オレの桜は咲きました


昼休み、誰も近寄らない筈の応接室のドアが開く。


「雲雀さーん!雲雀さーん?」



い、勢い余ってここまできちゃったけど…
な、なんて言って入ればいいのかな…!!


そんな心配をするには時既に遅し、自分でも驚く程早く行動にうつしていた。




「………」

「あ……こ、こんにちは」

「………何。」

「あ、えと、そのっ」

「……何、早くして。」

「っ、り、リボーンが…」



理由なんて考えていなかった。
とっさに出てきたリボーンの名前…言わなければ良かったと後悔した。

だって、知ってるから。
雲雀さんは自分ではなくリボーンを気にすると…


「…赤ん坊が?」


ほら、ね…?


「あ、いや…」

「何なの。さっさと言ってよね。咬み殺すよ」

「!…ち、違うんです!!り、リボーンは関係ないんです!」

「嘘?ふざけるのも大概にしてくれる?………咬み殺す」



うぅ、ヤバい!
ヤバいけど今逃げたら一生近づけなくなっちゃうよー!



「雲雀さん!待っ…待って下さい!」

「嫌だ」

「お、俺が雲雀さんに用があるんです!お、俺…」



ガタン!!


雲雀さんの方に慌て歩いて行く途中、机に突っかか
って大きな音を立てながら俺は倒れた。



目の前には雲雀さんの顔。
怖いけどやっぱり綺麗だと思った。


大分前から感じてた。
雲雀さんを見かけたときの胸の高鳴り、いつの間にか雲雀さんを目で追っていた自分、その変な感情が『好き』っていうんだって事…










「……何してるの、早くどいて。」

「…っ、」



チャンスは、今しかない…?

「早……」



──ポタ、ポタタ…



「……冷たいよ。」

「ごめっ、なさ……!!お、おれっ…雲雀さんが…………!!」

「……」





ずっと、ずっと想ってました。


そんな乙女な事言えない。そう思ってたけど、実際自分は今それを言おうとしてる…









「す、凄い、好きっ…です!ずっと、ずっと想って、ました!お、男だとかっ、そんなこともう…関係っ、なくてッ……!!!おれっ、俺…」

「黙って」






───ふわり。
窓の外、満開に咲いた桜が舞い上がる。




床には窓から差す光によって花弁のシルエット、応接室の床一面が光と影で一枚のモザイク絵と変わる──……














「──…雲雀、さ…」


─重なった影は再び離れ



「何…」


─その距離、僅か3cm


「どう…し、て…?」


──目の前の綺麗な口元が


「僕は君を愛してる…」


─それは綺麗に弧を描き


「っ、本当…ですか…?」


─今度はぎゅっと


「本当。」















──抱きしめられた。










俺の桜は咲きました
(これからずっと一緒にいれますか?)(当然。)(─…良かった)






080317

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