KP:
ではそうですね。あなた方が階段に一歩足を踏み入れようとすると、以前にも聞いたことのある怪音が再び部屋の中に谺し始めます。
水津晶夫:
うわあ。お久し振り。
井上東:
ウワーッ!
小鳥遊翠:
あわわわ。
KP:
しかし、先程までは怪音としか感じられなかったそれは、今度はかろうじて汲み取れる言葉としてあなた方の脳に入り込んできます。はっきりとアプローチしてくるその声に、あなた方はその意味を断片的ながら理解するでしょう。
水津晶夫:
怖い……。
KP:
「出来損ない」「不要」「リセット」
……怪音が止むと、突如としてアニが胸を掻き毟るように苦しみ始めます。
雪女の姿が一瞬どろりと融解し、危ういところで持ち直す様は、あなた方には何とも奇妙な光景に映るでしょう。
小鳥遊翠:
ファッ!?
水津晶夫:
ああ、ああ……そういう……。
KP:
さて、地下に封印されしものの奇っ怪な声、そしてそんなアニの姿を見てしまった探索者達は1/1D4のSANチェックをお願いします!
井上東:
マジかよ……。
SANチェックロール 1D100≦47 → 45 = 45 [成功] |
井上東:
セーッフ!
水津晶夫:
SANチェックロール 1D100≦81 → 91 = 91 [失敗] |
水津晶夫:
ここにきておまえ。
井上東:
あきおまえ!
小鳥遊翠:
んん、覚悟はしていたけども……。
SANチェックロール 1D100≦67 → 18 = 18 [成功] |
水津晶夫:
ひくい。
KP:
突然低い。では成功したお二方は1、あきおは1d4の減少ですね。
水津晶夫:
水津晶夫:
減らした。恐ろしいことにまだ78ある。
小鳥遊翠:
あきおつよい。
KP:
鋼のメンタル。
水津晶夫:
催眠術師だから(?)
KP:
それはちょっとよくわからないですね……。
| …………っ! あ、ぅ、ぐっ……はぁ、あっ……!
|
| アニ……さん……っ…!?
|
小鳥遊翠:
目を見開く。
| っ……、あ、アニさん、大丈夫ですか!?
|
水津晶夫:
って、ちょっと遅れて。
| っ……ぅ……だい、じょぶ……っさいわね、なに、オジケづいて帰ってくれても、いいのよ……?
|
| ……ッどこらへんが大丈夫やねん! アホ言うな!
|
| ぅ、っさいって言ってんでしょバカ! 今の内なら逃げられるんだから! 玄関は、あっち……っ。
|
KP:
ここが最後の選択になります。アニに促されるままに帰るか、アニを連れて本当に地下に下りるか。
水津晶夫:
下りるっきゃないでしょ……。
井上東:
まぁ下りるしかないよな。
小鳥遊翠:
うーん、出来たらお父さんに娘さんをくださいしたいけど大丈夫かな……戦うあれがないのがちょっと不安……。
KP:
娘さんをくださいww
水津晶夫:
娘さんを僕にくださいアタックしにいこ……。
小鳥遊翠:
土下座なら任せろ。
井上東:
いや土下座せんで戦えや!
水津晶夫:
営業部かな……?
小鳥遊翠:
うーん仕方ない……当たって砕けるか……。
水津晶夫:
地下行こう!
KP:
うし! では断続的に苦しむアニを連れて地下への階段を数分ほど下ると、その先はドーム状の大空洞になっているようです。
小鳥遊翠:
ほほう。
井上東:
ひろーい!
KP:
道すがらは書庫から見たようにあんなに暗かったのにも関わらず、ここは空間そのものが淡く光を帯びているかのように薄明るく、しかし異様なほどの気味の悪さを感じます。
水津晶夫:
わー! すっごーい!
KP:
壁という壁からは無数の錆びた鎖が伸びており、それによって球形の檻が中心部に宙吊りになっています。
湾曲した鉄格子の内側では、白い可塑性の塊が苦しげに蠶いているように見えます。
球形の檻の真下には大理石に似た質感の石柱が立っており、その表面には五芒星型の刻印が残っていますね。
小鳥遊翠:
たーのしー!
