■ほしをたべる / クライマックスフェイズ




クライマックスフェイズ マスターシーン
シーンプレイヤー:GM 登場:全員

GM
じゃあね、残すはクライマックスフェイズのみですね……。

川上海喜
ですね! お散歩ようじょ達が戻ってきたのかな?

妙河実
ようじょちゃう。大人しく戻るよー。

GM
おかえり……では。
この森に来てから散々ぐるぐる歩き回って、いい加減疲れているあなた方ですが……向こうの方に、人工的に舗装されたコンクリートの道があることに気が付きました。
さっきも調べた場所のような気がするんですが……見落としていた、のでしょうか。

佐藤王子
ほう。

GM
コンクリートの道の先は、何故か仄かな月明かりが届かないらしく、真っ暗で……どうなっているのか、わかりません。
あなた達は直感で、これが現実へと続く「出口」なのではないか?と思います。

この道を進めば、きっと現実に戻れるのでしょう。

……しかし、戻りたくないのなら、進む必要もありません。

さて、どうする? 進む?
全員が同じ選択をする必要はないですよ。



川上海喜
川上は特に何も言わず皆を見送るつもりです。



…………、僕は、帰りますよ。



……帰ったら、また休む暇もない日々だろうし、お金も時間もなくて、好きなことすら出来ないままかもしれないけど。
またすぐに疲れて、こんな森に、戻ってくるかもしれないけど。
誰かが見たいって、待つって言ってくれた絵を、一生描けないままで終わるのだけは。今は嫌だなって、思います。



──まあ、それも! 岡本さんが一緒に帰ってくれないと、意味ないんですけどね!



佐藤王子
と、振り返って笑ってから、コンクリートの道の先に向き直ってお先に走って行きますね。



……っ! はは……驚いたな……。佐藤に先を越されるとは思ってなかったぜ。



……清々しい顔してましたね、佐藤くん。
ちょっと、ずるくないですか、今の? ……帰らざるを得ないじゃないですか。



岡本岳太
走り去る背中を見守りながら。



そうだな。じゃ、俺も帰るかな。
……例え、帰ってあいつが居なくても、ここに居てあいつが帰ってくる訳じゃない。それならあっちで、あいつが居るところで俺は楽しくやってやる。
人生最悪だと思ってたが、アンタらと会えて少し変わった、感謝するぜ。もし佐藤に会ったら礼を言っといてくれないか、岡本さん。



妙河さん……。それは、良かったです。
分かりました。次会ったとき、必ず。
でも、またここで会うかもしれませんよ。そうしたら直接言ってあげてください。



はは、有り得るな! そうだな……そしたら佐藤の絵、俺も一緒に見させて貰おうかな。



きっと素敵な絵ですよ。出来るだけ、そうならないようにして欲しいですけどね。



ああ。帰って……現実で見れるといいな。
でも正直、俺は川上さんとも一緒に見たかったな……。



川上海喜
川上は何も言わないです。



……アンタ本当に帰る気はないのか。
実はよ、考えてたんだが……川上さんが帰る目的になるかは分かんねぇけど、俺、店やってんだ。俺んとこの肉美味いぞ!
っだから……その……俺の店に来て食べてってからでもいいんじゃねぇかっ……?



川上海喜
川上は首を横に振りますね。



……はぁ、そっか。悪ぃな、余計なことだったみてぇだ。

ありがとな……また戻ってくるかもしれねぇけど。じゃあな!



妙河実
と言って二人に笑いかけ、王子くんが行った道を進んでいきます。



モタモタしてたら最後になっちゃいましたね。
……俺っていつもこうだ。勇気がなくて……現状から逃げようとして。……でも、今日ここで、勇気を貰った。
帰ったら、あの人に話を聞かなきゃな。……気は進まんけど……でも、あの子の背中に負けてられない。



川上さん……。あなたが何故ここに居るのかは分からなかったけど……それでも、今日、共に居られてよかったです。……どうか、ゆっくり休んでください。……さようなら。



岡本岳太
と、言って進み出します。

川上海喜
川上は特に何も言わずに、出口から背を向けて森の中へ消えます。疲れ果てれば死ぬことが出来るし、そうでないならこの森で楽になっていられる。どちらにしても川上にとっては良いものです。

GM
良いRPですね……。
ではちょっと最後に。出口に進むことを選択した三人は、2D6を振ってみてくれませんか。(※スペファンの影響はないものとする)

岡本岳太
えっなに……なに……。
??
2D6 → 3,4 = 7


佐藤王子
オラッ!
??
2D6 → 2,5 = 7


妙河実
??
2D6 → 2,2 = 4




GM
では、暗闇の中を進んでいたはずの岡本くんと佐藤くんでしたが、一瞬だけ、目を塞がれたような感覚になります。
突然のことなので少しびっくりしますが、次の瞬間には元居た場所、森へ来る前に立っていた場所に戻っています。

木々のざわめきも、湿った空気も……さっきまで一緒に居た他のPCもどこにも居ません。どうやら現実世界に戻ってこれたようです。
あの森は、何だったのでしょうか? 暗くて不気味で、でもどこか優しい森……。

あなたはこれから先、あの森を思い出し、懐かしさに押しつぶされそうになることもあるかもしれません。しかし、あなたが今現実に居るのは、あなた自身が望んだことです。
あの森での経験はきっとあなたの糧になるはずです。あなたはこれから先、森の記憶を胸に、充実した日常生活を送ることができるでしょう。


それでは次。妙河くん。

妙河くんも二人と同じように、気が付いたら元居た場所に立っていました。……しかし、自分が今まで何をしていたのか? よく思い出せません。
写真を撮っていたと思うんですが、その写真を見ても、一体何を映していたものなのか……分からなくて不気味に思うでしょう。

でも何となく、気分が良い感じはします。理由はよく分からないけど、さっきまでよりはちょっと前向きに物事を考えられるような……。


では最後。川上くん。

あなたは森を受け入れ、森もあなたを受け入れるでしょう。
じわり、じわりと、自分が森の一部になっていくような、身体が蝕まれていくような感覚がしてきます。
そう遠くないその日が来るまで、あなたは美しい森と共に、充実した日々を過ごせるでしょう。

森の胃袋に収まる、その日が来るまで……。




 



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