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第四夜


辻「皆さん、目を閉じてください」

(始まりの言葉。瞼の裏の暗闇に紛れて、獰猛な人狼はじっと息を殺して時を待っている。)

辻「夜の帳が降り、闇が村を支配しました」

辻「村人達は眠りにつき、ただ数人のみがまだ起きていたのでした」

辻「預言者さん、預言者さん。目を開けてください。今宵も一人だけ貴方が指定した人の正体を占うことができます。正体が知りたい人を決めて、指さしてください」

辻「その人でよろしいですか?」

辻「その人の正体は、…こちらです」

辻「それでは預言者さん、目を閉じてください」

辻「霊媒師さん、霊媒師さん、目を開けてください。昨日は処刑された方がいましたので、その方の正体を見ることができます」

辻「その方の正体は、…こちらです」

(霊媒師はもういないと思う。だが、それでも同じ台詞を繰り返すのは辻の役目であり、自分達が推測するのを防ぐためだ。つまり、辻の言葉からヒントを得るのは無理らしい。)

辻「確認しましたら目を閉じてください」

辻「続きまして、恋人のお二方。生死を共にするあなた達は目を開けてお互いの無事を確認してください。確認しましたら目を閉じてください」

辻「夜が更け、月が昇り、真夜中になりました。善良な村人達は皆眠りにつきました」

辻「人狼の皆さん、人狼の皆さん。目を開けて仲間達を確認してください。そして、今宵の犠牲となる人を決め、指さしてください。もちろん、誰も食い殺さないことも可能です」

辻「…その人でいいのですね?」

(4人目の犠牲者。これで残り9人。ゲームは今にも終わる可能性がある。ゲームが唐突な終焉を迎えるとしたら、理由はただ一つ。人狼と村人の数が等しくなったからだろう。)

辻「分かりました」

辻「では、人狼の皆さんは目を開けたまま、狂人さん、狂人さん、目を開けてください。人と人狼でありながらも互いに協力していく仲間を確認してください」

辻「確認が済みましたら目を閉じてください」

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