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“願掛け”

SSL:原→→←沖と永倉先生



面倒くさいったらありゃしない。

その日、日直だった総司は、放課後までに集めて持ってくるよう命じられたプリントの束を手に、職員室へと足を運んだ。

そんな仕事はゴメンだと、女子の日直へ押し付けてしまっても良かった―――「放課後は用事があるから、お願いできるかな?」と。ニッコリ笑えば大抵のことが通ってしまうのは“人気者”の特権か。
だが本日の依頼人は永倉である…・・・となると、話は別だった。
永倉の近くに、総司の目当ての人物が居る可能性は、極めて高い。「居る」と断言も出来ないのだが、その可能性に賭けようかと思えるくらい2人は行動を共にしていることが多かった。

「永倉センセ、プリント持って来ましたよー」

そして覗いた職員室。

永倉の席を確認した総司は、己の“勝ち”に、心の中でガッツポーズをしてみせた。
窓際の永倉の席、その横で窓に寄りかかるようにして会話をしている原田の姿。空振りにならなくて良かったと、足取り軽く2人の傍へ向かった総司は、思わぬ光景に目を奪われ、足を止めた。

何てことはない、原田が髪を結っただけ、ただそれだけのこと。

しかし、それだけの光景が、何故か総司の中の“何か”を激しく揺さぶった。


(なんで、懐かしい・・・なんて、思ったんだろう)


数メートル先――
いまだ総司の来訪に気付いていないらしい二人が、交わす会話が聞こえてくる。

「それ、昔の左之思い出すよな。伸ばしてんのか?」
「まぁ・・・ちょっと、な。」
「ちょっと…なんだよ?」
「別に何でもねぇよ」
「なんだよ、気になんだろ。言いかけてやめんなよー!」
「言わねえ。お前絶対笑うからな」
「笑わねぇって!なんだよ笑う理由って。言うまでしつこいぞ俺は!」
「なんとなく、だよ。なんとなく」
「嘘つけーー!」

「僕も知りたいな、気になりますよ。ね、永倉先生?」

「お?」
「―――総司・・・」




そしてタイトルへ。
そんなベタなお話!
約1名だけ記憶がありません。

思い出して欲しい…のか、好きになって欲しい…のか。後者だったら叶ってるので髪切っちゃっても問題ないね!
ちなみに原田先生はいつもは沖田って呼んでるといい。心の中でだけ総司って呼んでます。油断してたのでうっかり言葉が洩れちゃった的なアレ。


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