KP:
あなた方が少しでもそれに近づこうとすると、突如宙吊りになった檻の内側からあの呪わしき咆哮が轟き、可塑性の塊がガンガンと檻を内側から叩き始めます。
そして、バキッと轟音を立てて檻の一部が砕けると、白い触腕が内部からずるずると這い出してくるのを、あなた方の目ははっきりと捉えます。
井上東:
ひええ。
水津晶夫:
ヒエェキモい。
KP:
その表面に今、無数の亀裂が走り──その全てがぱくりと開くと、そこには千のおぞましい眼球が剥き出しになってあなた方を見つめてきます!
外なる神、ウボ=サスラの触腕を目の当たりにした探索者は1D4/2D6のSANチェックです!
井上東:
アカーーン!
SANチェックロール 1D100≦46 → 37 = 37 [成功] |
水津晶夫:
うわ〜! おでましだ〜!
SANチェックロール 1D100≦78 → 9 = 9 [成功] |
水津晶夫:
ひっく。メンタルお化けか?
井上東:
ひくいな。何なんこの催眠術師。
KP:
ひくww ディープウィンター再び。
水津晶夫:
ディープウィンター現象。
小鳥遊翠:
SANチェックロール 1D100≦66 → 50 = 50 [成功] |
KP:
全員成功かよ〜! 1d4で減少どうぞ!
水津晶夫:
小鳥遊翠:
井上東:
水津晶夫:
さっきより減少値少ねえ。仲良しだ。
井上東:
いえ〜い仲良し〜。
小鳥遊翠:
仲良し。フレンズだね!
KP:
仲良し〜〜。きみたちはこころのつよいフレンズなんだね!
さて、では。何もすることがなければ探索者のあなた方を、そしてアニをめがけて攻撃を仕掛けようとしてくるウボ=サスラの触腕との戦闘になりますが。
井上東:
戦闘きたでこれ!
水津晶夫:
なんか血と祈りを捧げるとか何とか。
井上東:
呪文がどうとか書いてあったな。
小鳥遊翠:
難しそうやな……。
KP:
別に倒してもいいのよ。耐久力3桁あるけど。
小鳥遊翠:
ムリポ。
水津晶夫:
負けイベ。
KP:
真面目に説明をしますと、アニが教えてくれたあの本に書いてあったのは「ウボ=サスラを拘束する神の罠を再起動する」ための手順ですね。
小鳥遊翠:
ふんふん。
KP:
システムとしては、
@耐久力10点分の血を石柱に捧げる
A呪文を唱えるこれを達成すれば無事成功になります。
なお、血を捧げるのに1ラウンド、呪文を唱えるのに2ラウンドかかるものとします。血は一人が10点分出してもいいし、それぞれ少しずつでもよいよ。
井上東:
なるほど。献血献血ぅ!
KP:
呪文を唱えるのは一人で構いません。アニはこの戦闘の間、ひたすら君達を庇います。
では、DEX順などを見て行動を考えてね!
小鳥遊翠:
ちょ、下手したらアニちゃんやられるやつやん……手っ取り早くせな……。
水津晶夫:
DEX順だと16のあきお→10のアズマオウ→9の翠ちゃんか。
KP:
ちなみにアニちゃんのDEXは16、ウボ=サスラの触腕のDEXは11です。
水津晶夫:
そういや耐久力何点分って任意? ランダム?
KP:
任意で好きな分だけ。10点を満たせば何人が血を捧げてもよいです。
ただし、一度に現在の半分以上の耐久力を失うとショックロールをして頂いた上で気絶する可能性があるのでご注意を!
水津晶夫:
ヒョエッ。あきおHP11しかないから一人で10点分行くと死ねる。
KP:
それはもう自動気絶の範囲内ですね。
小鳥遊翠:
なるほど……これはちみちみやった方がええやつや……。でもその前に死んでもあかんやつや……上手く出来てるなぁ……(遠い目)
水津晶夫:
回避が一番高いのもHPが一番高いのも翠ちゃんか……なんだこの男共の紙装甲……。
KP:
流石元体育会系は違うぜ……。
井上東:
翠ちゃん流石やで。
小鳥遊翠:
頑張って避けながら血を捧げるのに徹底するわ……。
水津晶夫:
あきおの回避32%ってぶっちゃけ微妙だよな〜出ないこともないけど、ううんどうしようか。
てか私ばっか考えてるが君らも作戦立ててくれよな!
KP:
あっ、血を捧げてる間、呪文を唱えてる間はそれで一行動として数えられるので〈回避〉は出来ません☆彡
小鳥遊翠:
うそん。
KP:
そのためのアニちゃん。
井上東:
なるほど。
水津晶夫:
ウッ、まあ大丈夫! 元から回避なんて当てにしてねえ!
