隣の席のキングさん


「やったぁぁああ!!」
「…………」
「ぃよっしゃぁあ!!」
「…………」
「やふぅぅううう!!」
「喧しい」
「あだっ!?ちょ、チョーク投げないでよ先生!」
「喧しい」
「痛い!」



「キンさんキンさん」
「…なんだ」
「今日もいいお尻してますね」
「…………」
「触りたいくらいです」
「…………」
「あ、あのぅ、触ってもいい、ですか?」
「先生ー、男子にセクハラしてる人がいまーす」
「ナマエ」
「はい、なんですか。私は今キンさんのお尻に夢中ですので出来たら話し掛けないでほしいんですが」
「そういう話は今するべきことではない。わかっているのか?」
「じゃあ今じゃなかったらいいんですか?」
「相手が嫌がっているだろう」
「キンさん、嫌ですか?」
「あぁ」
「やめてほしいですか?」
「あぁ」
「私が嫌いですか?」
「あぁ」
「ガーン……あの、本当に嫌いなんですか?」
「あぁ」
「お尻触らせてくれませんか?」
「断る」
「チッ……仕方ない。この際はっきり言います。私はキンさんが好きです」

ざわ…
「あいつ授業中に告白しやがった…アホかよ…」
「アホね、間違いなくアホ」
「キングも厄介な人に好かれたものですね」
「…なんかジャックの背後に黒いのが見えるんだがオレの気のせいじゃないよな?」
「全く、時と場所を考えてほしいものです」
「ナマエさん、大胆ですね」
「わたし〜、なんとなぁくナマエっちの言いたいことわかっちゃった〜」
「はん、どーせキングの尻が、とか言い出すんだろ?」

「……ナマエ」
「クラサメ先生、私の一世一代の告白を邪魔する気ですか」
「時と場所を弁えろ」
「一世一代の告白に時と場所なんて関係ありません」
「……キング」
「…なんだ」
「答えてやれ」
「…………」
「キンさん…」
「ナマエ、ひとついいか」
「はい!」
「お前は俺のどこが好きなんだ」
「お尻です!」
「…だそうだ」
「そうか。お前も大変だな」
「?あのー」
「ナマエ」
「は、はい?」
「お前は今日一日廊下に立ってろ」
「い、一日!?」
「トンベリ、ナマエが逃げないよう見張っててくれ」
「……………(コクン)」
「え、ちょ、キンさん、私まだ返事…!」
「廊下に立ってろ。それが返事だ」
「そんな返事聞いたことないよぉおお!」

 

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