クライマックスフェイズ マスターシーン シーンプレイヤー:GM 登場:全員 |
GM:
じゃあね、残すはクライマックスフェイズのみですね……。
川上海喜:
ですね! お散歩ようじょ達が戻ってきたのかな?
妙河実:
ようじょちゃう。大人しく戻るよー。
GM:
おかえり……では。
この森に来てから散々ぐるぐる歩き回って、いい加減疲れているあなた方ですが……向こうの方に、人工的に舗装されたコンクリートの道があることに気が付きました。
さっきも調べた場所のような気がするんですが……見落としていた、のでしょうか。
佐藤王子:
ほう。
GM:
コンクリートの道の先は、何故か仄かな月明かりが届かないらしく、真っ暗で……どうなっているのか、わかりません。
あなた達は直感で、これが現実へと続く「出口」なのではないか?と思います。
この道を進めば、きっと現実に戻れるのでしょう。
……しかし、戻りたくないのなら、進む必要もありません。
さて、どうする? 進む?
全員が同じ選択をする必要はないですよ。
川上海喜:
川上は特に何も言わず皆を見送るつもりです。
| …………、僕は、帰りますよ。
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| ……帰ったら、また休む暇もない日々だろうし、お金も時間もなくて、好きなことすら出来ないままかもしれないけど。 またすぐに疲れて、こんな森に、戻ってくるかもしれないけど。 誰かが見たいって、待つって言ってくれた絵を、一生描けないままで終わるのだけは。今は嫌だなって、思います。
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| ──まあ、それも! 岡本さんが一緒に帰ってくれないと、意味ないんですけどね!
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佐藤王子:
と、振り返って笑ってから、コンクリートの道の先に向き直ってお先に走って行きますね。
| ……っ! はは……驚いたな……。佐藤に先を越されるとは思ってなかったぜ。
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| ……清々しい顔してましたね、佐藤くん。 ちょっと、ずるくないですか、今の? ……帰らざるを得ないじゃないですか。
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岡本岳太:
走り去る背中を見守りながら。
| そうだな。じゃ、俺も帰るかな。 ……例え、帰ってあいつが居なくても、ここに居てあいつが帰ってくる訳じゃない。それならあっちで、あいつが居るところで俺は楽しくやってやる。 人生最悪だと思ってたが、アンタらと会えて少し変わった、感謝するぜ。もし佐藤に会ったら礼を言っといてくれないか、岡本さん。
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| 妙河さん……。それは、良かったです。 分かりました。次会ったとき、必ず。 でも、またここで会うかもしれませんよ。そうしたら直接言ってあげてください。
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| はは、有り得るな! そうだな……そしたら佐藤の絵、俺も一緒に見させて貰おうかな。
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| きっと素敵な絵ですよ。出来るだけ、そうならないようにして欲しいですけどね。
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| ああ。帰って……現実で見れるといいな。 でも正直、俺は川上さんとも一緒に見たかったな……。
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川上海喜:
川上は何も言わないです。
| ……アンタ本当に帰る気はないのか。 実はよ、考えてたんだが……川上さんが帰る目的になるかは分かんねぇけど、俺、店やってんだ。俺んとこの肉美味いぞ! っだから……その……俺の店に来て食べてってからでもいいんじゃねぇかっ……?
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川上海喜:
川上は首を横に振りますね。
| ……はぁ、そっか。悪ぃな、余計なことだったみてぇだ。
ありがとな……また戻ってくるかもしれねぇけど。じゃあな!
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妙河実:
と言って二人に笑いかけ、王子くんが行った道を進んでいきます。
| モタモタしてたら最後になっちゃいましたね。 ……俺っていつもこうだ。勇気がなくて……現状から逃げようとして。……でも、今日ここで、勇気を貰った。 帰ったら、あの人に話を聞かなきゃな。……気は進まんけど……でも、あの子の背中に負けてられない。
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| 川上さん……。あなたが何故ここに居るのかは分からなかったけど……それでも、今日、共に居られてよかったです。……どうか、ゆっくり休んでください。……さようなら。
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岡本岳太:
と、言って進み出します。
川上海喜:
川上は特に何も言わずに、出口から背を向けて森の中へ消えます。疲れ果てれば死ぬことが出来るし、そうでないならこの森で楽になっていられる。どちらにしても川上にとっては良いものです。
GM:
良いRPですね……。
ではちょっと最後に。出口に進むことを選択した三人は、2D6を振ってみてくれませんか。(※スペファンの影響はないものとする)
岡本岳太:
えっなに……なに……。
佐藤王子:
オラッ!
妙河実:
GM:
では、暗闇の中を進んでいたはずの岡本くんと佐藤くんでしたが、一瞬だけ、目を塞がれたような感覚になります。
突然のことなので少しびっくりしますが、次の瞬間には元居た場所、森へ来る前に立っていた場所に戻っています。
木々のざわめきも、湿った空気も……さっきまで一緒に居た他のPCもどこにも居ません。どうやら現実世界に戻ってこれたようです。
あの森は、何だったのでしょうか? 暗くて不気味で、でもどこか優しい森……。
あなたはこれから先、あの森を思い出し、懐かしさに押しつぶされそうになることもあるかもしれません。しかし、あなたが今現実に居るのは、あなた自身が望んだことです。
あの森での経験はきっとあなたの糧になるはずです。あなたはこれから先、森の記憶を胸に、充実した日常生活を送ることができるでしょう。
それでは次。妙河くん。
妙河くんも二人と同じように、気が付いたら元居た場所に立っていました。……しかし、自分が今まで何をしていたのか? よく思い出せません。
写真を撮っていたと思うんですが、その写真を見ても、一体何を映していたものなのか……分からなくて不気味に思うでしょう。
でも何となく、気分が良い感じはします。理由はよく分からないけど、さっきまでよりはちょっと前向きに物事を考えられるような……。
では最後。川上くん。
あなたは森を受け入れ、森もあなたを受け入れるでしょう。
じわり、じわりと、自分が森の一部になっていくような、身体が蝕まれていくような感覚がしてきます。
そう遠くないその日が来るまで、あなたは美しい森と共に、充実した日々を過ごせるでしょう。
森の胃袋に収まる、その日が来るまで……。