★私の言うことが聞けないの?★

「カイン・・・相談したいことがあるんだけど・・・」
「どうした?」
疲れた顔をしたセシルがカインに相談を持ちかける。
国王となり、多忙を極めるセシルをカインは常に心配している。
「ローザのことなんだ・・・」
「そうか」
バロンの政治に関して、何か重大なことが起きたかと思ったカインは少し気が抜けた。
「お前も夫婦の関係に悩むことがあるんだな」
青年時代、淡い恋心を抱いたローザ。
しかし、随分前に心の整理を終えて、冷静に悩みに乗れるだけの余裕をカインは持っている。
「うん。その・・・何と言ったらいいか・・・」
「喧嘩でもしたのか?」
「そうじゃなくて・・・」
「気になることがあるのか?」
「実は・・・夜の・・・営み?のことなんだ・・・」
「・・・」
いくらセシルとは昔からの付き合いとはいえ、そのような話題に立ちいることは避けたかった。
「それを・・・俺に相談するのか・・・」
盛大なため息をついてカインは言った。
「だって、カインにしか言えないじゃないか」
目の下に隈を作っているセシル。体はかなり疲れきっているらしい。
まさか、ローザが絶倫すぎるのか、とカインは想像をたくましくする。
「・・・言ってみろ」
「それがね・・・」
セシルは話を始めた。

★☆★☆

セシルはローザに優しく口づけ(触れるだけで舌は入れない)、そっと灯りを消し、控えめな感じに服を脱がせようとした。
しかし、ローザはセシルの手を制止した。
ローザを傷つけてしまったのかとセシルは焦り謝ろうとした。
すると、ローザはおもむろにこんなことを言った。

「セシル、今日はこれを使ってみていいかしら?」
ローザは、ドレッサーから箱を取り出す。
可愛らしいピンク色の箱から取り出された物に、セシルは目を見張った。
「ローザ・・・その・・・」
「うふふ、素敵でしょ?」
ローザの手には、禍々しいほどのディルドが握られていた。
「僕、君を満足させられてなかったのかな・・・」
「いいえ、そうじゃないわ。セシル」
そう言って、ローザはセシルをベッドに押し倒し、セシルに乗り上げる。
「これはね、こうやって使うのよ」
更に箱からベルトを取り出し、自分の腰に巻きつける。
「・・・え?」
最後にディルドを自身の金色の茂みの前に装着した。
「可愛がってあげるわ」
セシルの腿を撫でながら、ローザが言う。

「もしかして・・・それを・・・僕に・・・?」
「そうよ。オーダーメイドで作らせたの」
「どうして・・・」
「だって、あなたはカインとこういう関係だったじゃない」
「それは・・・昔のことだし、軍隊ではよくあることだったんだよ」
「私の知らないあなたを、カインが知っていることが許せないのよ」
「そんなことっ」
「カインとは随分仲が良かったでしょう?関係だって一度や二度ではなかったはずよ」
「・・・」
図星を突かれて、セシルが言葉を飲み込む。
「カインとするの、気持ち良かった?」
「それは・・・」
セシルが顔を赤らめる。こんなことをローザの前で言うのか・・・
「あら、カインは下手だったのね。可哀そうに」
「・・・カインの名誉のために言うけど、カインは上手だったよ・・・」
「ふ〜ん?」
ローザの目が怒りに燃えている。
「確かに、僕は・・・その・・・経験はあるし、その時は気持ち良かった・・・けど
 でも、カインのは、そんなに太くなかった・・・というか・・・サイズが・・・その」
ローザの股間に取り付けられたソレのあまりの立派さに、セシルは目を泳がせていた。
「まぁ、怖いのね。大丈夫よ。私の胸に縋りついてもいいのよ」
そう言って豊満な胸をのけぞらせた。

★☆★☆

「おい・・・そういう話をする時に、俺の名前を出すんじゃない」
「ごめん。その時は仕方なかった、というか。言い訳ができなかったとういうか」
「それで、お前はローザの言うことを聞いたのか?」
「うん・・・・」
「・・・」

