いつも通り




今から2ヶ月ほどまえに、急に父さんが倒れた。

それからは色々大変だった。
と言っても、生活が忙しかったのは一週間ほど。

今ではすっかり、いつも通りの生活へと変わっていた。



今日もいつも通りの朝。
いつも通り学校へ

そして、いつも通り朝練でグラウンドを5周。


すべていつも通りだった。

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3限


俺は窓際の後ろから2番目。
つまらない化学の授業を聞かずに、ぼーっと窓の外の体育を眺めていた。

体育はサッカー。
女の子たちがボールに弄ばれている。

「伊藤!」
不意に大きな声で先生に呼ばれた。

(ああ。また注意か)
俺はゆっくりと先生を見つめる。

「来い。」
全く授業を聞いていないからか、この急展開に俺は目を丸くした。

教卓までゆっくり歩くと、いつも変な顔の先生は心配そうな顔で

「授業はいいから。
病院に行け。」
と耳元で言ったのだ。

(あ。おかしくなった。)
今日はいつも通りの日ではなくなる。


きっと父さんが死んだ。
いや、殺されたのかもしれない。

病院に行くと、父さんは死んでいて、先に2人の姉世都香と由子がいた。
2人が言うには、父さんの財産を受け継ぐのはこの俺だそうだ。



〜このことはこれからの人生をも変えてしまった。


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03.メジロと蜜柑










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