小鳥遊翠:
じゃあ鈍足小鳥遊はどうしたらええ?
水津晶夫:
あきおとアズマックスの二人で10点分捧げるのはちょっと危ないので、1ラウンド目は全員血を捧げることになるでしょう。問題はその内訳と、あと呪文唱えてる2ラウンドの間は回避が出来ないというところなんだよな。
どれくらいダメージ入れてくるか分からんし、アニちゃんが庇ってはくれるけど、HPゴリゴリに減ってる奴が呪文唱えると下手したら死ぬ可能性もあると思う。
それらを踏まえた上で捧げる血液量の内訳を決めたいんだけど、どうしようか?
井上東:
呪文唱える人以外が重めに負担するのはどや。4、4、2で。
小鳥遊翠:
呪文唱えながら血捧げたい……。
KP:
無理です☆彡
小鳥遊翠:
うぅ……。
井上東:
血ィダラダラ流しながら呪文ブツブツ唱えてるとか怖いわ。
小鳥遊翠:
でもちょっとかっこよくない?
水津晶夫:
遊乃さんの脳内に中学二年生がログインしたようです。
そうだな、呪文唱えてる人以外は回避出来る訳だし、呪文唱えるのは回避が低い人で良いと思う。一番低いのはアズマオウだな。
井上東:
唱えまっせ!
小鳥遊翠:
おおそうか。献血なら任せろ。
水津晶夫:
これで事故らずにいけるといいなー! 無事終わるといいなー! って感じ……かな……。
小鳥遊翠:
せやな……。
井上東:
死にませんように……。
KP:
作戦は決まったかな?
水津晶夫:
考えられるところは考えた!(多分) 私は戦闘いっても大丈夫です!
小鳥遊翠:
はい! どんとこい!
井上東:
殺ったるで!
KP:
では戦闘を開始します! 一番DEXが高いのは……あきおからですね。アニちゃんと同速ですが、アニちゃんは君達を庇うことに専念します。
小鳥遊翠:
アニちゃん……。
水津晶夫:
石柱にHP4点分の血を捧げます。手を思いっきり噛めば流れるくらいには血出るか、な……。痛そう。
KP:
正気の沙汰じゃない。まあ周りに落ちてるかもしれない鋭利な石でも使ってくれれば。ではHP4点分の血が石柱に注がれます。
小鳥遊翠:
中の人が大丈夫じゃなさそう。
水津晶夫:
痛そう……若干ウッてなってるけどまだ全然いける。
KP:
アズマオウのDEXが10なので、次はウボ=サスラの触腕くんの番ですね。
攻撃対象の決定から〜。1ならあきお、2なら翠ちゃん、3ならアズマオウ、4ならアニちゃん。
小鳥遊翠:
私じゃない……だと……!?
水津晶夫:
そこで驚くなよ。
KP:
インセインじゃなくてよかったな。アズマオウくんを押しつぶそうとウボ=サスラの触腕が迫ります! それをアニちゃんが庇おうと対抗。
DEX対抗ロール 能動:16 vs 受動:11 1D100≦75 → 3 = 3 [クリティカル] |
KP:
ええ……。
小鳥遊翠:
しゅごい。
水津晶夫:
すげえ……。
井上東:
ええ……。
KP:
無駄クリであった。じゃあダメージ減らしとこうかな……。
KP:
アニちゃんに6ダメージ入ります、が、コート類着てたっけな。じゃあ1ポイント分の装甲適用して5ダメージにしとこ。まだいけるぜ。次アズマオウどうぞ!
井上東:
石柱にHP2点分の血を捧げます。
KP:
おっけいおっけい。では翠ちゃん。
小鳥遊翠:
石柱にHP4点分の血を捧げます。同じく石で手首をガッと。
KP:
きみ確か筆記用具の中にペン型ハサミ持ってなかったっけww
小鳥遊翠:
あ、持ってたわ。待ってそれ使わせて。痛いわ。
KP:
せやろな……石よりは綺麗に切れるわ……。はいでは1ラウンド目終了です! 石柱はあなた方の血を吸収して鈍く光り始めました。回ってあきおの番かな。
水津晶夫:
しかし祈り捧げる訳でもないしやることがねえ。
井上東:
攻撃しようぜ。
KP:
回避に専念します! とかでもいいし、石を〈投擲〉してみたりしてもよいよ。
水津晶夫:
投擲な〜初期値だしな……回避に専念したいです。
KP:
了解です! +10%くらいの補正はあげよう。
水津晶夫:
やったぜ……いけるいける。
小鳥遊翠:
フラグかな?
