★SEX,BLOOD,ROCKN'ROLL★

カインは、バロン王に午餐へ招かれていた。珍しいことだった。
豪勢な食事を共にしていると、王はとんでもないことを言い出した。

「お前は、以前、私が真夜中にセシルの部屋を訪れるのを見たことがあるな」
何を言い出すのかと思って、カインはひやひやしていた。
カインが9歳のころ、真夜中に宿舎を抜け出し、バロン城を探検して回っていた時、セシルの住まう塔で、バロン王とセシルが秘密の会合をしていたところを目撃してしまったのだ。
それ以来、何度かその宴を覗き見していた。

「そして、部屋の中で、セシルと何をしていたかも知っているな。いつも涼しい顔をしている貴殿に覗き趣味があったとはな。私が気付いていないと思っているだろうが、私も元は騎士なのでな。残念ながら、お前の気配には気づいていたのだ」
カインは、たじろぐ。
「何、そんなに驚いた顔をするな。別にそれを咎めようと思って、ここへ呼んだわけではない。私にはわかっているのだよ。カイン。お前も、セシルに、私がしたのと同じことをしたいと思っていることを」
「わ、私はそんなこと!セシルはよき友人です。決して、そのようなことは・・・!」
「心を偽らなくともよい。お前によい機会を与えてやろうと思ってな。来なさい」
バロン王はカインを自室へ招き入れた。

重厚な扉を開くと、緋色のベルベットの天蓋がついた豪華なベッドの中には、一糸纏わない姿のセシルが眠っていた。
バロン王はベッドヘッドまで歩みより、セシルのむき出しの肩に手をかけた。
「セシル、起きなさい」
セシルが身じろぎをして、起き上がる。
目の焦点は定まっておらず、半身を起すと、あたりをゆっくりと見回した。

「カイン、今日だけはこれを自由にさせてやる」
そういうと、バロン王はセシルの耳元で何かを囁いた。
すると、セシルの瞳に光が宿った。
「陛下」
柔らかく頬笑み、とろんとした目で、セシルはカインに駆け寄る。
「積年の望みを果たすが良い」
バロン王は卑猥な笑みを浮かべて、ドアの外へ出て行った。



