★水のクリスタル★

ミシディアは滅ぼさなければならない。私から全てを奪った土地。
私はカイナッツォを通して、セシルに水のクリスタルの強奪を命じた。
セシルの瞳が揺らぐ。

セシルにとって、王は後見人であり、自分のアイデンティティの証人だった。
その王の命令に刃向うことはできない。それは自分自身の存在を否定し、自分の故郷を、帰るべきところを失うのと同意義だった。
セシルはカイナッツォの言葉に従うしかなかった。

俯いたセシルを、カインが後ろから支えるようにして歩き去る。理不尽な命令であっても、カインが隣にいることはセシルを慰めるだろう。
しかし、カインの存在は本当の意味で、セシルの支えにはならない。
セシルの抱く不信感を覆すには足らないのだ。

セシルは強奪したクリスタルを持ち帰ってきた。
クリスタルを確認したら、カイナッツォは王の寝室へ引き上げるよう命令してある。
クリスタルルームで私と二人きりになると、セシルは言った。
セシルは瞳の中に色濃い悲しみを浮かべ、行き場の無い怒りをぶつけようとした。
「ミシディアの民は無抵抗でした!」
セシルは知らないのだ。
我らが父とて、無抵抗だった。
ミシディアを繁栄させた父。あの祈りの塔の設計をしたのも父だ。
ミシディアの民は父の齎した栄光と平和のために毎日祈っている。それなのに父を焼き殺したのだ。
セシルの手が震える。

「あなたは王が何をお考えなのか、おわかりですか」
セシルが私を見据える。その瞳はクリスタルの光を反射させ、きらめいた。
「なぜ・・・王は・・・」
瞳の中に涙がたまる。しかし、その涙は零れ落ちることはなかった。
涙はセシルの自尊心を表すかのように、セシルの瞳の中で輝いた。
この輝きが私を苦しめるのだ。

私は片手を高く上げた。
とたんにセシルの脚から力が抜けおちる。
「あっ・・・何を・・・・」
倒れそうになるセシルを支える。セシルは抵抗する間もなく、私の手の中に落ちた。
セシルの服を脱がせ、早急にセシル自身を梳いた。
「はぁ・・・」
自由にならない体を必死にねじって、私の手から逃れようとする。
セシルの重たく沈んだ心は、なかなか快楽を拾い上げることができなかった。
それでも、袋を揉みしだかれ、先端を親指で小刻みにねぶると、固く勃ち上がってきた。
「ふぅ・・・」
ぬちゃぬちゃと音が立つ。大きく上下に梳き、先端に爪を立てた時、セシルは白濁を迸らせた。
その白濁を後孔に塗り込めて行く。
固く強張っていた蕾は、何度か指を突き入れると、綻び始めた。
先の戦闘で昂ぶっていた神経が、快楽に逃げ場を求め始める。
内部は熱く、私の指をぐねぐねと押しつぶし、快感を引き出そうと蠢く。

十分に慣れてきたところで、私はクリスタルに手を伸ばした。
私の一挙手一投足を、セシルは息をつめて見守る。
後孔にクリスタルを宛がう。セシルがハッと息を飲んだ。
ひんやりとした感触にセシルの脚が震える。
「あ・・・いやっ・・・」
ゆっくりとクリスタルを挿入していく。
「そんな・・・あっ・・・」
ミシディアの誇りとセシルの自尊心を凌辱してやる。
人々の尊い祈りの結晶を体の中に埋め込まれ、悦がり狂うとはどんな心地がするものか。
クリスタルの淡い輝きは、セシルの秘肉を照らした。

小刻みに抜き差しする。
セシルは歯を食いしばって耐えている。
感じる一点に狙いを定め、何度も何度も抜き差しをする。
すると、セシルのナカからはくちゅくちゅと音が立ってきた。
セシル自身からも透明な液体が流れ出し、クリスタルを濡らしている。
「ふぅ・・・んぅ・・・」
自分が強奪した、いわば罪の証明品のようなもので感じることなど許されないと、セシルはクリスタルの床に爪を立てる。

私はセシルの膝の裏に手を入れ、セシルの脚を胸に付くまで押し上げた。
セシルの目からも、自分の臀部が見えるように持ち上げる。
クリスタルの突きささる、自分の蕾を見せられ、セシルは息を飲んだ。
「やぁ・・・」
青い顔をしてセシルが耐える。目を強く瞑った。
私は催眠でその目をこじ開ける。
怯えた目が私とクリスタルとを交互に見つめる。
私は口を歪めて笑い、手首のスナップを使ってセシルを追い詰めた。
「はぁっ・・あっ、あぁ、だめ、こんなのっ、いやぁ・・・」
クリスタルはぬめりを帯びたセシルの胎内をスムーズに上下した。
その輝きがチカチカとセシルの目を焼く。セシルの好いところ掠める度に、セシル自身からは透明な液が飛ぶ。

「も、やめて、いやっ、あぁ、あっ」
セシルは頭を横に大きく振り、快感から逃れようとする。無駄なことを。
抽挿を止めようと、手を伸ばしたが、自分の卑猥な液で手を汚しただけの結果となった。
セシルの手を結合部に導いてやる。
孔は目一杯広がり、クリスタルを飲みこんでいる。
「あっ、あ、はっ、ああぁ!」
悲痛さのこもった、しかし甘い喘ぎを上げ、セシルはとうとう果てた。
セシルの中からずるりとクリスタルを引きぬく。クリスタルはセシルの液体でてらてらと光っていた。
それを見たセシルの瞳からはついに涙が零れ落ちた。

私はセシルの精神が屈服する様子に満足し、セシルの脚を抱え直すと、自身を突き入れた。
もはや抵抗する気力をも失ったセシルは糸が切れた人形のようにガクガクと揺さぶられた。


きっと、セシルは父の末路を語り聞かせても、それを許すだろう。
そして、歩み寄って共存の道を切り開く。民もセシルを通して歴史を知り、それを後世に語り継ぐだろう。
セシルの瞳は未来へ向いている。あの輝きの方へ。

だが、私はもう未来へは行かない。
時間の流れは私の想いを押しつぶすだろう。この土地に流された血を洗い清める。
その証拠にクルーヤという名前を知り得る者はもうこの星にはいない。
しかし、私の憎しみは時代に取り残され、永久に存在し続ける。
だから、他の誰の手でもなく、むろん私の手ですらなく、セシルによって、ミシディアは滅ぼされねばならなかったのだ。

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カイン編と時間軸が合わなくなってきました。

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