KP:
ではウボ=サスラの触腕くんの攻撃。
KP:
またアズマオウに押し潰すという確固たる意思を持った触腕くんが近付いてきます!
小鳥遊翠:
アズマオウさん好かれてるなぁ。
井上東:
なんでええ?
KP:
それをアニちゃんが庇う。
DEX対抗ロール 能動:16 vs 受動:11 1D100≦75 → 83 = 83 [失敗] |
KP:
あっ失敗した。
小鳥遊翠:
あぁ……反動が……。
井上東:
アニさ……アニさん!
KP:
〈回避〉してみる? ちなみにダメージは2d6です。回避振ったら呪文は唱えられないけど。
水津晶夫:
アズマックスが回避して翠ちゃんが呪文唱えるんでも、HPの数値的には一緒だからいけると思う。ので私的には回避してもらっても大丈夫。成功するかは置いといて。
井上東:
じゃあ〈回避〉してもいい?
KP:
してみるがよい。
井上東:
ほいほい。
技能ロール:〈回避〉 1D100≦20 → 93 = 93 [失敗] |
KP:
あっっぶねえww
水津晶夫:
やっべえ。
井上東:
しんぞうにわるい。
KP:
ではダメージロールを……。
KP:
あっ。
小鳥遊翠:
ヒエ。
井上東:
!?
水津晶夫:
あ。
KP:
……そ、装甲が1ポイント分あるので10ダメージです! ま、-1? ……ですか?
井上東:
えっ?
小鳥遊翠:
オーバーキル……。
水津晶夫:
死体蹴り……。
井上東:
遊乃さん枠かよ!
KP:
ええっと、ですね、耐久力が0以下になった場合、次の戦闘ラウンドの終わりまでに1以上まで回復すれば助かります。
要するに、それまでに誰かに〈応急手当〉か〈医学〉で回復してもらえば危機一髪……。
井上東:
ど、どうすれば……。
小鳥遊翠:
えっと……一応応急手当は持ってるけど……。
井上東:
ボスケテ。
水津晶夫:
翠ちゃん頑張って。
小鳥遊翠:
分かった。呪文はあきおに任せた。
KP:
ではロールどうぞ。ファイト……。
小鳥遊翠:
大丈夫かな……。
技能ロール:〈応急手当〉 1D100≦80 → 61 = 61 [成功] |
KP:
おっ!
小鳥遊翠:
よし!
水津晶夫:
よかった!
井上東:
よかったぁあ。
KP:
では、1d3回復で2以上が出れば間一髪です。1ならギリギリアウト。どうぞ!
井上東:
頼む!
小鳥遊翠:
うおぉ……唸れ私のダイス……!
KP:
あっ。
小鳥遊翠:
……。
水津晶夫:
あっ……。
小鳥遊翠:
ごめん!!!!
井上東:
オレは死んだ。オカルト(笑)
小鳥遊翠:
まじでごめん!!!!
井上東:
自分涙いいすか?
小鳥遊翠:
つ ハンカチ
井上東:
ウッ……。
水津晶夫:
ぶっちゃけ唸れとか言い始めたときフラグだと思った。
小鳥遊翠:
たかが作家には手に負えない致命傷だったみたいだ……。
KP:
う、うんん……これは……うん……。
小鳥遊翠:
あきおに〈医学〉してもらっても間に合わない感じ……?
KP:
これに関してはルルブに「1回の負傷に対して手当は1回しか出来ない」って明確に書いてあるので、ちょっと無理……かな……。
翠ちゃんみたいにその前にファンブルでダメージを受けるなどしてて、別の傷があるっていうならもう一回手当は可能なのだけども。
井上東:
殺ったるで! とか言ってたら殺られたでww うけるww
小鳥遊翠:
アズマオウにもっかいダメージを受けさして手当すればなんとか…?(錯乱)
井上東:
鬼畜すぎィ!
水津晶夫:
本当の死体蹴り。
KP:
すまん! こればっかりは! 恐らく無理だ!
井上東:
初ロストや……あれやな……思いの外悲しいなこれ。
水津晶夫:
私も悲しい……。
KP:
うん……わかゆ……。
小鳥遊翠:
助けられなかった……。
井上東:
死に際のRPとかした方がいい?
