そんな当選確率いらん


『あ?』

あることに気付いた私はマジマジと名前から伸びる線たちを指で辿る。

『子供の数少ない?』

下にいくほど数は減っていってる。そして兄弟がいる家も少ない。

『ご明察。人間より長く生きるせいか、種として行き詰まってるのか、我々は子孫が出来にくいんだ』

日本でも少子化進んでるけど、そういうのとはワケが違うんだろう。自分の子どもなんてまだ考えたこともないけど。

『で、だ。ここでミツキがイミューンだという話に戻る』

 あたしに免疫あるんが何?

『――我々が繁殖した場合次代の生まれる確率は、同族間で10%、人間との間で0.1%、イミューンとの間では――100%』

 ……………は?
 ……いまなんか聞きたくないようなこと聞いたような。

『イミューンとの間だったら、ほぼ100%の確率で子どもは生まれる。――まあ、授かり物だから百発百中というわけにもいかないが、』
『つまり普通に子どもができるんだよね』

 ………あかん、耳が聞くことを拒否しとる。
 へー、さようですか、それってだからあたしにどう関係あんのー。

私、乙女ですから。
彼氏いない歴十七年ですから。
初チューもまだの清らかさんですから。

『と、いうわけでミッキは主に我が一族の若い男共に狙われてます』

アストリッドの軽い声に、おめでとうございまーす、なんてクス玉が割れる幻が脳裏を過った。

“と、いうわけで”じゃねえぇえ!!
 なんだその理由ッ!




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