★Step into fascination★

カインはセシルの寝室に忍び込むように身を滑らせた。
例え、物音を立てたとしても、今のセシルがそれに気づくはずもない。
しかし、カインは足音すら立てず、静かにドアを後ろ手に閉めた。

ベッドの中に横たわるセシル。
謎の少女によって、抜け殻にされてしまった。
カインはセシルの姿をまじまじと見つめた。
十数年ぶりにセシルの姿を見る。
記憶にあるのと変わらない美しい面ざし。しかし、その目元には加齢による衰えの兆しが見られた。長い年月が経ったことを思い知らされるようだ。
無防備なセシル。
この男の存在によって、自分は故郷を離れることとなった。
過ぎ去った青春の日々を思い起こすと、いつもセシルの功績に影を落とされた自分の姿を認めた。
今、彼は国王陛下だ。
カインは歯を食いしばった。
―意識はここにないのに、睡眠は必要なようだー
眠っているセシルを憎々しげに見つめる。

カインはおもむろにセシルのベッドに乗ると、セシルの着ているローブを引きちぎった。
布の裂ける耳障りな音が鋭く響く。
その音で、セシルが目を覚ました。焦点の会わない目で、虚空を見つめている。
カインは方頬を歪めるようにして笑った。
セシルの肌が露わになる。夜の冷気に鳥肌が立っている。
人形同然なのに、寒さは感じているのか、セシルの反応の一つ一つがカインの気に障った。

服を脱がせてしまうと、セシルの膝裏に手を差し込み、秘部を晒し出す。
屈辱的な格好を取らされているにも関わらず、セシルはカインを見ようともせず、横を向いたきりだった。
大理石の彫刻の様な横顔が微動だにせず、横たわっている。

カインは馴らすこともせず、セシルを貫いた。
自身を無理矢理押し込んでいく。
意識はないと言え、異物を挿れられ、セシルの後孔は抵抗を見せた。
神経が悲鳴を上げるように、セシルの腿は痙攣した。カインもその抵抗によって痛みを感じていた。
セシルの脚を抱え上げ、さらに突き込んで行くと、後孔からは血が流れ出した。
全て収まり切ると、カインは息を整えようと、セシルの上に倒れ込んだ。
昔のように、またセシルと一つになった。
セシルの内部の温かさを噛みしめる。

ゆるゆると腰を使いだす。
セシルの秘部からはくちゅくちゅと音が立っている。セシルが流した血が潤滑油となる。
小刻みに刺激をしていくと、セシル自身も勃ち上がり始めた。
体は感じているようだ、カインは思った。
記憶に残っている、セシルの感じる場所を突く。
揺さぶられる度に、セシルの銀糸はベッドの上に散らばった。
月明かりに照らされて、銀色に輝いている。
その美しい髪がこんなにもなおざりに扱われている。カインは途轍もなく残酷なことを強いているように思えて、暗い満足を覚えた。

「はぁ・・・ふっ・・・」
何度も抜き差しをしていると、セシルの呼吸は乱れてきた。
表情が乱れることはなかったが、確かにセシルは感じている。
乳首も親指で撫で転がしてやる。すると、芯を持ち始め、堅く勃ち上がった。
セシルの胎内も、カインの自身に甘えるように絡みついてきた。
「ふぅ・・・は・・・」
カインは大きく腰を使った。
「・・・あっ・・・」
とうとうセシルが声を上げた。
かすかだが、感じ入った声。
それを聞いた時、カインの熱は弾けた。
セシルも同時に達した。

セシルの上に倒れ込み、カインは荒い息を弾ませた。
セシルの頬もわずかに上気しているようだ。
乱された髪。自らの精液を胸に飛び散らせ、セシルは散々な状態だった。
自分を拒絶するかのように、うつろな視線を虚空に向けた切り動かないセシル。
カインはセシルの首に手を掛けた。
セシルの首を締めあげる。

突き入れたままの自身が、セシルの胎内で締め付けられた。
―このまま力を込めれば、セシルの首を折ることも可能だ。―
カインは思った。
自分から全てを奪った男。
そう思うとセシルが憎かった。
カインの手は震える。首を絞めるその手首に水滴が滴った。
カインは自分が泣いていることに気付いた。

「なぜ抵抗しない!なぜ、黙って殺される!なぜ、俺を見ない!」

自分の目の前に無様に横たわるセシル。
カインはセシルに憧れる心を抑えることができなかった。
セシルがこんな姿になっていてさえも、セシルに到達できない自分を認めざるを得なかった。
セシルの輝き。その頬笑み。
それがカインの全てだった。
涙が、セシルの頬を伝わって、流れて行く。

「俺を見ろ!俺は戻ってきた!」
カインはセシルの頬を両手で包み、顔を自分の方へ向けた。
セシルの光の無い瞳がカインを映す。
「俺はお前のところまで辿り着けたか。なんとか言ってくれ」
セシルに縋りつく。月明かりがセシルの瞳を輝かせた。セシルの瞳の中で、カインは自分と目があった。
追い詰められた自分の顔があまりにも滑稽で、無様に見えた。
こんなことをしても、何の意味もない。
大きな虚脱感がカインを襲った。

カインはセシルの背中に手を回し、その体を抱きしめた。
子供をあやすように、壊れてしまった大切な宝物を慈しむように。

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