KP:
したいのなら! 庇うのが間に合わなくてアズマオウが目の前で倒れ伏した訳なので、アニちゃんはわりと絶望顔してますね。
小鳥遊翠:
RPした方が心残りが少ないと思う。小鳥遊は応急手当が間に合わなくて顔面蒼白。
水津晶夫:
水津はロザリオ握ってると思う。
井上東:
せやな、させてもらうわ。
| ……ふ、……なんて顔、してんねん……。
|
| 井上さん……ごめんなさい……私……っ……!
|
| ────…………………………っ、な、やだ………………やだ! ばか、っ待って…………! 待ってよ!
|
| 井上さん、そんなっ、……クソッ……!
|
| 二人も、シケた顔して……はは……なんやアニ、いつもの小生意気な態度は……どこいったんや……?
|
| 〜〜っ、うるさい! そっちこそオオグチ叩いてここまで引っ張ってきた癖にッ、起きなさいよ! 寝てる暇なんてないのよ! 分かっ、てるんでしょうね……!
|
| ……はは……それも、そうやな……なぁ、ライター、とってくれんか……。 そうや……それ、やるわ……。なぁ、俺の言ったこと、……わすれんなや……。
|
| ……お前は……ひとり、やないで……。
|
井上東:
そう言って、息を引き取ります。
| ………………っ、なによ、それ……、ばか、じゃないの、 わすれるなって、なんのことかわかんないわよぉ……!
|
井上東:
長尺ほんますまん! 次行こか!
KP:
RPは楽しんだもん勝ちやで。もたもたしてる内にも触腕くんはうごうごしてる訳ですが! ではそんな間に次に行こうか。あきおくんどうぞ。
小鳥遊翠:
泣いてる。心の小鳥遊が泣いてる。素敵なRPやった。
水津晶夫:
そうね……もうこれはさっさとやってしまった方が良いかな。呪文唱えようか。
小鳥遊翠:
よろしく頼む。
KP:
おっ、唱え始めますか。では次のラウンドのあきおのターンが終わった時点で詠唱終了となります。
そして無慈悲なウボ=サスラの触腕くんの攻撃。呪文を唱える人を狙う確率が高くなります。
1,2ならあきお、3なら翠ちゃん、4ならアニ。
KP:
おっアニ。そのまま受けます。
KP:
たけえ……1ポイント分の装甲あって10ダメージですね。まだ大丈夫。
水津晶夫:
11ばっかり……。
KP:
翠ちゃんの行動だけれど。どうする? また誰かに応急手当でもしておく?
小鳥遊翠:
辛いな〜。アニちゃんに〈応急手当〉って出来るん?
KP:
出来るで。でもぶっちゃけアニちゃんまだ二人よりか耐久力あるで。
井上東:
つよい。
小鳥遊翠:
あ、そうなん? ちなみにあきお今いくつ?
水津晶夫:
ラッキー7。この調子でダメージ来たらぶっちゃけ死ねる。
井上東:
死ぬな……。
小鳥遊翠:
おっふあかんやん、手当する。
KP:
どうぞ! 呪文を唱えながら手当されるあきお。
小鳥遊翠:
たのむで!
技能ロール:〈応急手当〉 1D100≦80 → 15 = 15 [成功] |
小鳥遊翠:
よし!
井上東:
いいぞ!
小鳥遊翠:
小鳥遊翠:
んんこの。
水津晶夫:
何なんだ……?
小鳥遊翠:
不甲斐ない……すまない。作家に医療を求めるなよ!(開き直り)
KP:
しゃあないんやで……。ではあきおのHPが1回復しまして次のラウンドですが、あきおが最速なので漸く詠唱終了ですね。
小鳥遊翠:
よかった……。
水津晶夫:
長い呪文だった……。
KP:
ではでは。決死の思いで三人とひとりが立ち向かった奇怪な白い塊は、あきおが呪文の最後の一節を唱えた瞬間、あの怪音を金切り声のように発して暴れ出します。
小鳥遊翠:
アズマオウの敵!
