隣の席のシンクちゃん


「あ」
「あ〜、今回はナマエっちだ〜」
「シンクちゃんだぁー!わぁい、いっぱいお喋りしようねー」
「うん、しようしよう〜!」
「そういえばさ、もうすぐ魔導院祭だね!」
「そういえばそうだね〜。今年も派手にやるのかなぁ〜?」
「そりゃ派手にやるでしょ!」
「去年はナマエっちいなかったからわたしたちの組になって初めての魔導院祭だねぇ〜」
「そっか、初めてだったね。なんかそんな感じしないなー」
「まぁそうだよねぇ。ナマエっちって何かしらこの組に紛れ込んでたもんね〜」
「そうそう。ジャックんが皆のこと話してるうちに好奇心が湧いてね。ついでにクラサメ先生の授業風景も見たいなぁって思ってたし」
「そーいえばナマエっちって前はどの組にいたの〜?」
「私?どの組にも入ってない訓練生だよ」
「えっ、そうだったんだぁ!」
「あの頃は色んな組に紛れ込んでたから楽しかったなぁ。ナギ先輩から借りたマントを羽織るだけで簡単に紛れ込めるし、もしお前誰だ!ってなったとき、この間に転入してきたじゃないですかあって言って誤魔化してたから」
「へぇ〜、そんなことやってたんだ、楽しそう〜!」
「今度一緒にやる?」
「やりたいやりたーい!」
「じゃあナギ先輩に言っとくね!」
「うん!あ、ねぇナマエっち」
「ん?」
「ジャックんとはどう知り合ったの?」
「ジャックん?えーと、なんだったかなぁ」
「わくわく、どきどき」
「確かー、カヅサに頼まれてた薬をクラサメ先生に届けるために走ってたら、たまたまジャックんとぶつかってそれで……いたっ」
「?」
「いたたたた…これ消しゴム?誰だー!私に消しゴム投げた奴はー!」
「ナマエー、コソコソうるさいよぉ」
「!貴様の仕業か!」
「シンクも、余計なこと聞かないの」
「えぇ〜?ナマエとジャックんがどう知り合ったのか気になるんだもん」
「気になるも何も、ナマエがぶつかってきただけだよー。それからナマエとは事あるごとにぶつかるだけで」
「そんな頻繁にぶつかってたの?ナマエっち」
「え?あぁ、まぁそうだねぇ。よくぶつかってた気がする」
「でしょ?ただそれだけだから。ほらもう黙って。クラサメ先生の顔が般若になってるよー」
「え?あ、いたんだクラサメ先生」
「自習じゃなかったっけ?」
「……お前たち」
「げ、これヤバいよ、シンクちゃん」
「だねぇ。他の組に紛れちゃう?」
「それいいね。じゃ早速行こっか」
「逃がさんぞ」
「どうする?ナマエっち」
「んー、シンクちゃん、せーのでアレね」
「ん、わかったぁ」
「えーと、クラサメ先生」
「……なんだ」
「せーの」
「「ごめんちゃい」」
「…………」
「…………」
「……言いたいことはそれだけか?」
「わー!シンクちゃん逃げろー!」
「逃げろ〜!」

「あの二人が揃うと非常に厄介ですね」
「こりゃ明日にでもまた席替えかもしれないわね」
「全く、ナマエはいっつも余計なこと言うんだから…」
「…なぁジャック」
「うん?なぁに?」
「本当のところ、どうなんだ?」
「え?何が?」
「ナマエと知り合った経緯だよ」
「んー?へへ、それはー、ひ、み、つ!」
「…………」
「ちょっと、そんなドン引きするような目で僕を見ないでよー!」
 

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