「陛下、お待ちしていました」
セシルがカインにしなだれかかる。
催眠術にでもかかったように、カインのことをバロン王と思い込んでいるらしい。
「セ、シル。何をしている・・・」
カインは動揺し、どのように対応しようか決めかねていると、セシルはカインの首筋に顔を埋めた。
甘えるような仕草。セシルは明らかに尋常ではなかったが、それゆえ、何をしても、おそらく記憶に残りすらしないのだろうと確信が持てた。
カインはセシルのあごに手をかけると、かみつくように唇を合わせた。
セシルの口を開かせ、自らの舌を差し込む。
「んぅ・・・はぁん・・・んっ・・・」
セシルは夢見心地の表情を浮かべ、カインの舌に応える。
「あぁ、セシル・・・セシル・・・」
何度も角度を変え、むさぼっていると、セシルは苦しげな表情を浮かべ
「もう立っていられません」と泣き出した。
カインはセシルを抱き上げ、ベッドへおろすと、セシルの鎖骨へ舌を這わせる。
胸の突起をなめ上げると、セシルが悲鳴のような声を上げた。
もう片方も指でこねくり回す。
「あっ・・・んんっ・・・ああ・・うぁ・・・あっ・ひぃん・・」
セシルの口からは鮮やかな嬌声が上がり、薄い桜色だった乳首は赤く色づき、芯を持ち始めた。
カインはセシルの下肢を探った。
堅く立ち上がったセシルのものを2,3回すきあげ、手を更に後ろへ回した。
蕾に到達すると、セシルの肩が小さく跳ねた。カインの指に吸いつくような動きを見せている。
中指をくぐらせてみると、そこは既にねっとりとぬかるんでいた。
―さては、王陛下、セシルに何か塗ったな―
バロン王は何を企んでいるのか、一瞬考えを巡らせたが、セシルの喘ぎ声にかき消されてしまった。
2本の指で掻き回すと、セシルがたまらず声を上げた。
「ああぁ!はぁんっ・んんっ・・あん・・きもちいい・・はぁ・・んんぅ・・・あぁ」
セシルの目から涙がこぼれる。カインは唇と舌でぬぐってやった。
「あぁ、陛下・・・もう我慢できません・・・」
そういうと、セシルはひざの裏に手を差し込み、自ら脚を開いた。
「陛下、下さい」
桃色に上気した頬。うるんだ瞳に見つめられ、カインの理性は粉々に崩れ去った。
セシルの太ももに手をかけると、猛った自身を一気に挿入した。
「あああぁっイイっ!!あっ・・・ああ!」
ぬるついた熱い内壁がカインを包む。
息をつく暇も与えず、激しく抜き差しする。
ガクガク揺さぶられながら、セシルのつま先はピンと伸び、脚が震えだす。
「ぅぁあ・・ああ!・・あっ、も、だめ!あ、い・・いやぁっ・・あぁ」
セシルが欲望を吐き出す。セシルのなかが搾り取るような動きをし、カインは低くうめいた。
しかし痙攣するセシルを押さえつけて、さらに攻め立てる。
「いやああぁ・・・もういやぁ・・・ああっ・・ああ!もう許してぇ・・・」
泣きじゃくるセシル。いつも宗教画の天使のように穏やかで神聖な顔をしているセシルが、怪しげな薬を塗り込められた蕾に自身を加えこみ、顔を歪めて悶えている姿に興奮し、カインはとうとうセシルの中に欲望を放った。
「熱いぃ・・・・」
セシルは最奥に叩きつけられた熱い精液に震え、のどを反らせて悶え、一瞬気絶した。
カインは、自身をセシルに埋め込んだまま、荒い息をついていたが、セシルが目を覚まし、長い睫毛を震わせながら、こちらを見上げてくると、また勢いを取り戻した。
セシルの右足を肩に担ぎあげて、再び律動を始めた。
「深いっ・・・うぁ・・・ああっ・やぁ・・」
過ぎた快楽に、セシルは無意識に腰をずり上げ、カインから逃れようとする。しかし、逃げようとした分以上に、カインに深く攻め立てられる。
カインがセシルの悦いところを擦り上げる旅に、セシルの花芯からは白い液体が飛ぶ。
「あぁっあっ・・んっ・・あはぁ・・あっ・・」
薬と先ほどの精液が混ざり合い、ぐちゅぐちゅと激しい水音が響き渡る。
蕾からは泡立った液体がこぼれ、バロン王のシーツをしとどに濡らした。
あまりにも卑猥な光景に目がくらみそうになるカイン。

カインはセシルを神聖視していたところがあった。
セシルを守るために、剣を学び、功績を与えられ、名誉ある地位にたどり着いたなら、セシルの後見人になろうと決めていたのだ。
しかし、心の奥底では、セシルの淫らな姿を見てみたいと願っていた。
決して叶えてはならなかった望み。自分の身勝手で、薄汚い欲望でセシルを汚してはいけないと思っていた。
しかし、その想いを抑え込み、隠そうとするごとに、欲望は体の奥底に膨らんでいったのだ。
何年にも及ぶ葛藤から、今夜解き放たれた。
そして、それは、セシルも望んでのことだったのだ。セシルが自分をカインと認識しているとは思わなかったが、欲望に堕ちているのは紛れもない事実だ。
カインが2度目の絶頂を迎えると、セシルの意識は今度こそ、深淵へと沈んだ。


「昨夜は、よっぽど楽しんだようだな」
翌朝になってから、カインはバロン王の寝室から出た。自室へ戻ろうとする道すがら、バロン王とすれ違った。
バロン王は、カインのやつれた顔を見るなり、喜びを隠しもせず、立ち去った。
カインの心の中に、汚れた黒い種を植え付けられたことに満足したのだ。

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