夏休みだよ!その4


「トレイさん暇ですか?」
「あなたにはこれが暇そうに見えますか?」
「だって凄くつまらなそうな顔してるよ?」
「私の真剣な顔がつまらないと言いたいのですか?」
「トレイさんはどや顔からのショックを受けた顔の方がかっこいいよ」
「意味がわかりませんし、それは褒めている内に入りませんから。で、あなたが私に何のようです?」
「トレイさんは私のことどう思う?」
「はあ?いきなりなんですか?」
「いいから答えてよー」
「どう思うって……別にどうも思っていませんよ」
「ま、まじか…!」
「強いて言うなら、アホだなといつも思っています」
「アホだなって失敬な」
「だってそうでしょう?毎回クラサメ先生の授業を妨害し、毎回何かしら忘れ物をし、毎回反省文を書くほどアホなことをやっているのはどこのどいつですか?」
「ワタシです」
「だいたいあなたは立場を弁えていないのです。ここは遊ぶ場所ではありません。学ぶ場所でしょう」
「えー、でも遊ぶ場所もあるよね?闘技場とか」
「闘技場で何をして遊んでいるんですか」
「鬼ごっこ」
「くだらない……」
「それのお陰で足が速くなったんだよ?ふふん、遊びも馬鹿にできないでしょ!」
「何どや顔しているのですか。鬼ごっこをしなくてもエイトのように毎日鍛錬をしていれば足なんかすぐに速くなりますよ」
「いやぁ、私ストイックになれないんだよねー」
「あなたは自覚が足りないのです。もっと候補生として立場を弁え、候補生としての振る舞いをしなさい」
「候補生の振る舞いって?」
「エイトのように鍛錬をしたり、この私のように勉学に励んだり、沢山あるでしょう?」
「でもさー、それ言ったらトレイさんやエイトくん以外の皆も怠けてるってことだよね」
「うっ…そ、そういうことを言っているわけでは…」
「確かにさ、運動や勉強も必要だけど、今それって必ずいるのかなーて。皆と居れるのなんてほんの一瞬なんだから、楽しまなきゃ損じゃない?」
「それは……」
「トレイさんも、たまには遊ぼうよ!遊べる時って今しかないんだから!」
「………はあ」
「折角の夏休みなんだし、1日くらいサボったってどうにかなるって!というかトレイさんならすぐ遅れを取り戻せるよ」
「あなたは本当にわかっていませんね。1日サボれば後で自分が苦しくなるだけですよ?」
「大丈夫大丈夫!ジャックもよく言ってるじゃん、なんとかなるって!」
「…ジャックはポジティブ馬鹿で、ナマエは能天気馬鹿ってところですかね…」
「戯れ言なら後でいっぱい聞いてあげるから、ほら早く行こう!」
「言い出したら聞かないのがナマエらしいですよ全く……」

 

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