夏休みだよ!その3


「海!海!海ー!」
「海は海でも今日は入れないぞ」
「エースくん何を言う!海に来て入れないなんて有り得ない!」
「誰かこいつに手綱つけてくれ」
「サイスん!私、サイスんの水着姿拝めるまで帰れない!」
「いや水着持ってきてねぇし。持ってきたとしてもあんたには見せないし」
「じゃあクラサメ先生の前だったら?」
「はあ?!み、見せるわけねーだろ!つーかなんでそいつが出てくるんだよ!」
「あれ?クラサメ先生になら喜んで見せると思ったのに」
「喜んで見せるわけねぇだろ!」
「暑いのによくやるねぇー」
「ていうかなんで僕とサイスとジャックとナマエなんだ?明らかに人選間違ってるだろ」
「有り得ない人選だからこそ面白味が出るってもんだよー」
「面白味とか必要ない気がするんだけど。ていうかお前とナマエはいつもセットだな」
「仕方ないよぉ。ナマエが離れないんだもん」
「ちょっと聞き捨てならないわジャックん。ジャックんのほうこそ私から離れられないくせに!ねぇサイスん!?」
「あたしに振るな!」
「離れられないわけないでしょー。自惚れるのもいい加減にしてよねー」
「お前ってナマエに対してだけやけに毒舌だよな」
「あ!サイスん見て見て!」
「んだよ……あ?」
「うわぁ!スイカみたいなボムだぁー!」
「食べれるかな?食べれるかな?!」
「今ジャックが言っただろ。スイカ、みたいな、ボム、だ」
「食べれるかも!」
「どーしてそうなるんだよ!」
「はぁ…頭痛い」
「ナマエのペースにハマっちゃだめだよー。余計調子乗り出すからね」
「ジャックとナマエがいつもセットなのわかる気がしたよ…」
「そう?僕は不本意だけどね」
「スイカといったらこれだよね!」
「いつの間に木の棒なんか持ってんだよ!」
「サイスが突っ込んでる…」
「ナマエの側に居れば誰でも突っ込んじゃうでしょー」
「サイスんサイスん、スイカ割りしよう!」
「あんたの目は節穴か?任務の内容忘れたのか?馬鹿なのか?」
「じゃーん!たすきも持ってきたんだよー!」
「あんたやっぱり馬鹿なんだな」
「じゃあナマエがスイカ割りやってよぉ。僕らは声掛するからさ!ねー、エース」
「え?あ、あぁ、そうだな」
「えー?私がやってもいいの?サイスんやりたくない?」
「やりたくねぇ」
「エースくんも?」
「装備を持ってきたのはナマエなんだし、最初にやってくれ」
「そーお?ジャックんはやる?」
「僕はナマエの次にやってあげるよぉ」
「んー、じゃあお言葉に甘えて先にやらせてもらうね!ジャックんたすきやって!」
「はいはーい」

「サイス、今のうちに退治するぞ」
「あぁ、そうしよう」
「あ、ねぇねぇ二人ともー」
「?」
「これだけおいといてねー」

ジャックの指を見てサイスとエースは頷いた。

「できた?」
「んー…よし、できたよぉ」
「よっし!じゃあ指示よろしく!」
「まず真っ直ぐねー」
「うん!」
「もうちょい右ー」
「はいはーい!」
「そのまま進んでー」
「あと10m歩け」
「ちょ、サイスん目見えてないんだから10mとかわかんないよ!」
「ナマエ、ずれてるぞ」
「うん?エースくん、どこがずれてるか教えてくれないとわかんないって!」
「あ!ストップストップ!そう、そこ!じゃー思いきりいっちゃえー!」
「でりゃあああああ!」


ボンッ!!


「じゃあ帰ろうかぁ」
「……いや、あれ放っておいていいの?」
「ていうか生きてるのか?」
「大丈夫っしょー。あ、魔法のスイカ発見!ナマエー、スイカ食べるから帰るよぉー」
「う、ぐっ…す、スイカ…!私のスイカは?!」
「爆発したよぉ」
「ば、爆発した…だと…?!この木の棒……実は勇者の剣…だったのか……」(ガクッ)
「ありゃ。ダウンした」
「あんだけモロに食らえばダウンもするだろ」
「しょーがないなぁ、エース、これ持ってー」
「あ、あぁ」
「全く世話が焼けるんだからー。よいしょっと」
「……なぁ」
「…なんだ」
「ジャックとナマエがセットの理由、あたしわかった気がする」
「僕もだ」

スイカは皆で頂きました。

 

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