★DEPRESSION★

暗黒騎士となってから、セシルの戦闘能力は格段に上がった。
常人なら一度暗黒剣を使うと体力の消耗幅が大きく、回復に時間を取られるが、セシルはその特異な身体能力を駆使し、無限に暗黒剣を使うことができた。
他国との小競り合いの最中、セシルの暗黒剣は恐ろしいほどの戦果を上げた。
その噂はバロンを超えて、周りの国にまで轟いた。
バロンの暗黒騎士は一騎当千。その姿を見たものは生きて帰れない。
セシルの存在は死神にも、悪鬼にも例えられた。
カインの方でも、そんなセシルと肩を並べられるよう、竜騎士の修業に励んでいた。
セシルの背中を預かるのはこの自分だという自負がカインにはあった。
セシルとカインが組めば、倒せないものなどなかった。

しかし、戦いを終え、暗黒の鎧を脱いだセシルはひどく不安定だった。
暗黒魔法の術式が刻まれた鎧を身につけている時は、どんなダメージにも耐えることができる。
しかし、それを脱いでしまうと戦いで負った傷や痛みが一気に体に現れる。
暗黒騎士には、その痛みに耐えられるよう、きつい鎮痛剤が処方される。
副作用に強い催淫効果のあるその薬はセシルの体を苛んだ。
初めてその薬を飲んだ時、セシルはカインに助けを求めた。
ふらつく脚で、ハイウィンド邸へ行き、自室にいるカインを訪れた。
夜半に突然現れたセシルにカインは驚く。
セシルの瞳は潤み、頬は上気している。
「セシル、どうしたんだ」
「カインッ」
倒れ込むようにカインに抱きつく。
浅い呼吸を繰り返すセシル。熱のこもった体。
「カイン、抱いて」
その場に座り込んでしまいそうなセシルを抱きとめ、なんとかベッドへ運ぶ。
「大丈夫か、何があった」
なだめようとするカインを制止し、セシルはカインのズボンに手を掛ける。
「おい、セシル」
強引にそれを取り出すと、セシルが口に含む。
「ん・・・んぅ・・・」
性急に咥えこむと、頭を上下し、喉の奥で愛撫する。
「くっ・・・セシルッ・・・」
セシルの舌使いにカインが呻く。
カインのそれがセシルの口の中で育ってゆく。
目尻に涙を浮かべながら、縋りつくように頬張るセシル。
「セシル、もういい」
カインはセシルを引き離そうとする。
しかし、セシルはそれ以上の力で、カインに抱きついた。
「・・・セシル、もうイク・・・」
セシルはお構いなしにしゃぶりついている。
カインは呻き声を上げると、セシルの口の中に果てた。
セシルはそれを喉を鳴らして飲みこんでいる。
口の端から白濁を零しながら、セシルが恍惚とした顔をする。

カインは息を弾ませながらも、セシルの服を脱がせて行く。
セシルの下肢は既に立ち上がり、濡れそぼっていた。
乳首も尖って赤く色づいている。
扇情的な光景だが、腕や肋骨に付いた傷が痛々しい。
セシルの体に籠もる熱は恐らくこの傷が原因に違いない。
酷い傷にカインが茫然としていると、セシルは再びカインの下肢に手を伸ばした。
今度は手で擦りあげる。
「カイン、我慢できない」
震えながら強請るセシルをベッドに押し倒すと、カインは自身をセシルに宛がう。
セシルの蕾は既に綻び、はくはくと開閉を繰り返している。
カインの切先が触れると、吸いつくように歓迎した。
セシルの腕がカインの首にまわされる。
「あ、カイン・・・ん、うあ・・・」
前戯なしの挿入に、セシルの表情が引きつる。
「無理するな、セシル」
「大丈夫、はぁ、痛い方がいい・・・あ・・・あぁ」
ゆっくりと奥に進んで行く。
「はぁ、ああ・・・」
カインが奥まで来ると、セシルはそれだけで達してしまった。
セシルの目から涙が零れる。呼吸が落ち付いたところで、カインが腰を使いだす。
「あ、カインッ・・あ、うあ、あん・・ああ、もっと・・・」
セシルのナカがカインを締め付ける。
カインは後ろを突きながら、セシルのものを梳き上げる。
前と後ろを攻められ、セシルは悲鳴のような喘ぎを上げる。
「カイン、また、あ、イクッ、う、あぁ」
セシルが顎を仰け反らせ、また達した。強い締め付けにカインも達する。
カインの熱い奔流を感じると、セシルの中は激しく痙攣する。
しかし、セシルは萎える様子がない。
「や、まだ足りない、あ、あ」
イッたばかりのそこを梳かれると、セシルの焦点は合わなくなる。
「カイン、もっとぉ」
泣きながら、半狂乱になって求めてくる。
カインはセシルの膝裏に手を充て、セシルの脚を開かせる。
胸まで脚を持ち上げると、結合は更に深まった。
奥の柔らかいところを固いものに擦られ、セシルは悶える。
「はぁ、あッ、あん、はぁん、ん、んあ」
付かれる度に、中に出されたカインの白濁が泡立つ。
結合部からは収まり切らない白濁がどろどろになって流れ出ている。
快楽に意識が途切れ途切れになりながらも、セシルはさらに強い快感を求めて、無意識のうちに指を乳首に絡めている。
立ちあがった突起を押しつぶすようにこねる。
カインはセシルのその指ごと乳首をつまむ。
強い刺激にセシルは絶頂を極めた。
「あぁっ」
ひと際高い声が上がる。
快楽に歪む顔。
カインもセシルの中に放つ。
セシルはシーツに沈みこんだ。
ナカから自身を引き抜くと、白濁が糸を引いた。
セシルの腿は未だに痙攣している。
擦られ、赤くなった後孔は白濁を吐き出し続ける。
カインは惨状とも言えるセシルの体を清めようと、タオルで拭った。

朝、セシルは目を覚ますと、気恥ずかしそうにカインに謝った。
二人は湯を張ったバスタブの中で向かい合った。
「暗黒剣を使った後はああなってしまうんだ」
視線を外しながらカインに言う。
「こんな姿、兄さんには見せられないから・・・」
セシルが膝を抱える。
視線を落とすセシルの頬にカインが手を充てる。
「無理はするな。お前が体を犠牲にすることはないんだ」
そう言って、セシルに口づける。
浴室に差し込む朝の光の中で、カインはセシルの体を見た。
バスタブから出て、ソープを泡立てる。
後ろ向きに立ったセシルの背中に、泡を乗せていく。
背中を撫でながら、セシルの傷口を確認した。
昨日のように熱はもっていないようだ。
カインはそのことには安堵した。
そして、恐らく一生癒えることのない傷を慈しむように撫でた。

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