KP:
そんな外なる神、ウボ=サスラを、石柱に刻まれた《旧き印》が抑え込み、その内部へと吸収していきます。その内に怪音は聞こえなくなり、辺りを静寂が包み込むでしょう。
シン、とした大空洞の中、響くのは三人分の呼吸音だけです。
| ……………………………………………………、
|
| ……封印……出来たのでしょうか…………?
|
| ……恐らく。
|
KP:
アニちゃんはアズマオウの傍に座り込み、やがてその服のポケットの中からライターを取り出すと、自分の防寒着のポケットの中へとしまい込んでアズマオウの遺体を抱え上げます。
小鳥遊翠:
抱え上げられんのか……。
KP:
(STR16あるしなあ)
水津晶夫:
力持ち。
小鳥遊翠:
お姫様抱っこかな……。
KP:
ご想像にお任せします。おんぶかもしらん。
小鳥遊翠:
小鳥遊はアニちゃんとアズマオウに近付いていく。
水津晶夫:
水津も黙って近付く。
| …………手伝って。シドウのとこ、いくから。
|
KP:
アニちゃんはそう言って、アズマオウを抱えたまま上に戻ろうとしますね。
小鳥遊翠:
ついて行くかな。多分スマホで前を照らしてる。
水津晶夫:
ついてって抱えるの手助けします。
KP:
ではそのまま会話もなく、何となく重い空気のまま二階に戻って篝の眠るベッドにアズマオウを寄り掛からせると、アニちゃんは話し始めます。
| …………ねえ、シドウ。アキオ、ミドリ。……聞いてくれる? アタシ、……アンタ達とさよならしたら、死のうと思ってたの。……死ぬ、って言っていいのかすら分からないけどね。
|
| シドウだけがアタシのパパだった。アンタ達と初めて会ったあのときすら、アタシは死ぬつもりだったわ。……自分が、触るだけで、人を殺す化け物だってことくらいは、もう分かってたもの。
|
| ………………なのに…………本っ当に、ばかみたい。コイツの、……アンタ達のせいで、全然わかんないのよ。 アタシが、どうするべきなのか。自分じゃ決められなくなっちゃったわ。あんなに、死にたいと思ってたのに。
|
| アニさん…………。
|
| ねえ、教えなさいよ。アタシは、どうすればいいの? アタシの、……アタシのせいで、こんな、シドウと、コイツを、こんな目にあわせて、アタシ、のうのうと生きてていいはずないわよね……っ?
|
| ……貴女の気持ち、軽々しくわかるとか、言いたくないです。 ……だからこれは、あくまで俺の想いですが……アニさんは、死んではいけないです。貴女が死んでしまったら、井上さんが……獅童だって、報われません。……だからどうか、貴女は生きてください。
|
| ………………あわれみ深い我が父よ、私の兄弟を、あなたのいつくしみで包み、あなたの光の中で憩わせてください……アーメン。……あんな目にあった今では、この祈りが本当に神に届くかなんて、分からないけれど。
|
水津晶夫:
そう言って、二人の遺体の前で跪いてお祈りしとく。安らかに眠ってくれ。
| そう、ですね……二人の命を奪いながら、自分も死ぬだなんてこと、私が許しません。二人の分まで生きていくべきです。 私も、皆さんのことは絶対に忘れません。……生きましょう、アニさん……!
|
| それに、アニさんがそんな顔をしているよりも、笑って生きてくれた方が二人は喜びますよ!
|
小鳥遊翠:
と、にっこり笑う。
| ……ふたりとも、生きろって言うのね? アタシに。
|
| …………そう。ひどいのね。わかったわ。
|
| ねえシドウ。……アタシ、シドウのお友達に会ったのよ。
──そっちは何度も勝手に呼び捨ててきたくせに、名前くらい教えてからいきなさいよね、…………ばか。
|
KP:
と、いうことで。アニは二人に伴われ、篝と東くんの亡骸を三人で抱えて屋敷を出ることになるでしょう。
冷たくなった二人の亡骸に素肌で触れ、一歩ずつ篝邸を離れていくアニの瞳には、悲壮な決意の色が見えます。
心の父親と、ひどく短い間にあたたかいものを教えてくれた恩人を弔った後、遺されたアニがどのような道を進んでいくのか。
それは探索者達次第であり、アニ自身次第でしょう。
ウボ=サスラが封じられようとも、彼女が生物の熱を奪い、喰い殺す魔物であることには変わりない。
それでも彼女は自らの運命を受け入れ、喰わず、殺さず、自分がこの世に産み落とされた理由に抗いながら生きていくのです。
最早、彼女が何者かの熱を奪い、殺すことはありません。
熱喰いのアニを生かしているのはただ、その心に燃える熱量なのですから。