たまには。


「あのー…銀さん?」


「んー?」


「何、してるんですか」





この暑くて暑くて仕方の無い時期、その上昼下がり。
買い物に行こうと立ち上がった新八はずしりと背中に重みを感じ動けなくなった。
原因はわかっている、自分の首に手を回し所謂おんぶの状態でうーとか、あーとか言うのはこの万事屋の主人、坂田銀時。

このままでは買い物に行けない上に暑さでバテてしまう。
そうなると家事が進まず面倒な事になるのは目に見えているので早くこの状況を打開したい。



「銀さん…離れてもらえません?」


「ヤダ」


(即答しやがったよこの人ォオォォオオォ!!!!)


「ヤダってアンタ、離れてくれないと買い物行けないじゃないですか。夕飯抜きですよいいんですか」


「……ヤダ」


「……一体どうしたんですか」






そう問うも答えは無く、無言となる。どうしようか、と考えた時こうなる原因に思い当たる節があった。



(もしかしたら、銀さん…)




くすりと笑い腕をすり抜ける。一瞬面食らった顔をする銀さんの腕の中にまた入り込む。今度は向き合う形で。

ますます驚きの顔をする銀さんを見てしてやったりと満足気に笑いかけると銀さんは慌てながら腕の力を強めて、抱きしめてくれた。

















(ちょ、そろそろ買い物に…!!)(ヤダ)




080828

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