☆ろくでなしカイセシカイ構想☆

悲惨な恋愛をさせたら、右に出るものはいないと言われています。
誕生日は祝ってもらえるけど、クリスマスやお正月は一緒にいさせてもらえない。
私にとって、愛されていると信じることは、現実を否定すること。
現実と戦うとも言う。
勝てないけどね。敵の姿が見えないから。
サイト見れば一目瞭然ですけど、こういう小説を執念深く200個も書く女の人生が、幸福だと思いますか。
この年になって、しみじみ分かったことがあります。
「私だって、人並みに幸せになりたい」と言って泣いた、バディ子先輩のきもち・・・

とういう、反応に困る前置き。

私の経験から推測しますとね、カインとセシルがいた場合、人を裏切るのはセシルの方なんじゃないかなと思うわけです。
過去に人から傷つけられたり、トラウマがあったりする人は大体、自分が付けられたのと同じ傷を他人に付けて知らん顔するんですよ。(実体験)
知らん顔するならまだしも、ドヤ顔する奴だっているんですよ。俺に付けられた傷だ、うれしいだろ?というかむしろ、お前が望んだ結末だろ?と言わんばかりにね!

セシルはセシルなりに頑張って、暗黒騎士になって出世していきます。
カインが騎士精神と友達想い精神を発揮して、セシルを励まします。
セシルはちょっとよそよそしい態度を取って、君の応援はうれしいよ、僕だって自立していかないといけないことは分かっていると言います。
カインは、気を張るばかりではつぶれてしまう、幼少の時のようにもっと人を・・・俺を頼れ、と兄貴っぽい口を聞きます。
セシルは自嘲的に笑います。
君が羨ましい、光の中を歩いてきた人間だからそんなことが言える、君は闇を理解していないなどの前置き。
そして、ぱっと着ている服を脱ぎます。
バロン王が付けた歯型やらSMプレイで付けられた鞭の跡を見せます。
ハッと息をのむカイン。
「これが僕の生きている世界だよ」
君に理解できる?
大体の男はここで脱落します。
これはメンヘラセシルが仕掛ける第一関門です。
汚れた自分を見せびらかして、今まで自分が体験してきたことを目の前の男は理解できるか、それを乗り越えて自分のところへ来られるか試します。
カインは持ち前の情の深さで、セシルを抱きしめます。
そして、上着を着せます。
「王陛下のやり方は許せない。いつかお前を救ってやる」
などの優しい言葉をかけます。
セシルチェックでは、こういう虐待を受けるのは自分の管理能力が甘いせいもあるんだからな、なぜ毅然とした態度で断らないんだ、と説教してくる男も脱落します。
カインの方でも、「いつか」とぼやかすのを忘れません。
ロマンチック会話に聞こえますが、その「いつか」が永遠に来ないことは二人の暗黙の了解です。
セシルは甘ったるいムードに流されながらも、自分がしていることは、トロイアで見た女乞食が、食べ物をねだる時に、自分の傷を見せびらかしていたな、自分もそれと同じことをしていると、更に自嘲的になります。
戦いで付く傷には慣れているはずなのに、セシルから見せられる性的な傷にはなれていないカインが、ちょっと怯えた顔をするのが気にくわないセシル。
「そう言ってくれることは本当にうれしい。でも、陛下が僕を見張っている。色んな人が僕に力を貸してくれると言っていたけれど、最後の最後に僕を見捨てるんだ(ベイガン)君も、僕のことを裏切るんだろう?」
涙ながらの訴え。もちろんカインは、そんなことないと言います。
この会話は特に意味はありません。
ここで「未来のことは分からないし、そこまでのリスクは負えないよ」という男はいませんから。
そして、最終関門。
「僕を裏切らないって誓えるの?僕だけだって誓って」
ロマンチックムードが最高潮になるように仕掛けます。
会話の中で細かいところとか、重要でないところを話す時、セシルはどっか別のところに目線をやっています。注意力が散漫だからです。
でも、本当に相手の動向をうかがいたいとき、望んだセリフを聞きたい時だけ、バッチリ相手と視線を合わせます。
ちょっと潤んだ、傷ついて不安そうな目で。
散漫な注意力をここで集中させます。集中力があまり長持ちしないので、一点集中式です。
なぜ散漫なのか。
本命の彼女が別にいるので、セカンドがどんな様子をして話を聞いているか、また間を持たせるためのお決まりの会話なんか興味がないんです。

