アリス・マイン




「〈アリス〉」


「OKよ、近くには誰もいない」




スコープを覗いてインカムから聞こえる声に答える


アリス・マイン、通称アリス
それがこの組織で私に与えられた名前。



私はついに、コードネームを与えられた。
ここまで来るにはもう少し時間がかかると考えていたから潜入が決まった時と同様、思ったよりも早くアリス・マインの名を与えられて少し驚いた




職業柄、銃を撃つことに迷いは無いとは言え暗殺の任務はキツいものがあったけれど、それでも嫌な顔一つせず与えられた任務は完璧に遂行したし、情報だって積極的に集めたりと組織に尽くした私の頑張りのおかげだろうと思う、よくやったよ私…!

組織のことはリボーンも根回しの仕様がないから




ベルモットが寸分の狂いなく相手の眉間を撃ち抜くのを見届けて、今日の私の任務は終了した
暗殺場所に人が近づかないように見張って、誰かが近づけばインカムを通してベルモットに伝えるたったそれだけの任務だ。

後処理はこの近くに一般人として紛れてる組織の人間が行ってくれるらしい






「〈終わったわ、帰りましょ〉」

「了解」




念のためセッティングしていたライフルを手早く片付けてビルを降りるとベルモットは壁に寄りかかって携帯をいじっていた

組織の誰かに任務完了、とでもメールをしてるんだろう





「待たせたね」

「アリス、
今日は車じゃないでしょ?送るわ」




バーボンがね。
と付け足した、どうやらベルモットはこの後にバーボンとの任務があるらしく車で拾ってもらうという事らしい




「気持ちは嬉しいけれど遠慮しておくわ、今日は私にもお迎えがあるの」


「あらそう?それは残念ね
バーボンがあなたに会いたがっていたわよ」


「え、どうして?」


「それは貴方がジンのお気に入りだからじゃなあい?」


「お気に入りって…私何方かと言えばジンにはあまり好かれてないと思うけど…
ほら、あの人秘密主義者は好まないでしょ?」





私の携帯がなって、きっちり4回コールで切れた
これはリボーンだ、もうそばまできてるって言う合図




「それじゃあね」




ベルモットと別れて大通りを歩いていれば黒塗りの車が私の隣に止まる
それを横目で確認して素早く車に乗り込んだ





「お迎えありがとう、リボーン」

「ドレスはそのバックの中だ」


「あれ、ツナは?」

「アイツは急用が入っちまっていけねぇんだ」





今日は鈴木財閥主催のパーティーで、ボンゴレカンパニーとしてお呼ばれされた
丁度ツナとリボーンが日本に来ていたこともあって3人で出席するはずだったんだけど、マフィア優先だからしかたがないね。










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