★ムーンサイド・ナイト★

もうすぐ月に影が落ちる。
バロンでは、数十年に一度の皆既月食が起こる今日、その様子を見ようと全ての国民が待ち構えていた。
城の中で、セシルもカインと一緒にバルコニーへ出て、月食が起こるのを待っていた。

月が欠け始める。
「あ、カイン!月が・・・!」
夜空に輝いている月に黒色の影が落ちる。
影が月を全て覆い尽くすと、一瞬、バロンの街中が暗闇に包まれた。
すぐに月の光は姿を現し、空に輝いた。ダイヤモンドリングと言われる現象。
真っ暗な闇の中に差す眩い光を見ると、セシルは一瞬、立ちくらみを引き起こした。
「大丈夫か、セシル。・・・セシル?」
カインが心配そうに声をかける。

気がついた時、セシルは見たこともない城の中に佇んでいた。
自分は今まで、バロン城でカインと一緒に月食を見ていたはず・・・
ぼんやりとした頭を回転させながら、セシルは辺りを見回した。
星空の広がる空。ガラス張りになった広い室内。
外の世界は、荒涼とした渓谷が広がっていた。
灰色の谷が延々と続いている。その谷にはキラキラと光るものがうごめいていた。
アメーバのような体を光らせているもの。
・・・モンスター?セシルは目を細めて観察した。

セシルはただっぴろい部屋を横切り、廊下に出て見た。
クリスタルルームのように、輝く水晶の床。
廊下にセシルの靴音が響く。
廊下の最も奥にある部屋に辿り着き、少し恐々と中へ入ってみる。
すると、薄暗い部屋の闇に溶け込むかのように、一人の男が佇んでいた。
「・・・あの・・・」
セシルが声をかける。
すると、男はセシルの方へ歩み寄ってきた。
「・・・あなたは・・・」
男の全貌が明らかになる。自分と同じ銀色の髪。すみれ色の瞳。
そして、自分とは異なった浅黒い肌。
その男の瞳を覗きこもうと思った時、セシルは再び立ちくらみに襲われた。
倒れそうになるセシルを男は抱きとめる。
腕を掴む男の体温を感じると、セシルはなぜか安心したような、心地良さを感じた。
―初めて会ったはずなのに、懐かしい―
その心地良さに、セシルは男の腕の中へしばしの間凭れかかってしまった。
このまま眠ってしまいたい、そう思っていた時、男が身じろぎをした。
「あ、すみませ・・・ン!」
無遠慮な自分を恥じて、離れようとしたセシルを、男は再び引き寄せ、その唇に口づけた。
突然の接吻。
舌が差しこまれてくる。
なぜ?とは思うものの、セシルは素直に受け入れた。
絡み合う舌。自分の首を支えるように男が手を回す。
指先の熱。
セシルはすっかり夢中になってしまった。

男はセシルを床に組み伏せ、ローブの中に手を這わせる。
―いけない、こんなつもりじゃ・・・―
セシルは抵抗しようとしたが、男の瞳に見つめられると、なぜかできなかった。
男の指がセシルの胸の突起に触れる。
「あっ・・・」
こねるように撫でられると、セシルは声を上げた。
男の指がセシルの感覚と研ぎ澄ませていく。
「んっ・・・あぁ・・・」
突起は硬くしこり、色づいていく。
「あぁ、もうっ・・・」
セシルの瞳から涙が零れ落ちる。そこをつままれるとたまらなかった。
いつもなら、ここでこんなに感じないのに。
女の子のように胸で感じてしまう自分が恥ずかしかった。
乳首を弄る男の手を、セシルは震える手で制止にかかる。
男はそこをつまんでいる指先に力を入れると、捩じった。
「いや、ああぁ!」
尖ったそこを責められ、セシルは背を反らして達してしまった。
瞳からまた一筋涙がこぼれた。
頬を上気させて息を弾ませるセシルを休ませることなく、男は手を下に移動させた。
既に濡れそぼったセシル自身を軽く撫でる。
イッたばかりで震えるそこを弄ばれ、セシルの腰はぴくりと跳ねる。
セシルの放った液が、くちゅりと音を立てる。
聞くまいとしてセシルは首を振った。
その可愛らしい羞恥心をものともせず、男の指は後孔を探り始めた。
入り口をさするように撫でられると、蕾はその指を歓迎するかのように綻び、吸いつく。
ひくひくと口づけるように己の指に吸いついてくる蕾を見て、男は笑みを浮かべた。
中指を入れると、震える蕾はキュッと指を締め付けた。
「んぅ・・・」
内壁が喜んでいるかのようにざわめいている。
その指に探られると、男のために道を開くように、セシルの内部は蠢いた。
「は、あ・・・・ん・・・」
2本の指で広げられる。見知らぬ男に体の中をかき混ぜられ、セシルは混乱していたが、なぜか嫌だとは思わなかった。
蕾が甘えるように男の指に絡みつく。
綻び、次に来る衝撃を待ち構えるようにひくつく蕾に満足すると、男は指を引き抜いた。
そして己を宛がう。
熱いものを押し当てられ、セシルは少し身を固くした。
心は拒む。しかし、体は早く欲しいとうずいていた。
切先がめり込む。
「あぁ・・・はっ・・・」
大きなその質量に、セシルは息を吐きながら耐える。
苦しいのに、気持ちいい。
湧きあがってくる快楽が恐ろしくなり、セシルは両手を後孔に持っていった。
「あん・・・あぁ・・」
自分のそこが、貪欲に呑みこもうと蠢いている。
セシルの手は自分の震えと、男の逞しい脈動を確認した。
あぁ、こんなものが・・・
自分が咥えこんでいるものの大きさを感じてしまい、セシルは更に中を締め付けた。
全て収めると、セシルは安心したように一瞬力を抜いた。
その緩みを見逃さない男は、腰を引き、また一気に貫いた。
「あ、あぁぁ!や、待って、あぁ」
脚を抱え込み、床に縫い付けられるようにして抜き差しされる。
「いやっ、あぁ、あ、はぁん」
セシルは髪を振り乱しながら喘ぐ。
クリスタルの床には、セシルの涙が散った。
「ふぅっ、んぅ・・あぁ、あ、はぁ」
セシルの内壁はそれに絡み付き、更に奥へ誘い込むようにぐねぐねと胎動した。
のたうつ腰を容赦なく打ち付ける。
ナカがざわめき、ひと際きつく締め付けてくる。
「はぁああ、あぁ」
セシルが二度目を放った。腰が跳ね、痙攣を繰り返している。
その腰を更に抱え込み、男は腰を打ち据えた。
「ダメ、もうっ、もういやっ、あ、あぁ」
強すぎる快楽に耐えられず、強い力で抑えつけられているのに、セシルの腰は陸に打ち上げられた魚のように跳ね回った。
奥まで差し込むと、男も中で白濁を放った。
最奥に叩きつけられる濁流にセシルは一瞬意識を失った。