ほぼ全ての相手は「もちろん誓う」と言いますが、言い方で最終関門を通過するかが決定します。
(半笑いで)大げさだなぁもちろん誓うとも、それを君が望むなら!→落第
(これって結婚っていう意味?とちょっと引きながら)誓えると思うよ→落第
(真っ青な顔をして)君はそんなに傷ついていたんだね、もちろん誓うよ、俺の全てを君に捧げるよ→合格
となるわけです。
カインはもちろん合格します。
ここで重要なのは、セシルの方では、カインに何も誓っていないということです。
カインがセシルに何かを誓った、という事実だけ残ります。
会話自体には何も意味がありませんが、何か誓ったという事実が後々大きな効力を発揮するのです。
という感じで、めでたくカップル化したように見えるのですが、夜を明かした次の日に、セシルが帰るのはローザのところです。

イケメンヘラのチャラ男の妻はそのチャラ男を尻に敷いているというのがセオリーなのです。
ローザはセシルに何も誓っていません。何も与えません。セシルが悪いことをすると舌打ちしながら叱りつけます。
セシルはローザに従います。文句一つ言いません。
セシルはカインのことは平気で傷つけますが、ローザだけは傷つけません。
本命だからです。
カインはこれを理解できません。私もできません。
ここまでがろくでなしカイセシ話。

セシカイ話もあります。
暗黒騎士として力を付けていくと、セシルはカインより強くなります。
戦っても勝てるようになったところで、形成が逆転します。
カインはプライドが高いので、初めのうちは反抗しますが、力では勝てないので屈服します。
無敗のヒーローがプライドをへし折られるということに快楽を感じたりします。
でもね、本当にプライドをへし折られたら、快楽なんか感じられたもんじゃない、ということに後々気づくことになります。
自分と色々しているくせに、セシルの本命はローザ、ということに気が付きます。
思い返してみると、セシルの自分への態度は随分と乱暴だった。
言葉はいつもカインを試すものばかり。抱き方も性急で乱暴。
忠告は聞かない。貸した金は返さない。
問い詰めると、傷ついた顔をしてこちらを見つめる。
でも絶対に謝らない。
切り札「僕に誓ったのに」が発動するわけです。

彼氏になる気はないけど、ものすごく束縛する。こちらはカインを愛してるわけじゃないけど、カインの中の「特別」ではいたいんだよねー。
詳しくはジャンヌダルクのロマンスを聞いてください。

鬱憤がたまりにたまって、カインはゴルベーザのところへ走ります。
こんなに辛いなら、愛なんか信じない!
もともと存在しないものを、どうして信じる気になってたんでしょうね。
本物よりも、贋物のほうが光を放って見える時ってありますよね。
そうあるべき姿を模して造られたものは、本物よりもリアリティがある。(自論)
と思いつつも、交わした会話の本筋は嘘だったけれども、あの会話のあの部分だけは本当だったんじゃないかと検分しちゃうカインです。
人はそれを時間の無駄と言います。
脳科学的には、人って振られるとムキになって相手を追いかけようとするらしいです。
振られた現実に適応するメカニズムとして、傷ついた痛みを避けるためにもう一度恋人の気持ちを自分に向かせようとする。