★☆★☆
「さあ、物は試しよ」
ローザはピンクの箱からローションを取り出すと、手のひらに注いだ。
「ローザ、本気か」
悪あがきをしようとするセシル。
「セシル・・・私の言うことが聞けないの?」
女王様の命令を受け、セシルは黙る。
「良い子ね」
チュッとセシルの頬に口づけると、手のひらで温めたローションをいきなり後孔に垂らす。
「ヒッ」
ぬるっとした感触、その後に、ローザの細い指が入ってくる。
「緊張しているの?」
セシルのそこの狭さにローザはふふっと笑みを漏らす。
「処女に戻ったのかしら、可愛いわ」
ゆっくりとナカを掻き回し、もう片方の手で腿とセシル自身を愛撫する。
セシルはローザがセオドアのおむつを取り替えるところを思い出していた。
その仕草は母親のようにも見えるし、淫靡な娼婦のようにも見える。
「ふっ・・・うっ・・・」
異物感に耐えるようにセシルは息を吐いた。
丹念な愛撫。
「ん・・・ふ・・・」
「可愛い・・・声を抑えちゃダメよ」
「・・・あっ・・」
セシルの内部がピクリと跳ねる。
ローザはニヤリと笑うと、そこに指を押し当て、円を描くように撫でる。
「あぅ・・・ん・・・んあ・・・」
自分の中に閉じこもり、快楽をやり過ごそうとするセシルをいぶり出すような執拗さ。
「本当にあるのね。前立腺。医学書に書いてあったわ」
「あん・・・んぅ・・・」
口元に手を持って行こうとするセシルを巧みに阻みながらローザが言う。
「ここを擦られると、女の子になっちゃうのよね・・・?」
「んぅッ、や、ローザッ、あぁ」
ゆっくりと円を描いていた指先が急に小刻みに震えだす。
「あっ、お願い、やめてッ、あん、もうっ」
内部のしこりを二本の指で挟みこみ、激しく揉みしだく。
クチクチと水音が響く。
「やだッ、これ以上は・・・や、あ、あ、あぁ」
腰を仰け反らせてセシルが達する。
「あ・・・あ・・・」
ビクビクと痙攣しながら、セシルが喘ぐ。
口の端から唾液が零れる。
「素敵だわ・・・セシル。カインに、こんな顔を見せていたなんて、妬けるわ」
絶頂の名残にひくつく後孔から指を引き抜く。
「暗くて、よく見えないわ」
そういうと、ローザは先刻セシルが消した灯りを再び点ける。
少し暗いランプに照らし出されたセシルは快楽に蕩け切った顔をしている。
汗ばんだ肌、自らの腹を濡らす白濁、乱れた髪。
いずれもローザが今まで見たことのないセシルだ。

「こんどはあなたが私に奉仕する番よ」
息も絶え絶えのセシルを起こし、ローザが命ずる。
「舐めて頂戴?」
そのグロテスクな屹立を撫でながら、ローザが言う。
「そんな・・・」
もうほとんど残されていない男の矜持がセシルを苛む。
「カインのを舐めるように、やってみせなさい」
「ローザ・・・」
目に涙を浮かべるセシルにローザは微笑みかける。
「可愛い子。まだ怖いのね。
あなたが舐めてくれないっていうなら、私がここを舐めるわよ」
そう言って、蕾に指を差し入れられる。
強引に足を開かされそうになり、セシルは慌ててローザに従った。

ベッドに四つん這いになり、ローザの股間に蹲る。
ディルドを手に取ると、舌を這わせる。
セシルが口を開き、おずおずと舌を伸ばす様子にローザは酷く感じていた。
舌が器用に動き回る。
自分にもペニスがあったら良かったのに、どうにかならないかしら、とローザは本気で考えていた。
セシルの方でも、この背徳感、そして、この後これをねじこまれるのだと思うと、腰に痺れが来てしまう。
少し眉を寄せ、太いものを頬張るセシルをローザは満足げに見つめていた。
苦しそうに、唇を濡らしながらも、ジュッジュボ・・と卑猥な音を立ててしゃぶっている。

