一週間の空白


お腹もイッパイになって満足した私はそこでようやく現状把握。

 ここが病院らしいっちゅうのはわかるんやけど、あれから何がどうなってどないしたんやろ?
 さっきロルフが言ってたけど、一週間というのも含めて追求せな。

ベッドサイドのイスに座り、組んだ膝の上で書類をめくっているアレイストに顔を向ける。

「あのあとどうなりました? ほかのみんな、無事? ――リーリィは……?」

私の言葉にアレイストが眉をしかめた。

 まあそらな、殺されかけたんやしな、気持ちはわかる。

でも実際、私が一番気になっているのは彼女のことなのだ。

あれだけ憎しみと殺意を向けられて、自分でも不思議なのだが、どうしても、リーリィに対して負の気持ちを持てないでいる。
その分、クリストフェルのクソ野郎には踏んづけて蹴ってあのパツキンつるっパゲにしてやりたいくらいの怒りを持っているのだけれど。

「城の者は無事。ミツキが一番重傷だったよ。――クリストフェルたちは本家に移送した。ミツキの件と、今回の件あわせて、年が明けたら話し合いを持つ予定だ。それまでは、ア、……一族の、巫女の監視下に置かれる」

そこで言葉を切り、深ーーーいため息。気まずげに、でもってものすごく嫌そうに、白状した。

「……あの女は逃げた。今、行方不明だ」

 はい?


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