そして、再び対峙するカインとセシル。
セシルから見ると、「僕に誓っておきながら、やっぱり僕を裏切るんだ。嘘ツキ!」ですよ。
逆切れです。
自分を非難する目と、この世の終わりみたいな絶望的な目を向けられて、裏切ったのは自分の方なんじゃないかと決意が鈍るカイン。
ひるんだカインを見て、セシルはカインはまだ自分を愛していると確信します。
確信さえできればそれでOK。
戦ってカインを組みふせて「僕の気を引くために裏切ったつもりでいるの?」などと余裕の表情をします。
カインの選択できるルート
「お前が俺を裏切ったんだ!お前が一番愛してるのはローザだ」→ゲームオーバー
「お前の方でも俺だけだと誓えるのなら、この場を収める」→ゲームオーバー
無言→「君には僕しかいないものね」18禁スチル→あやふやな関係の継続
この究極の修羅場にあっても、セシルは絶対に謝りません。悪いと思っていないからです。
言葉に窮することがあると、暴力か性暴力で時間稼ぎします。
相手が納得しない場合、それで終了。相手が自分が悪かったと言う場合、関係の継続。
相手が自分の非を認めたら、今までの修羅場が嘘かのように優しくなります。痛かったでしょう?こんなことをする気はなかった。どうかしてた。

セシルの方でも、気持ちに変化が起こります。
従順だと思っていたカインが裏切った。その裏側にはゴルベーザという別の男がいるらしい。
嫉妬に燃えあがって、カインのことを強く求めます。
そして、カインが自分のものだってゴルベーザに知らしめるために半殺しの状態で返品します。
なぜ返品か。
ゴルベーザをけん制し、カインに自分を深く刻み込む、という意味もありますが、本音は。
休日は本命と過ごさないといけないので、セカンドに始終連絡されると時間の切り盛りができないからです。
ローザと箱根温泉旅行などを楽しみながら、カインってあの男とヤったのかな。
だとしたら市場価値が下がるな。中古品ならいらないや・・・
と思います。

もうカインはどうでもいいや、と思って、別の相手を探そうかなと思っている時に、カインにチャンスが訪れます。
ローザと離ればなれになるイベントが発生し、セシル一人旅になります。
孤独を噛み締めます。
だれかにそばにいて欲しい。
というタイミングでカインに再び会います。
「もう僕のことなんかどうでもいいって思っているんでしょ?」
と自分がさっきまで思っていたことを口に出します。
「僕にはカインしかいないのに」(この場では)
でカイン陥落。
抱き合いながら、セシルは、もしもこの場でゴルベーザがサンダガとか放って一撃死させてくれれば、永遠にカインを愛せるかもしれないなぁーとぼんやり思います。
そんなことはないという前提で。
そんなことがあったとしても、まぁいっか。少なくとも一人ぼっちではない、という考え。

カインの方では、どうしていつもこういう流れになってしまうのだろうか、という自己嫌悪に押しつぶされそうになりながらも、
情けなくてもいいから傍に居たい。今全てをなくしても、セシルが欲しい
※詳しくはジャンヌダルクのヴァンパイアを聞いてください。
と思います。
こうなったら泥沼にはまるだけですよ。
もう終わりなんかないの。

カインは、セシルに本命がほかにいると気がついた時に、全力で逃げるしかなかったんです。
でもね、或る日突然泥沼が終わることがあるんです。
セシルがカインを既読スルーした時。
未読削除というルートもある。連絡取れない強制消滅です。

カインの恋愛におけるソルベンシーマージン比率は100%以下ですね。
業務停止命令が発令されているにも関わらず、引きうけ不可物件を計上してしまうのです。
セシルとの契約は、重大告知義務違反により解除されます。
しかし、よくよく見てみると、カインの方ではセシルに何も確認とってないし、問いただすようなこともしなかった。欠点に目をつむったと言ってもいい。そして、自分からハイ、誓いますと言ってセシルを受け入れた。
契約者の故意は免責ですから、どっちみちダメですね。


なんか、文字書いてたら、正気に戻ってきました。
こんな私ですが、親友に裏切られたことはまだありません。
親友がいないからです。(アーメン)

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