「そろそろ、ご褒美をあげようかしら」
とろんとした目でセシルが見上げる。
ディルドはセシルの唾液で濡れそぼっている。
「足を開いて・・・?」
セシルはこくりと頷くと、ベッドに仰向けになり、足を開く。
目の前に差し出された蕾は蕩けきっている。
ローションが零れ続ける様は、自ら愛液を垂らしているようだ。
「・・・ん・・・あぁ」
ローザがディルドを押し当てる。
「あ・・・苦し・・・」
セシルに口づけし、あやすようにしながらも、強引にねじこんでいく。
「ふぅ・・・」
ゆっくりと埋め込まれる。
ローザからはセシルの下の口が大きく開き、ナカの赤い肉がうごめいている様子が見える。
「んぅ・・・太い・・・」
震える手を膝裏に差し込み、自ら脚を開き、挿入に耐える。
「あぁ・・・」
「全部入ったわね。偉いわ」
「待って・・・ローザ・・・ハァハァ・・・まだ動かないで」
セシルがローザの細い腕に縋りつくように言う。
「こんなに・・・深いの・・・ぼく・・・」
見たこともない様な大きさのディルドを胎内深くに収められ、セシルが懇願する。
「あぁッ・・・」
ローザが腰を擦りつけるように、ナカのディルドを小刻みに揺らす。
「ふぅッ、んぅ・・・」
内臓を揺さぶられるような衝撃。
本気で怯えるセシルのために、ローザは震えが収まるのを待ってやる。

いつもは自分を守ろうとするセシルが、腕の中で震える様はローザの官能を大いに刺激する。
次第に、セシルの呼吸が整ってきた。
目元に赤みがさし、快楽を受け入れる準備が出来ているようだ。
ローザはそっと腰を引き、また押し込む。
「んっ・・・あ・・・」
ナカが喰い絞るようにディルドを深く飲みこむ。
「あんッ、あ、・・・はあん・・・んッ・・・あ」
ローザが腰を使う。あからさまな動き。
ぐちゅぐちゅと音を立てて、太いものが出入りする。
「ひぅッ、あぁ、あっ、あん、うぅ・・イッ、あ、あ」
ディルドの凹凸がセシルの善い所を容赦なく擦りあげる。
「やっ、ロ・・・ザ・・・あ、ぼく、も、、イ、く・・・」
ローザの力強い腰遣いに、体を揺さぶられる。
セシルは髪を乱しながら、顎を仰け反らせた。
「あ、あぁ」
悲鳴のような嬌声を上げ、セシルが達した。
ディルド越しにセシルの胎内がきゅんと締まるのを感じる。

ベッドに沈みこむセシル。
「あ・・・あ・・・も、ぬいて・・・」
腿がビクビクと跳ねている。
「あなたが離さないのよ」
腰を引こうにも、セシルのナカがディルドを締め付けている。
「・・・ッ、あ・・・あぁッ・・」
抜き去る素振りを見せつつ、もう一度突き入れると、セシルはビクンと仰け反る。
一瞬、気絶してしまったセシルを流石に哀れに思い、ローザはセシルを解放してやった。
熱い快楽はなかなか引かず、セシルはローザの腕の中でいつまでも悶えていた。

★☆★☆

「っていうことがあったんだ」
「・・・」
この話を聞かされて、どういう顔をして良いのかわからない。
相談とは言え、アドバイスのようなものも浮かばない。
「僕・・・なんだか大事なものを失ってしまったよ・・・」
「・・・」
「カイン・・・ぼく、どうしたらいい・・・?」
「・・・」
涙をためた目で訴えられても、どうすることもできない。
「本当にイヤだったら、イヤだと言えばいいだろ」
「・・・カインはローザにイヤだって言えるの?」
「・・・」
カインはローザの顔を思い浮かべた。
人間はここまで冷たくなれるのかという威圧的な顔の前に、命令違反ができるだろうか。
「すまん、俺にはどうすることもできない」
「・・・やっぱり」
ぼく、我慢するしかないのかな・・・というセシルが不憫に思えてきた。
「ローザはカインに対してとても怒っていたよ。同じことをカインにもやってやろうかしらって言ってた」
「・・・何・・・?」

「セシル、どこへ行ったの?」
ローザの呼ぶ声が聞こえる。セシルはビクッと体を震わせ、声の方を向いた。

「それじゃ、カイン。何かされたら教えてね」
不吉なことを言い、セシルは去って行った。

取り残されたカインは、ローザに犯されるセシルを見てみたいと思う反面、その怒りの矛先が自分に向くのをなんとか避けなくてはと気を引き締めた。


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