apricot #5
 

「潮ちゃん、柚李迷惑かけたくないよ……」
「俺が柚李と居たいの。柚李はまだ子供だからって自分に言い聞かせたんだけどな……離れてて、柚李に何かあるくらいなら、近くで迷惑かけられるほうがいい」
そっと顎を持ち上げて、いつの間にか手当てされてた傷に、潮ちゃんが触れる。
「潮ちゃんがキレイにしてくれたから――大丈夫」
強く、抱きしめられる。

潮ちゃんに出会うまで、柚李のことをこんなふうに包んでくれるひとはいなかった。
好きなひとの体温に触れて、どんなに安心できるのかも、知らなかった。
旭パパや、何より潮ちゃんに出会えたこと。
それだけはママに感謝する。

あれからママには会っていない。
どうしているかも知らない。
話し合いに出ていた潮ちゃんが、帰って来たときとても不機嫌で、怒っていたから、ママは最後までママだったんだろう。
自分が一番で、世界に自分しかいない可哀想なひと。
不幸にならなければいいな、と思うけど、柚李にはもう関係ないひとだから。

お祖父ちゃんたちは、柚李の里親ってことになった。
週に一度は必ずあっちのお家に行って、泊まることもある。
旭パパは、すでに再婚していて、でも、柚李と会うと以前と同じように娘として可愛がってくれる。
柚李は中学を結局転校して、今年の春に高校生になった。
奨学金制度のある学校に通ってる。
もちろん、潮ちゃんの家から。
勉強する以外はお家のことをして、夜は大抵潮ちゃんのベッドで眠る。
何もしない時もあるし、今みたいに、エッチなことをする時もある。
潮ちゃんは柚李のこと、どう思ってるんだろう。
優しい気持ちを疑ったことはないけど、やっぱり、最後までしないのは、ホントに柚李のことを愛している訳じゃないんだろうな。
だって、潮ちゃんは大人の、それもカッコイイ男のひとだ。
子供の柚李よりよっぽど綺麗で大人の女のひとが似合うはずだ。
柚李が一人で生きてけるようになるまで、側にいる理由をくれてるのかもしれない。
ホントはもういいよって言わなきゃならないのに。
潮ちゃんの優しさに甘えてる。
ずっと抱かれてたい。

「ァッアァ! ん、もう……ダメ、ダメ潮、ちゃん……ッ!」
「……いいよ、イきな、柚李」
中に指をたくさん入れられて、バラバラに動かされ、花芯を強く吸われ、柚李はイってしまう。
「……ッふ、……ん、う、、」
ビクビクする身体を抱きしめられる。
重なるように潮ちゃんが覆い被さってきて、柚李のこめかみや、唇にキスをしてくる。
ん……、あれ……?
潮ちゃんは、しなくていいのかな……。
最後までしないっていっても、それは柚李のなかに入れないってことで、
潮ちゃんの高ぶりを腿の間に挟んでイってもらったり、
あんまりさせたがらないけど、
柚李の手とか口とかで、
したり、とかもするのに。
潮ちゃん、と声をかけようとした時、ピピピッと電子音が聞こえた。
アラーム?
なに?
「0時……」
潮ちゃんが低く囁いて、柚李の腰を持ち上げた。
「……? 潮、ッア! っ……ひぁあっ!」
脚を広げられて。
ズクリと大きなモノが、柚李のなかに、押し込まれる。
「っあ……ぅ、潮ちゃんっ……!?」
――うそ。
潮ちゃんのが入って……、
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