apricot #4
 
 
全身を、清めるみたいに潮ちゃんの手に撫でられ、キスされて。
自分でもキレイにするためにしか触らない足の間に潮ちゃんが顔を埋めたときは、恥ずかしくて死んじゃうかと思った。
「ア! ァ駄目ぇッ……、潮ちゃん汚いよぅ……」
「柚李の身体で汚いところなんかないよ」
言って、その部分への愛撫を始めた。
「ふぅッ! んゃあっ、……あぁん……っゃう」
はしたない位声を上げてしまう自分にまた興奮した。
潮ちゃんが、ドロドロになったそこへ、ゆっくり指を差し込んだ時も全然嫌じゃなくて、喜んで受け入れてしまう。
痛いのも嬉しくて。
「ぁ、潮ちゃん、潮ちゃんっ……」
「……柚李、ゴメン」
 
? 何が、ゴメン?
聞き直す前に、中に入っていた潮ちゃんの指が敏感な一点を擦って、柚李は嬌声を上げて気を失ってしまった。
目が覚めると真夜中で、柚李は潮ちゃんのベッドに寝かせられてた。
「柚李、大丈夫か?」
頭を撫でる優しい手と、潮ちゃんの声。
夢じゃなかった。
柚李が擦り寄ると、ちゃんと抱きしめてくれる。
しばらくそうしていると、潮ちゃんが言った。
「……柚李、これからどうする? 家に帰りたいか?」
 
家、と言われた途端ビクッと勝手に身体が震えた。
帰るのはイヤ。
ママがママで有る限り、また、ああいうことがきっとある。
そして、ママは柚李が男を盗ったと思って、柚李を許さないだろう。
でも、潮ちゃんのところにいられるわけがないってことも、柚李にはわかってた。
どうするかの答えもないまま首を横に振るしか出来ない。
「帰りたくない?」
頷く。
「そうか。ならうちの子になるか?」
……?
「父さんと母さん……お祖父ちゃんとお祖母ちゃん、覚えてるよな? 柚李が嫌じゃなかったら、二人が柚李の保護者になりたいって」
ホントに?
連れて行ってもらったお祖父ちゃんのお家、古くて広くて楽しかったのを覚えてる。
二人とも、イキナリ現れた血の繋がらない孫にも優しくて。
「――でも、ママが……」
「手続きとか、難しいことは全部俺達がするから。柚李はハイかイイエで答えればいいんだよ」
「……潮ちゃんは、かまわない?」
「柚李の幸せが一番だからな」
柚李は、潮ちゃんのところにいたい。
でもそんな我が侭言えないから。
「お祖父ちゃんたちがいいなら、そうしたい…」
うつ向いて言うと、潮ちゃんはホッとしたように頭を撫でてきた。
「わかった。父さんたちに話すよ。兄貴も柚李に会いたがってたから、落ち着いたらあっちに行こうな」
「? 落ち着いたら、て……明日行くんじゃないの」
「表向き父さんが保護者になるけど、柚李は俺のところに居ればいい。部屋もあるし……駄目か?」
「潮ちゃんの側にいていいの?」
信じられなくて、泣きそうになりながら訊く。
「……あんなことまでしといて、柚李を放り出すようなことはしないよ」
耳元で囁かれて、かぁ、と顔が赤くなるのがわかった。
「う、うぅ……」
思い出したら恥ずかしいよー!
「ゴメンな、柚李の初めての恋人がこんなオヤジで」
からかうように抱きしめられて、ジタバタする。
「潮ちゃんはオヤジじゃないよぅ……」
ていうか、
「……恋、人に、なってくれるの……?」
「しばらくは内緒だけどな。兄貴に殴られるし、捕まる」
う。
柚李はやっと14才。
柚李がいくら良くても、悪いのは潮ちゃんてことになっちゃうんだ。
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