★Mom, I'm sorry, am I playing some bad games★

あの一件以来、カインとセオドールはなるべく顔を合わさないようにしていた。
目が合ってしまうと、色々なことを思い出してしまい、気まずかったからだ。
カインの方でも、反抗心からセオドールにあのようなことをしてしまい、謝った方がいいのか、知らん顔をしていたらいいのか、決心がつきかねた。
しかし、今更謝るのも気恥ずかしい思いがしていた。

カインはセオドールとはち合わせないように、窓辺からこっそりセシルの部屋を訪れた。
しかし、セシルは不在だった。
空っぽの部屋にカインは一人ぽつんと立っている。
今日一日をどのように過ごそうか、とセシルのベッドに座り考えていると、ドアが開いた。
「セシル?」
そう言いながら入ってきたのはセオドールだった。
カインは勢いよく振り返る。
とうとうセオドールとカインははち合わせてしまった。
「カイン、お前か」
しばらく無言のまま見つめ合っていた二人だが、セオドールができるだけ親しそうな、気軽な感じで声をかけた。
「・・・ああ」
カインは曖昧な返事を返す。カインの視線が力なく宙を漂う。
急に迷子の少年のようになってしまったカインがセオドールにはおかしかった。
セオドールは意地悪な悪戯を試みた。

カインの後ろに立ち、カインをベッドに組み伏せる。
「な、何をするっ・・・」
手を後ろに掴まれて、抵抗できないカインは驚きで少し裏返った声を上げた。
「この前のお返しだ」
カインの服を引きちぎるような乱暴さで剥ぎ取る。
「やめろッ・・・」
手早いセオドールに、抵抗する間もなく服を脱がされていく。
すると、露わになったそこへいきなり指を突き入れられた。
「いっ、痛い・・・よせ・・・」
乾いた指を無理矢理入れられ、カインは痛みに身をよじった。
シーツに顔を押し付けるようにして、尻だけ突きだしたポーズで押さえつけられている。
身をよじったところで、尻を振って誘っているようにしか見えない。
「・・い、いやだっ・・・あ・・・」
濡らすものが何もなく、さすがに痛そうだったので、セオドールは指の間から舌を差し込んだ。
「あ、あぅ・・・やめろっ・・あぁ・・・」
無遠慮に差し込まれる舌。
ぬめり気を持ち、スムーズに出入りする舌に愛撫されて、カインは腰を揺らめかす。
白日の下、そんな場所を暴きたてられることは堪らなかった。
「やだ、あぁ・・あ、あぁ・・」
舌とは違う、素早く繊細な動きをする指に中をかき混ぜられる。
「あ・・・ああ!・・だめだ、そこは・・・」
ゴルベーザの長い指がカインの悦所を掠める。
「いや、あぁ・・はあ・・あぁ・・」
カインのそこがひくひくと蠢くのが良く見える。
触られてもいないカイン自身は完全に立ち上がり、どろどろに濡れている。
「もう、あ、、あぁ」
カインは白濁を迸らせた。
ベッドに沈みこむ。セシルのベッドを汚してしまった。
「初めてにしては、随分素質があるようだな」
喪失感に震えていると、後ろからセオドールの揶揄する声が聞こえてくる。
カインはカッと頬を赤らめた。
逃げ出そうとするが、絶頂感が体を支配して動くことができない。
「よせ、いやだ・・・あぁ」
セオドールはうつぶせに横たわるカインの体を仰向けに起こすと、脚を大きく広げた。
脚を閉じようと抵抗を試みるカインを押さえつけ、自身を宛がう。
そこはセオドールを歓迎するように綻んでいた。
「ん・・んあ・・あぁ」
すみれ色の瞳がこちらを見ている。
目の前にいるのはセシル・・・?
快楽に混濁する頭の中で、カインはセシルに犯されているように感じた。
膝の裏に手を差し入れられると、激しい律動が始まった。
「う、うあ、あ・・はあ、あぁ」
熱いものに中を擦られる。
擦り切れてしまいそうな快楽がカインを襲った。
「あ、あは、あぁ、セシルッ、あぁ」
カインの瞳から涙がこぼれた。
快楽に震える青年を少し憐れんだが、あのプライドの高いカインが不憫な姿をさらせばさらすほど、セオドールの欲情を煽った。
「ああ、セシル、気持ちいい、あぁ」
カインはとろけるような笑顔をして叫びの様な喘ぎ声を上げた。
セオドールはカインの奥深くに突き入れ、欲望を放った。
「あ、熱い、あ、あぁ」
体の一番奥に濁流を感じ、カインも同時に放った。

その時だった。
「・・・カイン、兄さん?」
動揺したような声が聞こえてきた。
二人は我に返って振り返った。
そこには、セシルが立っていた。この部屋の主で、二人の想い人。
「・・・セ、セシル・・・」
セオドールが慌てた声を上げる。
セシルからは、セオドールがカインを組み伏せ、その白い脚を乱暴に開き、後孔に自身を突き立てているところがよく見えた。
カインの方でも、今までセシルに犯されているような浮遊感に酔っていたが、突然状況がはっきりして死んでしまいたいほどの羞恥に襲われていた。
「・・あ、はぁ・・・」
セオドールが身じろぎをすると、カインの中を擦ることとなり、カインは甘い声を上げてしまった。
セシルにこんな声を聞かれるなんて!

「カインと兄さんって、こんなに仲が良かったんだ」
今まで不仲なのかと思っていたよ、とセシルが突拍子もないことを言っている。
その口調がなぜかとても喜んでいるように思えた。
セオドールがカインから出て行くと、カインの蕾からは白濁が零れ落ちた。
「カイン、きれい」
そう言って、セシルはベッドに乗り、カインの唇にキスを落とした。
されるがままのカイン。
どうやら、セシルはカインの痴態を見て、欲情したらしい。
セオドールは思っていた。
セシルは自分のリボンタイを解くと、ブラウスを脱ぎ始めた。
カインは体を起こし、セシルとより深く舌を絡め合う。
もうどうにでもなってしまえ、という自棄がこの部屋を取り巻いていた。
カインの指がセシルの鎖骨や胸を彷徨う。
その手がセシルの下肢に到達した時、セオドールは白濁を未だに吐き出し続けるカインの後孔に再び自身を宛がった。
「セオドッ、あぁ・・・」
カインが背を反らせて喘ぐ。
セシルはその様子を冷静に見つめながらカインの胸の突起を唇で啄ばんだ。
「セシル、あ、あぁ」
セシルの手がカイン自身をセシルの蕾に導く。
セオドールは後ろからこの不思議な交わりの結末がどうなるか、黙って見つめていた。
カインはとっくに思考を手放してしまっていた。

カインのそれが、セシルの中へ入って行く。
「あぁ、カイン・・・」
セシルが官能的に身をくねらせた。
後ろからセオドールに突かれているカインのそれはセオドールの動きに合わせて、セシルの中を擦る。
「あ、カインッ、はぁん、兄さん、あぁ」
セオドールはカインとセシルを同時に犯しているような禁忌を味わっていた。
自分の動きに合わせて、セシルもゆすぶられている。
銀色の髪を震わせて、セシルが悶える。
カインの張りついた金糸がセシルに降り注いでいる。
二人の天使を地上に磔にして、堕落させてしまったかのような甘美な光景。
「は、あ、あぁ!」
カインが悲鳴のような声を上げて、気絶する。
セシルもいつの間にか欲望を放っていた。
眠りに落ちるカインの額に張り付いた金糸を愛おしそうに撫で、カインに口づけると、セシルはセオドールを仰ぎ見た。
そして、無邪気な笑みを向けた。

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