
「…………」
「あは、ほんとナマエっていじりがいあって楽しいわー」
「サディストめ…!」



「この間のテストの赤点を取った者は居残ること」
「ケイトちゃーん!ケーキバイキング行こうー!」
「ナマエ」
「はい!なんです、クラサメ先生。私これから忙しいので手短にお願いします!」
「お前は居残りだ」
「…ちょっと聞こえませんでした!」
「赤点を取った奴は居残りだと言ったんだが」
「え、あれ、私赤点なんか取ったことありましたっけ?」
「あははー、ナマエとナインは赤点常習犯でしょー」
「ジャックも赤点常習犯でしょ!」
「あれ、じゃあナマエは今日ケーキバイキング行けないってこと?」
「うっ、け、ケイトちゃん!次回!次回連れてって!」
「次回って言われてもねー、今日までなのよ。ケーキバイキング半額の日」
「えぇっ!?」
「まぁドンマイってことで!じゃあ補習頑張ってねー」
「あ、あぁ、け、ケイトちゃーん!」
「……気は済んだか。補習始めるぞ」
「うっ、うぅ、クラサメ先生の鬼畜サディストっ!なんで今日に限って補習なんですか!」
「まぁまぁ、補習仲間同士頑張ろー」
「チッ、補習なんてくそめんどくせーなコラ」
「…あれ、シンクちゃんは?」
「シンクならさっき、ケーキバイキング〜って言いながらケイトと出てったよー」
「シンクは今回、赤点を取っていないからな。お前たちも少しは見習ったらどうだ」
「…し、シンクちゃん、もしかしてケーキバイキングのために前もって勉強してたな…!」
「目的のために勉強することもいいが、お前たちの場合は目的以前に赤点を取らないよう努力しろ」



自室にて

「つかれた…補習まじ最悪…まじクラサメ先生鬼畜…」
「やほー、ナマエー、いるー?」
「ケイトちゃん…?」
「あぁいたいた。うわ、憔悴しきってるわねー。はい、差し入れ」
「差し入れ…?」
「わざわざ持って帰ってきてあげたんだからね。感謝してよー?」
「ケーキ…ケーキ…!あ、ありがとう、ありがとうケイトちゃん!大好き!」
「はいはい、全くナマエってばほんとチョロいわねー」
 

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