「ねぇ聞いて!」
「また何かやらかしたんですか?」
「えっ、何かやらかしたこと前提?!」
「ナマエさんは大概何かやらかしてますからね」
「デュースちゃんまで!」
「で、話ってなんだ?」
「セブン姐さん!」
「だっ…抱きつくな」
「あ、セブン姐さん照れてる」
「照れてない、断じて照れてなんかいない」
「照れてるの肯定したくないほどか…!」
「で、話ってなんです?」
「あ、そうそう!あのねこの間、エースとサイスんとジャックんと任務に行ったんだけど、凄かったんだよ!」
「ナマエさん、主語が抜けていてわかんないです」
「主語?」
「ちょっと待ってください。あなた主語もわからないんですか?」
「何が、の何の部分だよね?」
「わかっているなら何故主語をつけなかったんだ?」
「んーと、凄さを知ってほしくて!」
「凄さはわかりましたから。それで何が凄かったんです?」
「スイカ!」
「…スイカ、ですか?」
「うん、スイカがね、爆発したんだ!」
「爆発ですって?!」
「スイカに爆弾でも仕掛けてあったのか?」
「いや、天然物だったような気がする」
「天然物?スイカに天然物って、珍しいですね」
「あの、ナマエ?あなた勘違いしてませんか?」
「え、勘違い?」
「この間の任務って確かスイカボムを倒せってやつだよな?」
「えっ、あれは確かに天然物のスイカだった気がするけど…」
「浮いてないスイカがあったということですか?」
「うん、あったよ!だからそのスイカに向けて私は目を隠して挑んだんだ!」
「目隠しをする必要がどこにあるんだ」
「スイカと言えばスイカ割りでしょ!だから目隠ししたんだー」
「ちゃんとそのスイカがボムではないと確認しなかったんですか?」
「んー、ボムみたいに浮いてなかったからスイカだと思ったんだけど」
「……爆弾したんですね」
「あっ、ネタバレしないでよ委員長!」
「だ、誰が委員長ですか!」
「大丈夫だったんですか?」
「え、私のこと?私なら大丈…」
「いえ、エースさんたちです。巻き込まれなかったかなって」
「デュースちゃん……!」
「ナマエさんは今ここにいてこうして無事なんですから。あ、怪我しませんでしたか?」
「え、エースたちなら離れてたから大丈夫だと思うよ……」
「それならよかったです。ナマエさんもお怪我はありませんでしたか?」
「!け、怪我なかったよ!」
「そうですか。もしまだどこか痛むようでしたらわたしに言ってくださいね。笛の音で癒してあげますから」
「うっ……デュースちゃん、ありがとううう!」
「仲間を心配するのは当たり前です」
「デュースはナマエの扱い方が上手いな」
「怒らせたら怖いことをナマエが一番よく知っているからかもしれませんね」