おかえりなさいと言える幸せ


少し前、彼にマヨネーズの量を減らして、と言った。
それは彼の健康の為、それなのにカロリーハーフを大量に買ってきた時は呆れて言葉を失ったのは記憶に新しい。まあ普通のよりはましだけれど。



「土方さん、気を付けてくださいね。」



弟と二人だった時、広く感じたこの家も一人増えただけでなんだか小さくなったように思える。時々屯所ではなくこちらに泊まっていく、そんな彼にそう告げると短い返事と共に頭に手を置かれる。それがなんだかこそばゆくて、照れ隠しに横を向く。
そして彼は屯所に向かって歩いていく。




今日は非番、のはずだった。
だからこちらに泊まったのに。なんでも過激派の攘夷浪士を捕らえたらしく、その尋問の為呼ばれたと言っていた。



私自身攘夷だのなんだのに興味はなかったが、こんな事がこれからも続くなら少し、攘夷派を嫌うかもしれない。そう彼に言ったら危ないからと怒られた。





最近色々な事件が重なって、少し街は騒がしくなってきているみたい。
そのせいで彼はあまり休めていない。だから今日は本当に久しぶりの非番だった。
目の下にできた隈をないものとして働く。それは誇らしい事でもあるけれど、私としては心配で堪らない。




ああ、早く帰ってきて。そして一緒にご飯を食べましょう。
今日くらいは赤いキャップのマヨネーズを出すわ。





































おかえりなさいと言える幸せ
(お疲れ様です。)(帰ってきてくれてありがとう、)



090813

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