apricot ＃６
「柚李……、柚李、力抜いて……」
「っ、だって、っん、急にぃ……」
どうして？
今までお願いしても絶対してくれなかったのに。
「ひ……ぁあっ、ぅあっ……や、おっき……いたぁぃっ」
グッ、グッと少しずつ潮ちゃんが入って来るのを、受け入れようとしてるのに、なかなか身体は言うことをきいてくれない。
ハァハァと荒ぐ息を必死に整えて、力を抜こうとしても、ちょっとでも潮ちゃんが動くと柚李の秘所は痙攣するように口を閉ざす。
感じすぎてるのがダメなのかな。
だってずっと欲しかったの。
諦めかけてたの。
「潮ちゃん……ッ、いいから、無理矢理してぇ……っ」
「――っ馬鹿、」
苦笑する気配。
「ふぁっ……、ン、ふ……」
胸に唇が落とされて、柚李が感じるポイントをいじられる。
そこから電流みたいなのが走って、ドロリと蜜壷が潤うのがわかった。
「っあぁ！」
ほんの僅か、弛んだ瞬間にズブリと肉棒が侵入を果たす。
はっ、と潮ちゃんが熱い息を吐き出して、その色香にゾクリとした。
「っ潮、ちゃん……っ、全部、はいって、る……？」
「ん、痛いか、柚李……」
首を振った。
内側は圧迫感にズキズキしているけれど、それより何より幸福がまさった。
嬉しい。
いいか？ て確認してから潮ちゃんが動き出す。
「……んん、ハァ、ぁ、んー……」
最初は慣らすように、ゆっくり抜き差しを繰り返され。
内壁を擦られ、グチュグチュとした水音が、淫らに柚李の耳に響いて、ひどく欲情する。
「あっ、ァアン、……ハァ、あぁ、っああん、」
揺さぶられるうち、どんどん身体の奥底から波が押し寄せて来る。
きもち、いいようっ……！
知らない間に腰を動かして、潮ちゃんをいっぱいに受け止めようとしてる自分に気が付く。
柚李ばっかり気持ちいい気がして、これだけは訊かなきゃ、とあえぎながら潮ちゃんに問いかけた。
「ん、っン、ッア、潮……、潮ちゃん…っ、柚李、気持ち、いい？」
「……ん、いいよ、感じて」
「ちが、ァ、潮ちゃんが、柚李で、気持ちいい？ って、」
「っ……、……わかんないか？」
ぐっと深く突き入れられる。
それはさっきより大きくて。
「っひぅぁあーッ！」
イイ場所をダイレクトに突かれ、一気に昇りつめた。
「……ハ、柚李……っ可愛い……」
柚李がイった後も、潮ちゃんは動き続け、柚李は泣きながら、また追い詰められてしまう。
「ぁあ……っんぁ、ぁ、あ、」
「……柚李……ッ……」
ドクン、と、潮ちゃんは柚李のなかでイった。
流し込まれる熱い液体を、うっとりしながら受け止める。
これで正真正銘、柚李は潮ちゃんの物、だよね？
でも、どうして急にしてくれる気になったんだろう。
柚李がボンヤリ考えてると、潮ちゃんが頬を撫でながら言った。
「――誕生日、おめでとう、柚李」
え……。
「16才、だろ？ 結婚出来る歳になったな」
確かに明日は……日付が変わった今日、は、柚李の生まれた日だ。
16才。
だから？
結婚、て……。
呆然としてる柚李と額を合わせて、潮ちゃんは照れたように微笑む。
「すぐに、て訳じゃないけどな。これで何があっても柚李を離さなくてすむ」
柚李の瞳から涙が溢れる。
そんなこと、考えてくれてたの？
なのに柚李、潮ちゃんの気持ちを、同情とか、責任感とか勝手に思い込んで、信じてなかった。
こんなに大事に愛してくれているのに。
「ごめ……ごめっ……なさい……」
「柚李？」
謝り出した柚李を怪訝そうに見る潮ちゃんに手を伸ばして抱きついた。
「好き……潮ちゃん、大好き……っ」
「……柚李、愛してる」
柚李も。
ささやいて、瞳を閉じる。
誓いのように、丁寧なくちづけをして。
貴方に見合う、大人になるから。
――ずっと、貴方の側にいさせて――
End.
突発的に青年と少女のエロらぶいちゃを書きたくなって、一日で書き上げたお話です。
ホントにただイチャイチャらぶらぶしているだけの話だったのに、蓋をあければシリアス。
何故。
お、お気に召せば幸いです……。
(2007/11/12)