覆いかぶさる男が身じろぎをし、自分の中から出て行くのを感じると、セシルは意識を取り戻した。
「あん・・・ん・・・」
引き抜かれるその動作にも感じてしまう。
栓を抜かれると、セシルの中からは男が出したものが溢れてきた。
後孔は、はくはくと痙攣し、白濁を吐き出す。それが床へ垂れて行く。
その猛りを甘受して綻びきった蕾はしばらくするとようやくつつしみを取り戻した。
セシルはだるい体を冷たい床に押し付け、息を整える。
男がまた覆いかぶさってきて、セシルに口づけを与えた。
頭の芯が解けきってしまったセシルは口を開き受け入れる。
セシルは腕を持ち上げると、男の髪に手を差し込んだ。
同じ色。そう思うと、心に安堵感が広がった。
安心しきったセシルの蕩けた顔を見つめながら、男は再び猛ったものをセシルの後孔に押し付けた。
「んぅ・・・あ、また・・・」
もうできない、セシルは怖じ気づいたが、蕾の方はすでに男を呑みこむ準備を始めていた。
切先で突かれると、すぼまっていたそこは再度口を開き、与えられる衝撃を待ち受けた。
ゆっくりと挿入される。
「うぅ・・んっ・・くぅ・・・」
先程のぬめりのため、スムーズに入り込んでくる。
「ふぅっ、あ、あぁ・・はぁん」
体の中でぐちゅぐちゅというけたたましい音が響く。
「あぁ、あ、もう、ほんとに・・・」
度を超えた快楽に、セシルは青白い顔をして怯える。
「いや、や、あ、あぁ、はあ」
男の首元に縋りつくように回された腕に力がこもる。
「ふぅ、あ、ああぁ!」
爪先を丸めて背を反らす。
セシルはまた絶頂に達したが、吐き出されるものはなかった。
「あ、何これ・・は、はあ」
何度も立て続けに昇り詰める。
初めて感じるドライオーガニズムの心地にセシルは半ば意識を飛ばしてしまっていた。
セシルを叱責するように、腰を打ちつける。
「あぁ、も、許してっ、あぁ」
首元にまわされていた腕が床に落ちる。
「こんなっ、あ、あん、はぁん」
男が中に二度目をぶちまけると、今度こそセシルは倒れ込んだ。
セシルの中から出て行くと、ごぷりと音を立てて、白濁が溢れる。
何度も擦られて赤くなった蕾から絶え間なく精液が流れ出す様子はあまりにも扇情的だった。

男、ゴルベーザはなぜ突然弟がこの月の館へ来たのか疑問に思っていた。
―月食にはこのような効果があるのか、興味深い―
自分を知らないセシルに、自分を刻みつける。
残酷な遊戯の末、床に倒れ込んだ弟の汗で張りついた髪を撫で上げる。
意識を失っていてさえ、己の手に媚びるような仕草。
―悪くない―
ゴルベーザは口元に笑みを浮かべるとその場を立ち去った。

月食は終わり、また月が光を取り戻して行く。
立ちくらみからカインに寄りかかったセシルはそのまま意識を失ってしまった。
カインはセシルを抱きかかえて運んで行く。
ベッドに降ろすと、セシルが意識を取り戻した。
とろんとした瞳が開かれる。頬が上気していて、どこかなまめかしい。
そして、カインは気付いた、清潔な部屋に漂う雄の香り。
カインはセシルのローブを捲りあげた。
セシルの脚に伝わるもの。
カインは息を呑んだ。
何が起こっている・・・?
手を差し込まれ、セシルの意識は覚醒した。
「・・・っ、いや、カイン」
セシルはカインに縋りつく。
何かに怯えるようなセシルの態度。カインはその体を抱きしめた。
セシルが落ち着くと、体を清めるために、セシルをバスルームまで運んだ。

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ゴルベーザ「むくち、おれたち」
幣サイトID、moonsidenightはマザー2からパクりました。
カインのがマグナムだとしたら、ゴルベーザは対戦車用ミサイル
もはや人間と戦うことを想定してないぜぇー!

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