★セシル★

ゼムスより与えられた力で、私はセシルを暗黒の中に沈める準備を始めた。
バロン王の前に姿を現し、クルーヤとセシリアの幻を見せた。
すると、王はみるみるうちに精力を失っていった。
あれほどセシルの凌辱に力を入れていたのに、今ではセシルと目が合うことすら恐ろしいらしい。
思った通り、器の小さな男だ。
私はバロン王が狂い死ぬ様子を笑いながら眺めていた。

バロン王の死体を焼き去る。
この汚らわしい玉座には、私の駒を置くことにした。カイナッツォ。

私はセシルを王の寝室へ招いた。
催眠術をかけると、セシルの目は光を失う。
私はセシルの立ち姿を見つめた。
城の中の薄暗闇の中でさえ、輝きを放つ銀糸。
そして、長い睫毛に彩られる瞳。
健やかに伸びた細長い手足。
16歳のセシル。

私はセシルの前に立ち、手を伸ばした。
腕を背中まで回し、抱きしめた。
私の体躯の中にすっぽりと収まるセシル。
王がわざと発育を鈍らせたため、セシルの身長は少し小さかった。
柔らかな肢体。その銀糸の中に顔を埋めた。
セシル。

長年焦がれ続けたセシルをこの手に抱く。
私はセシルの両頬に手を充てた。
きめ細かく、滑らかな頬。そこに息づく瞳。
私は自分でも気付かないうちに、涙を流していた。
頬を伝った涙が、床まで落ちて行く。
もはや、私にそんな資格はないのに。
そのまま顔を寄せ、口付けた。そっと触れるように、唇を啄ばむ。

私は立ったままのセシルを抱き上げ、ベッドまで運んだ。
瞳を開けたまま、セシルはベッドの上に横たわる。
銀糸がふわっとベッドカバーの上に散らばった。
私はセシルの体を撫でた。
美しく成長したセシル。セシルの体の凹凸を確かめるように触れる。
セシルが身じろぎをする。

私は何か、懐かしい感覚を思い起こしていた。
遠い月の大地。
私とセシルに流れる月の民の血が共鳴しているのだ。
催眠術にかかっていてさえ、セシルはそれを感じ取っているのだろう。
血の気を失ったように青白かった肌は赤みを取り戻していた。

セシルの鎖骨に唇を寄せ、指で胸の突起を撫でた。
セシルがピクッと反応する。
こねるように混ぜ、押しつぶすと、うっすらと色づき、芯を持ち始めた。
鎖骨をたどっていた唇を突起に寄せ、舐め上げる。
「あっ・・・」
セシルが夢見心地で声を上げる。
鈴を転がすような美しい音色。

その声で私の名前を呼んではくれないだろうか。
催眠術を解こうとした私はふと我に返った。
私の名前は、何だったろうか。
声の主はゴルベーザと呼んだ。しかし、両親が私に与えた本当の名前は・・・
黒い感情が私を覆っていく。
なぜ、私はセシルを真っすぐに愛することができなかったのだろう。
このような形でしか、セシルの前に姿を現すことができない。
何もかも、もう手遅れなのだ。

脚を広げ、現れた蕾を指で撫でる。
「ふっ・・・んぅ・・・」
ゆっくりと、私の指を迎え入れるように綻んでいく。

私はセシルの脚を抱え上げると、自らの切先をセシルの蕾に宛がった。
セシルの下腹部が小刻みに震えているのがわかる。
ゆっくりと押し入る。
「あぁっ・・・」
セシルが無意識の反応で腰をくねらす。
全て収まり切ると、セシルの頬はばら色に色づき、丸く可憐な額にはうっすらと汗が浮かんだ。
ゆっくりと抜き差しする。
「はぁっ、あっ・・・あぁ・・・」
双丘が痙攣するようにヒク付いた。
私の脈動を感じているのだ。
セシルの内部は吸いつくように私に絡みつく。
セシルの目尻には涙が浮かんでいる。
唇で拭いとった。

感情表現を封じ込めているのにもかかわらず、セシルの瞳には悲しみが浮かんでいるように思えた。
私の心がセシルの瞳の中に現れている。
私は手に暗黒の力をみなぎらせ、セシルの目を閉じた。
もう何も見なくていい。
何も感じなくていい。

私の想い。
それはこの美しい体を永久の闇に閉じ込める。
いつか、この憎しみから解放されたら、月の大地へセシルを連れて行こう。
そして、青き星を眺めながら、共に滅びるのだ。

それが私の欲望。

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ゴルベーザがたぶん、一番セシルを愛しているのではないかと思います。
そして、愛し方が一番異常

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